「群衆」をテーマにしたシリーズ最新作は、通りにも人がわんさかいるため、歩きにくかったというのが一番の印象でした。
フィールドは建物の中まで丁寧に作りこまれており、聖堂には荘厳さが、民家には生活感あり。
エリアによって街の雰囲気が大きく異なるので、ロケーションとしての見ごたえはありました。
マイナスポイントとしては、サブミッションが労力の割に達成感が薄いこと、時間だけがかかるスマホアプリをプレイしないとアイテムがコンプリートできない仕様です。
ゲームレビュー
記事の目次
本作は、UBIソフトさんの人気ステルスアクションゲーム『アサシンクリードシリーズ』の最新作です。
今回の舞台は革命に揺れるフランス、パリ。
作品のテーマに「群衆」とあるように、フィールドマップは基本的にパリ1つだけですが、とにかく人が多いです。
革命の運動が盛り上がってる広場や大きな建物前などでは、有象無象に人々が存在しており圧巻。
あ、ユニティとあるようにマルチプレイも推されているのですが、ぼっちプレイヤーなのでレビューはありません。
群衆は存在感よりも、邪魔な印象が目立つ
本作ならではの要素である「群衆」ですが、上記のように集まっているだけではなく通りという通り存在しています。
裏通りではいちゃいちゃしているカップルがいたりと個々の特徴があるのはよいのですが、とにかく邪魔で歩きにくいことが印象に残りました。
もちろん、押しのけながら進むことができるのですが、敵はいくら周りに一般人がいようと銃をドンパチしてくるので、逃げているときは早くどいて欲しい気持ちでいっぱいになります。
地面にひとがたくさんいる一方で、屋根の上に配置されている敵の数は圧倒的に減りました。
大きな建物の上とかにチラホラいるだけで、危険地域の屋根にもいません。
地上を追いかけられている際に屋根の上まで追跡しないので、安全に逃げられるポイントになっているのだとおもいます。
そのため、本作での移動は屋根の上が推奨されているようなのですが、でこぼこしていて走りづらく、急いでいるときはやはり地面のほうがいいんですよね。
……群衆が邪魔なのですがw
建物は作り込まれているが、入り組みすぎて迷子になる
また、今作では建物の内部に入れるようになりました。
それぞれの地域に合わせたレイアウトになっており、職人の家では工具や作業している姿が、貴族のお屋敷ではメイドさんがお掃除していたりと、当時の生活を感じられるとおもいます。
教会なども内部がしっかり再現されているので、観光気分に浸りながら美しいステンドグラスを眺めることができます。
こうした屋内の作り込みはすごいのですが、入り組みすぎていて迷子になることも多々ありました。
一番の弊害としては、アイテム探しの手間がかかるようになったこと。
特に窓や扉は、もともと開いているところからしか屋内へ入れません。
そのため、おそらく2階にアイテムがあるだろうと想定できても、登り方がわからずに建物の周りをぐるぐる回ることがありました。
(個人的には、自拠点の施設が把握できずに、「防具部屋」を探すために30分以上さまよい歩きましたw)
メインストーリーはよいが、サブミッションは難易度が高い
メインストーリーに関しては、アサシン教団の偉い人や隠れ家が登場するなど、シリーズとしては久しぶりの王道感を感じられました。
サブキャラクターたちも癖のある人物が多く、登場時間は短くても印象に残っているひとが多くなるとおもいます。
あと、コスチュームもフードや腰巻き、小手など細かくカスタマイズでき、色も変更できるので、着せ替えが楽しめるのもよいポイントですね。
一方、サブミッションはミステリー要素が強すぎるため、内容がわかりづらいことがありました。
具体的には「伝説の防具集め」で、ヒントとなる謎掛け文の解読が困難でした。
パリの地理に関することや建物の構造などが手がかりとなるため、あまり詳しくないプレイヤーは攻略サイトのお世話になるのがおすすめです。
余談ですが、苦労して手に入れたアイテムが見た目しか変わらず、達成感が得られない点も不満でした。
アイテムは使うことが前提、アプリをプレイしないとコンプリート不可
本作には、タイミングアクションが組み込まれた宝箱やカギがあり、主人公のスキルを上げないと開けられないものがあります。
問題は、開けるためのピックが所持制限があり、目押しが苦手な人は「ピックなくなった!買ってこなくちゃ!」という状態になります。
体力の回復もアイテムのみになったので、なくなるとお店に行くか敵を倒して巻き上げるしかありません。
これまで高いところから不用心にひょいひょい飛び降りてダメージを受けていたプレイヤーなので、慎重な動きが求められるのはややストレスに感じました。
アイテム関連で一番の不満点は、スマートフォンアプリをプレイしないとゲットできない宝箱があること。
しかも、アプリはパズルとキャラクターをミッション派遣するだけの単調なゲームになっており、アイテム獲得まで24時間以上かかることもありました。
本編をサポートする目的ならよいものの、時間をかけさせるだけになってしまうのはよくないとおもいます。
さいごに
中世ヨーロッパの雰囲気や生活感はよいものの、システム面など新しい試みが足かせになった印象がある作品でした。
伝統や歴史を感じる重厚感、そしてストーリーは見ごたえがあったので、観光を兼ねながらのんびりプレイするのがおすすめです。