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●公式サイト
本作は、銀河系が舞台の群像劇を描く人気RPG『スターオーシャン』シリーズ、実に7年ぶりの最新作です。
開発は、おなじみのトライエースさん。
今回の物語は、1人の少女を巡り、中世の雰囲気漂う惑星フェイクフリードを冒険します。
フィールドで敵に接触するとそのままシームレスにバトルがはじまったり、キャラクターに役割を与えるロールなどの新システムを持ちつつ、プライベートアクション(PA)やアイテムクリエイションなどおなじみのシステムは健在です。
さくっとレビュー!
ストーリーが短いうえに基本お使いイベント、会話はスキップできない、徒歩が遅いけれど多い、バトルは乱戦&連打、カメラワークが悪い、素材が集まらなくてアイテムを作成できない──と、問題点を挙げたらキリがない本作。
それでも、シームレスにスタートし演出が派手で爽快なバトルやフィールドグラフィックの美しさなどもあり、なんだかんだとプレイしてしまう魅力がありました。
ただ、基本的に面倒な移動を繰り返しながらお使いクエストをこなしていくゲームですし、星の海を冒険するというより星にある海沿いを冒険する感じのゲームなので、シリーズ待望の最新作としては大いに物足りなさを感じました。
くわしくレビュー!
あっさり物足りないストーリーと、ひたすら面倒な移動!
クリア時間は、掲示板で受注できるクエストを7割程度クリアしても25時間前後と、シリーズの新作としてはかなり短めです。
さらに、惑星間の移動がなく、序盤から終盤まで1つの星のなかで少女の取り合いに従事しているので、宇宙を舞台にした壮大な雰囲気はありません。
物語の規模は小さいだけにとどまらず、深刻な問題もあっさり会話イベントだけで解決してしまうなど、達成感も少なかったかなと。
個人的には、せっかく艦隊戦があったのに、キャラクターの会話とモニターの表示だけで淡々と終わってしまったのはとても残念でした。
また、物語の途中でワープが使えるようになりますが、毎回艦を経由しなければいけないことと終盤まで使える期間に限りがあるので、広いフィールドや街では大半が歩くことになります。
あまり狭いマップも困りますが、エリアの入り口付近にあるスピンカーブや階段の連続といった無駄な徒歩があり、移動は面倒に感じる機会が多いとおもいます。
また、掲示板で受注したクエストは、同じ場所でしか達成や納品報告ができません。
さらに、討伐クエストをクリアすると、また同じエリアに討伐クエストが出現するといった手間を感じさせる仕様になっている点も良くないポイントです。
乱戦だか爽快感のあるバトルと、組み合わせを考えるのが楽しい育成!
バトルは、パーティメンバーのなかから1人を操作し、弱攻撃・強攻撃・防御と三すくみの関係を利用しながら攻撃を与えていきます。
スキルは、近距離・遠距離向けにそれぞれ2種類装備ができます。
とはいえ、いざバトルになると敵も味方も多いので基本的に乱戦になってしまいます。
ゆえに、なんとなくボタン連打になってしまいがちなのですが、フィールドからシームレスに移行することとスキルのエフェクトが派手なので爽快感はありました。
難易度については、物語中盤にむずかしいイベントがあるので、バトルに不安がある方は一番低い難易度の「EARTH」で進めることをおすすめします。
また、ステータスの強化や攻撃にデバフ効果を付加したり、キャラクターのアクション傾向を調整するロールシステムはとても楽しかったです。
ロールは1人のキャラクターにつき最大4つまでセットでき、組み合わせによってキャラクターの強さが大きく変わります。
そのため、それぞれキャラクターの攻撃タイプに適したものをセットしたり、力押しのパーティならダメージ覚悟の攻撃力重視、ボス戦では回復キャラクターが死なないように守りに徹する人を作る──といったプレイヤーの個性に応じた戦術をとることができます。
あ、ディフェンダーだけ敵をヘイトをちゃんと集められなかったり、ガードの恩恵が感じられなかったりとあんまり役に立たなかったので、私はアタッカーにしていました。
街もさることながら、本作ではフィールドエリアの景色がとても美しく、特に遠方までしっかりと描かれているので見応えがありました。
惑星を渡り歩く話ではないのでエリアの数は多くありませんが、滝の流れる森や夕日が輝く水平線、街を見下ろせる高台など圧倒的な風景が観られるのはよかったとおもいます。
ガクガク揺れるカメラと、作れないアイテムクリエイション!
本作を語るうえで欠かせないのが、カメラワークの悪さです。
徒歩で移動している最中は、地面のちょっとした段差に対してもカメラが上下するため、集中して見ていると酔いやすいかなとおもいます。
ミニマップを開いたまま移動できないのは少し面倒でしたが、上記のようなカメラワークなので、移動中画面を直視していると酔うため、マップを開く手間はある意味良かった気もします。
また、メイン要素の1つであるアイテムクリエイションですが、消耗品から装備品のレベルアップ、攻撃アイテムなどあるキャラクターのPAをクリアすることで作れるアイテムはどんどん増えていきます。
が、素材がなかなか集まりません。
本作では敵と戦ったり、探索ポイントを探して素材を集めるのですが、ドロップはランダム。
確率を上げるためにパーティースキルのレベルを上げるといった対処法がありますが、それでも万年素材不足で大抵のアイテムはすぐに作れません。
クエストで納品する場合もあるため、結局私はあまり作らないままクリアしてしまいました。
まとめ!
ストーリーやシステムを中心として随所に不満がありつつも、バトルとキャラクター育成が楽しくてついちまちまお使いクエストをクリアしてしまった本作。
壮大な物語や戦略性の高いバトルを期待していると肩透かしにあいますが、美しい世界を観光がてら敵を倒しつつ歩いてみようかな──というテンションでプレイすると意外に楽しめるとおもいます。
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