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●公式サイト
本作は、サイコな世界を舞台に超高校級の能力を持つ生徒たちがコロシアイゲームに挑む、ハイスピード推理アクションアドベンチャーゲームのシリーズ最新作です。
物語は、これまでのシリーズに登場していた希望ヶ峰学園から、才囚学園という新しい学校に変更。
「嘘」をテーマに、新キャラクターや新しい学級裁判のシステム、サイコクールなインターフェースなど過去作品のプレイ感覚はそのままに大きくリニューアルしています。
なお、本記事にゲーム本編に関する直接的なネタバレはありません。
さくっとレビュー!
記事の目次
見た目はとがりつつも、シナリオには王道感があったシリーズ作品でしたが、本作ではかなりとがったエンディングとなりました。
「嘘」がテーマになっており、随所にそれを使った要素が盛り込まれつつも、結果的にプレイヤーが嘘と真実の判別ができないような結末になっていたとおもいます。
そのため、シリーズファンにはなかなかおすすめしづらい作品です。
一方、学級裁判パートは議論の展開や内容がとても充実しており、シリーズで最も楽しめました。
(ただし、ミニゲームには難ありw)
くわしくレビュー!
とがりの強すぎるエンディングゆえ、人を選ぶシナリオに……
まず、シナリオについてですが、本作では「嘘」がテーマになっており、シナリオや学級裁判などさまざまな部分にそれを使った仕掛けが満載でした。
真実を推理して追求するゲームだったので、嘘を使って学級裁判を乗り切ることは新鮮味がありました。
ただ、ゲーム全体に嘘となる要素が多すぎて、最終的にどこまでが真実でどこまでが嘘なのか、プレイヤーは何を信じればいいのかわからなくなってしまったのはもったいなかったとおもいます。
それぞれの事件や物語の展開は過去シリーズとは異なる展開で進行していくため、どうなるのか予想できない楽しさがありました。
しかし、全体を通したストーリーの描写が弱く、世界観についてあまり想像できないので、なんとなくもやもやしながら続いていく印象がありました。
そのため、学級裁判を乗り切り新しい情報が提示されても、それが一体どうやってつながっていくのか、何か明らかになったのか分からないまま次の事件に臨んでしまいました。
このシリーズは、見た目や表現にとがりはあるものの、一定の王道感がある作品でした。
本作のとがり方はエンディングを筆頭にかなりアグレッシブになっており、過去シリーズの感覚でプレイすると違和感がある内容かなとおもいます。
そのため、シリーズファンには手放しにおすすめできない作品となりました。
学級裁判は、ミニゲームがプレイしにくいけど議論のクオリティは高くなり楽しい!
学級裁判パートは、議論の展開にこなれてきた感があり、新要素のパニック推理や閃きアナグラムなどのミニゲームが盛り込まれるタイミングやバランスがとても良くなりました。
結論は分かっているのになかなかその話に辿り着かないといったこともなく、全体的にスムーズに進めていけました。
(ただし、最終章ではかなり回りくどい表現が多く、少しだるさがありましたが……)
特に、議論スクラムという二手に分かれて意見をぶつけ合うシステムは、演出を含めてかっこよくてテンションが上がりました。
嘘をついて裏ルートに突入するなど、テーマもしっかり使われていたとおもいます。
個人的に、クライマックス推理はマンガが見やすくなった一方、丁寧に事件を追いすぎてやや冗長な感じがありました。
おしおきムービーについては、シリーズで最もダークな表現が強くなり、サイコポップというよりは観ていてちょっとつらい感じになりました。
ミニゲーム関連は、裁判中に入るタイミングは良いものの、クオリティにやや難あり。
なかでも、車を運転するブレインドライブは、文字集めに時間かかって面倒でした。
閃きアナグラムもフォントや色との相性が悪く文字が判別しにくく、ズムアクションである理論武装はテンポが曲と合っておらず、相変わらずタイミングがめちゃくちゃでしたw
独特の個性を持ったキャラクターに、遊びやすくなったゲームシステム!
新キャラクターたちは個性はあったのですが、プレイヤーがネガティブな印象を持つような発言やキャラ同士の会話が少し多いと感じました。
グロ要素もやや強くなりましたが、それ以上に下ネタのオンパレードすぎるのは気になりました。
特に性的表現に関してダイレクトな発言が増えたので、聴いていて不快に感じることも多かったです。
一方、文章のテイストがキャラクターに寄った書き方になったため、苦しい状況を見て楽しいよりも心を痛める感じになっており、感動する場面がシリーズで最も多くありました。
インターフェースは、サイコクールというテーマのとおり、全体的におしゃれな感じになっていました。
学級裁判時は、ややごちゃっとしている感じがしましたが、しばらくプレイしていると違和感は感じないとおもいます。
また、スキルをカジノのコインと交換して覚えられるのはいいシステムでした。
過去作ではキャラクターと仲良くなって教えてもらっていましたが、次に誰が死ぬかわからないので、「あと1個でスキルが覚えられたのに死んじゃった!」ということはなくなりましたw
あと気になった点としては、キャラクターボイスの音量について。
ゴン太や東条さんは音量が大きい一方、最原くんや星くんは小さかったので、個別に調整できればもっと快適にプレイできたのかなとおもいます。
その他、大きなバグには遭遇しませんでしたが、一度おしおきムービーがまるっと飛ばされてしまったのは焦りましたw
まとめ!
議論のクオリティが高くなった学級裁判パートはとても楽しいものの、シナリオに過去シリーズではなかった大きなとがりがあったため、シリーズファンに手放しですすめられなくなってしまった本作。
ミニゲームや下ネタ連呼など多少の不満はあれど、プレイ中はとても楽しく遊べていただけに、もっとすっきり終わらせてもよかったのかなとおもいます。
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