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●公式サイト
本作は、雪の降りしきる世界を舞台に、いけにえとなる少女と最果ての地を目指すRPGです。
開発はスクウェア・エニックスさんがRPG専門スタジオとして立ち上げた、Tokyo RPG Factoryさん。
1990年代のRPGが持っていたプレイ感覚を指針として作られたタイトルで、『クロノトリガー』をベースにしたバトルシステムやピアノの旋律によって奏でられる切ない雰囲気が印象的な作品です。
さくっとレビュー!
記事の目次
冒険の範囲やストーリーのボリュームなど、全体的に箱庭サイズで作られたRPGでした。
雪に包まれた終末感漂う切ない世界観はとてもよかったのですが、肝心のいけにえの旅が苦難などがあまりない平坦な作りになっており、インパクトに欠けるのはもったいなかったかなとおもいます。
タイミング操作のあるバトルや、カスタマイズ要素豊富な育成システムはやりごたえがあり◎
くわしくレビュー!
こじんまりとした箱庭世界をさくっと冒険するRPG!
PS4版をプレイしましたが、発売前に懸念されていたロードはほぼなく、終始テンポよくプレイすることができました。
クリア時間は20時間前後で、ダンジョンのやりこみなども含めるともう少しプレイできるかなとおもいます。
物語は、魔物の被害を抑制するためのいけにえとなる少女を護衛するというお話なので、キャラクターは明るいのですが全体的に終末感が漂う切ない雰囲気となっています。
ただ、世界はすべて雪に包まれているので見た目のちがいが少なく、冒険しているというより箱庭世界を探検しているという感じがしました。
旅自体にあまり苦難がなく、移動がメインになっていたことも原因かなとおもいます。
もう少しキャラクターについて深掘りしたり、大きな展開があったりするればメリハリが出たかもしれませんね。
また、BGMが全部ピアノなので、雪の静寂と相まって全体的に落ち着いた世界になっているのも印象的な一方、盛り上がりに欠けるところがありました。
ピアノの旋律自体はとても美しかったので、重要なシーンで使った方がより効果的だったのかなと。
もったいない部分はあるものの、戦略性の高いバトル!
バトルは『クロノトリガー』をベースにしたアクティブタイムバトル(ATB)なので、ダンジョン内で敵のシンボルに触れるとそのまま半シームレスでバトルに移行します。
最大の特徴は、「刹那システム」というタイミング良くボタンを押すことで技の効果を拡張するシステム。
効果には追加ダメージやクリティカル確定、回復などがあります。
発動させるための刹那ゲージは、行動やダメージを受けた際に溜まるだけでなく、ATBゲージがMAXの状態での時間経過でも増えていくので、基本的に本作のバトルは待つバトルになります。
また攻撃の際、敵味方のキャラクター位置が動くのもポイントです。
位置関係によっては複数ダメージや軌道上にいる敵にもダメージを与えることができますし、その逆も然りなので、行動をするタイミングが重要。
ただし、プレイヤーの攻撃範囲が表示されないので、「なんとなくこの辺なら当たるかな?」的な感覚でプレイしなければならないのは残念でした。
(当たり判定はそこまで微妙ではないので、慣れてくれば大丈夫かなともおもいます。)
バトルの難易度は基本的に高くはなく、着実に敵を倒していけば必要以上にレベル上げをしなくてもクリアまで辿り着けました。
(あ、終盤に登場するボスに強力リジェネとストップ連発するのがおりまして、それには結構苦労をしました。)
連携技などもありますが、なによりデバフがとても有効なゲームで、ボスでも気軽にストップさせることができます。
そのため、敵が強いなと感じたら、デバフ効果を考慮して戦うとよいかなとおもいます。
カスタマイズ要素が豊富な育成システムは、やりこんでもやりこまなくても楽しめる!
本作では、敵からドロップする素材を集め「法石」を作り、装備することでキャラクター固有の技や魔法が使えるようになったり、様々な能力を上昇させることができます。
ちなみに、ドロップする素材は倒し方によって分かれているので、特定の属性で倒したり、刹那で倒したりと工夫が必要になります。
装備する法石はプレイヤーの裁量に任せられているので、どの技を使うか、どのような能力を上げるかは自由です。
法石には、物理攻撃力アップ・ATBが溜まりやすくなる・攻撃時に石化を付与する・攻撃範囲が大きくなる・敵に狙われにくくなる──など多彩に効果が用意されているので、プレイヤーのバトルスタイルに合わせて組み合わせるので楽しめました。
さらに、法石は「法器」という装備品にセットすることでバトル中に「昇華」させることができ、法器に対応した新たな効果を得ることができます。
MP消費を減らしたり、技の威力を拡大したり、クリティカル率を上げたり──最大10種類まで昇華効果を付与できるので、法石の組み合わせに加えてさらなるやりこみ要素となっています。
と、がっつり育成システムはありますが、あんまり考えずに普通に進めて作れる法石を装備していくだけでもちゃんと戦うことができるのでご安心を。
ちなみに私は、ザコ戦では「エンド・キール・ヨミ」の火力重視メンバー、ボス戦では「エンド・セツナ・ヨミ」の筋肉バカと回復少女というパーティーでなんとなく進めていましたw
まとめ!
バトルや育成はおもしろかったのですが、RPGとしての冒険やストーリーに物足りなさを感じた本作。
ただ、基本的に遊びやすい作りとなっているので、がっつり時間をかけないでさっくり冒険を楽しみたいというユーザーや、切ない雰囲気の世界観に惹かれた方にはおすすめです。
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