レビュー

【Vita】極限脱出ADV 善人シボウデス

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●公式サイト

本作は、脱出ゲームと数字を使ったゲームを用いて、謎の研究所から抜け出すアドベンチャーゲームです。
開発は、『かまいたちの夜』、『428 ~封鎖された渋谷で~』などでおなじみのチュンソフトさん。

研究所に監禁された主人公と8人の仲間たちは、それぞれ腕にはめられたバングルのナンバーを使った死を伴う裏切りのゲームに参加させられます。
仲間と協力したり裏切ったりすることでバングルの値が変化し、0になると死亡、9以上になると脱出することが可能。
果たして、この究極のサバイバルゲームの勝者となるのは誰なのか、そしてこのゲームを仕組んだ黒幕とは誰なのか──!

ちなみに、前作である3DS『極限脱出 9時間9人9の扉』のレビュー記事はこちら。
シリーズ完結編となるVita/3DS『ZERO ESCAPE 刻のジレンマ』もプレイ予定です!
(こちらは『999』と『善人シボウデス』の間の物語です。)

●3DS『極限脱出 9時間9人9の扉』レビュー記事

さくっとレビュー!

裏切りのゲームは緊張感というよりルート分岐システムになっていたけれど、どんでん返しが鮮やかなストーリーは圧巻
ただし、未完であることと前作のネタバレが盛大にあるので要注意。
フローチャートが導入されたので、周回プレイも比較的やりやすいです。
フル3Dになったことでイベントシーンはややチープに、脱出ゲームの操作性はやりにくくなりました。

くわしくレビュー!

前作のネタバレ注意!どんでん返しのあるストーリーは再び未完へ!

まず、前作の事件から数年後を描いた本作は、序盤から容赦なく前作のネタバレをしていきます。
黒幕についても実にさらっと正体が明かされるので、前作をプレイする予定の方はまず先にそちらをプレイしておきましょう!
ちなみに、本作のストーリーは終盤に大きなどんでん返しがあります。
エンディングは再び未完となりますが、思わず声が出てしまうほどビックリできるので、そうしたテイストが好きな方にはおすすめです。

本作は前作に引き続き、数字を使ったゲームと脱出ゲームを用いて、隔離された研究所から抜け出すアドベンチャーゲームです。
数字を使ったゲームは、アンビデックスゲーム(ABゲーム)となり、名称・ルールが変更されました。
ABゲームは、バングルに表示された同色のペアとソロが対決するゲームで、ABルーム内で協力・裏切りのどちらかを選択することでバングルの値が変化。
9以上になれば脱出可能で、逆に0以下になればペナルティが発動し死亡となります。

──と、駆け引きのある感じになっていますが、基本的にはこの選択によってルートが分岐していく感じになります。
ルートはいつでもフローチャートで確認できるので、緊張感のある駆け引きというより分岐のためのシステムになっている印象でした。

フローチャートによりルート攻略が楽になった一方、面倒なシーンはスキップできず……

本作ではフローチャートが導入されており、ABゲームの選択による分岐から様々なキャラクターのルートをプレイできます。
個別ルートでは、それぞれのキャラクターの過去や物語全体に関わる謎について明らかにされていきます。
前作では、目立つキャラクターとそうでないキャラクターがハッキリ分かれていましたが、今回はすべてのキャラクターにフォーカスした物語を楽しむことができるので、全員のルートをクリアしたくなりました。
BAD ENDも含めてエンディングの数はキャラクターの倍以上はあるためかなり多めですが、一度クリアした脱出ゲームはスキップできるので攻略はしていきやすいとおもいます。

ルートによって会話や展開が微妙にちがうこだわりがありましたが、ほぼ一緒の展開でも既読スキップができないので、似たようなイベントを何度も見るのは面倒でした。
また、研究所のマップをマーカーが移動するムービーや、扉を開けるムービーなどもスキップできません。
研究所の地理関係を理解しても本筋にはまったく影響がないので、わざわざ丸い点が移動するムービーは必要なかったかなとおもいます。

操作性が悪くなった脱出ゲーム。キャラの3D化もややチープな印象……

私はVita版をプレイしたのですが、脱出ゲームパートは操作性が悪くなりました。
前作にあった、調べられるオブジェクトを白枠で囲うアシスト機能がなく、無駄にあちこち調べてしまうことも。
脱出ゲームは種類が多く、仕掛け自体も工夫がされていてよかったのですが、うまく操作できなくてストレスに感じることが目立ちました。
あ、難易度は調整が可能なので、慣れていない方は下げることで仲間からヒントをもらいながらクリアしていくことができます。

また、キャラクターの立ち絵やイベントシーンは3Dで表示されるようになったのですが、立ち絵はまだしも、イベントシーンはかなりチープな印象がありました。
こちらも前作同様に西村キヌさんがキャラクターデザインを担当されたのですが、3D化されたことでつるっとしたキャラクターになってしまい、あまり活かされていない感じでした。
あ、ちなみにグロさもだいぶ軽減されました。

まとめ!

ストーリーのボリューム感やどんでん返しがパワーアップした一方、脱出ゲームの操作性や移動時のムービーがスキップできないことによる細かなストレスがもったいなかった本作。
前作の盛大なネタバレがあること、エンディングが未完なことには要注意ですが、周回プレイも比較的やりやすくなったので、ちょっとした部分には目をつぶってプレイすると楽しめるとおもいます。

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たこ
積みゲーマーです! ジャンルはRPG・アドベンチャー・パズルが好きですが、とりあえず気になったものは全部やる!! 読みやすくて前向きなレビューになるように心がけています! 連絡先▷info@tsumige.net