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●公式サイト
本作は、人の世と妖かしの世が交わる常世の花街を舞台に、この街で生きることを定められた少女の愛する人との自由をかけた逃避行を描いた乙女ゲームです!
開発はお馴染みのオトメイトさん。
豪華絢爛な花街の高天原で、物心ついた時からお職花魁候補として育てられてきた主人公は、外の世界に憧れ、高天原から出るという夢をかなえるために花魁を目指します。
その過程で、妖かしや人間の男性たちと触れ合うことで恋を知り、いつしか共に外の世界へ行きたいという願いを持つように──というお話です。
周回プレイはしやすいけれど、ストーリーは薄味
攻略キャラクターは6名、うち2人は攻略制限があります。
共通ルート3章、個別ルート4章でエンディングは2種類。
ストーリーは共通個別ともに2~3時間程度。
個別ルートに入ってからは、物語の主軸と関係ないエピソードが挟まれたりするので若干冗長な印象を受けました。
既読後は章のチャプターから読み始めたい場所を選択できるので、個別ルートのために初めからスタートしなくても大丈夫で周回プレイは楽でした!
で、本編は文字どおり、愛の逃避行が作品の中心でした。
ただ、逃避行が決断され実行されるまでが早く、楼主の許可なく勝手に遊郭を抜けたものには厳罰が下る──とされているにも関わらず、あっさり脱出に成功したり、その後色々あって戻ってくることになったりと、自由にならない束縛感や追手から逃げる緊張感はありませんでしたw
そもそも、冒頭から全キャラクターともに主人公に行為を寄せている状態でスタートするので、恋に落ちる過程も2人の恋路の障害もあんまりなく、あれよあれよという間に展開し終了なので、「と、とりあえず良かったね!」みたいなテンションになりますww
キャラクターに関する描写も少なく、良い素材を生かしきれいない
妖かしと人間という異なる種族や立場のキャラクターがいて、独特の世界観や背景があるのは良かったのですが、個々があんまり深められていないので、「見た目がちょっとちがうかな?」ぐらいの差しか感じませんでしたw
声優さんの演技は良かったし、個々の会話ももっとちゃんとやってくれれば魅力的なキャラクターになった気がするだけに……惜しい!
主人公についても、「高天原の外に出たい!」という強い思いを持つようになったのかをしっかり描いていないので感情移入しにくいです。
加えて、攻略キャラクターとのコミュニケーションもそこそこに「一緒に外に出よう!」みたいな展開になるので、完全に観客のモチベーションでしたw
恋愛描写も淡白なので、雰囲気を楽しむべきかと……
立ち絵は目パチ、口パクがあり、1人1人の枚数は多くないもののサブキャラクターもしっかりあるので、アドベンチャーパートはとても賑やかでした。
ただ、イベントスチルが淡白で、なんとなくキャラクター同士が側にいたり触れたりするものが多くて、結果的にシーンごとの印象も薄くなっている感じでした。
ゆえに、甘さも全体的に控えめに。
まとめ
世界観や雰囲気は良いけれど、中身はあんまりなかった本作。
んー……もっとキャラクターの葛藤や苦悩にフォーカスしていれば、閉ざされた世界からの脱却が熱いものになったのかなぁと。
余談ですが、同じ遊郭モノなら『花咲くまにまに』をプレイされることをオススメします!
●PSP『花咲くまにまに』感想記事
※現在はVita版も発売されています。
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