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●公式サイト
本作は、ボーカロイドの初音ミクさんと仲間たちが登場するリズムアクションゲームのシリーズ最新作です。
今回では、新たにストーリーモードとなる「ライブクエストーモード」が追加。
ほかにも、全曲キャラクターのダンスパフォーマンスになり、曲中の変身演出によってランダムでモジュールやアクセサリーなどのアイテムがドロップ、複数の曲が連続して流れるメドレー楽曲など、シリーズとしては新しい試みが多いタイトルとなっています。
さくっとレビュー!
収録曲は全30曲+メドレー6曲でボリュームはありますが偏りっており、ミクさん以外のキャラクターのソロ曲が減ってしまいました。
また、キャラクターの表情やダンスは凝っているので見応えがある一方、ドラマチックな楽曲が多いのでPVのほうが合っていたのかなと。
むしろ最大の問題は、モジュールなどのアイテムが完全ランダムドロップでかぶりがあること!
これによってなかなか欲しいアイテムがでなくてストレスが溜まるほか、全解放の有料追加DLCにも不満が残りました。
くわしくレビュー!
全曲ダンス演出!かわいいけれど物足りなさもあり……
収録楽曲は30曲+メドレーが6曲で、新曲が多いためシリーズファンの方でも新鮮な気持ちでプレイができるとおもいます。
メドレー曲はオリジナルのアレンジがなされており、ライブ演出も相まって聴き応えがありました。
残念だったのは、本作には後述のモジュールドロップシステムがあるので、メインボーカルが1人の曲が中心だったこと。
(もちろん、複数のキャラクターで歌う曲もありますが、『スキキライ』や『番凩』といったデュエット曲が好きだったので……。)
また、ミク以外のキャラクターの曲も減り、なかでもKAITOとMEIKOのソロ曲がないのにはガッカリでした。
演出については、前作までにあったPVはなくなり、全曲ダンスパフォーマンスになりました。
ダンス自体はとても丁寧に作られており、カメラワークも素晴らしく、随所で見られるキャラクターのちょっとした表情はとても豊かでシリーズ最高のかわいらしさでした。
ただ、『アカツキアライヴァル』や『エンヴィキャットウォーク』のようなPVとダンスが組み合わせてある演出が好きだったり、今回収録されている曲は『Mrs.Pumpkinの滑稽な夢』や『恋愛裁判』など、物語が描かれるドラマチックな曲も多かっただけに、PV演出で見たかったなと感じました。
リズムゲームについては、ダブルスクラッチがなくなり、新たに連打ノーツである「ラッシュノーツ」が追加。
1曲のなかで連打するパートは増えましたが、曲によっては長押しよりも雰囲気が合っているものもありよかったかなとおもいます。
アイテムは完全ランダムロドップでかぶりありなので、コンプリートには膨大な時間がかかる
本作のモジュールは、ライブクエストモードとイベントクエストで手に入れることができます。
新規だけでなく過去シリーズからの再収録もあるので、モジュールは約300種、アクセサリーはそれ以上の種類があります。
たくさんのコーディネートができるのはよいのですが、問題は完全にランダムドロップとなっており、かぶりが発生すること。
さらに、1曲につきメインにした1人分しかキャラクターのモジュールが獲得できないので、すべてのアイテムを揃えたいとおもったら繰り返しプレイする必要があります。
また、曲の雰囲気に合わないモジュールが容赦なくドロップするので、ややネタっぽい感じで楽しめないと気になるかなとおもいます。
さらに悪いことに、これらのアイテムをいち早く全開放するための有料追加DLCが販売されています。
私は、追加DLCについてあまり不満を持たないプレイヤーなのですが、これにはちょっと不満があったので記載しておきますね。
まず、プレイヤーはそれぞれのゲームに対してクリアまでの目標時間──ここでは「期待プレイ時間」と定義します──がなんとなく設定されているとおもいます。
これはおおよそジャンルによって規定され、本作のようなリズムアクションゲームの場合、30時間ぐらいになるでしょうか。
もしランダムドロップによるアイテム集めが、この時間の範囲内で収まるものなら、不満は感じなかったかもしれません。
なぜなら、有料DLCの存在は、プレイヤーが期待している時間をかければ必ず手に入るものを早く手に入れたいから購入する──となるからです。
しかし本作では、上記のようにアイテムのドロップ完全ランダムなうえに種類も多く、普通にプレイしてコンプリートしようとおもうとこの期待プレイ時間を優に超えてしまいます。
(ちなみに、モジュールを10時間弱で75種(全体の25%)を集められたのですが、この場合かぶりなしでも残りを集めるのに最低でも40時間かかることになりますね。)
そのため、プレイヤーがアイテムをコンプリートするためには、追加DLCを使うことが前提になっている──と感じさせてしまうところが不満を持つ原因だとおもいます。
個人的には、かぶりなしにするだけでも十分に解決可能な不満点だっただけに、もったいないシステムだったとおもいました。
ストーリーが冗長なライブクエストモードと、気になる諸々の変更点
本作の新要素であり、メインとなるモード「ライブクエストモード」。
ミクさんたちとの会話イベントをはさみつつ、ニュートラル・キュート・クール・ビューティ・カオス──という5つのエリアを巡ってリズムゲームをプレイしていきます。
これまで明確なキャラ付けがされなかったミクさんたちですが、このモードでは特定の性格が設定されているので違和感がある方も多いかなとおもいます。
また、ストーリー自体も特に工夫がされているわけではないので、冗長な会話イベント見るのはやや面倒でした。
そのほか、DIVAルームが廃止になったことで、お部屋を自由にアイテムでコーディネートすることができなくなるなどの変更点もありました。
(キャラクターにプレゼントしたアイテムは飾ってもらえますが、場所は選べません。)
個人的には、新モジュールをゲットして曲をクリアしてメニュー画面に戻ると、元の衣装やアクセサリーがリセットされてしまうので、イチイチ付け直さなければいけないのは少し手間でした。
あと、エンディングでお馴染みだったミニゲームが廃止されてしまったり、ロード画面中に表示される一枚絵もなくなってしまったのは悲しかったです。
まとめ!
リズムゲームとしては安定のおもしろさを持ち、キャラクターのかわいらしさにはさらに磨きがかかりましたが、アイテムのランダムドロップなどのシステム変更によってプレイヤーにストレスをかける仕様になってしまった本作。
収録されている楽曲は聴き応えがありますし、ダンスもとっても丁寧に作られているだけに、従来のままのシステムで作って欲しかったタイトルでした。
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