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●公式サイト
本作は、閉ざされた冬のペンションで起こる連続殺人事件を描いた名作サウンドノベル『かまいたちの夜』を大胆にリメイクしたアドベンチャーゲームです。
オリジナル版ではシルエットで表示されていた登場人物たちに、イラストとボイスを追加。
特定のシーンでは一枚絵によるイベントスチルも導入されています。
また、本作では選択肢によって展開の異なるルートに分岐していくのが特徴ですが、新たに竜騎士07さんのオリジナルシナリオが追加されました。
さくっとレビュー!
記事の目次
見た目が大きく変わったため作品の印象はちがいますが、中身はオリジナル版そのままなので、プレイ感覚は『かまいたちの夜』でした。
一番不安視していたイラスト化された立ち絵やボイスについては、プレイしているうちに慣れてしまうのであまり気になりませんでした!w
ただ、イベントスチルのクオリティは死体の描写を中心に低く、良さを大きく損ねているシーンもありました。
とはいえ、肝心のシナリオは修正されていないので、『かまいたちの夜』という作品が気になっているユーザーはプレイしても十分その魅力を味わえる作品だとおもいます。
くわしくレビュー!
立ち絵やボイスは良いものの、イベントスチルは残念さが目立つ……
まず、本作で新たに追加になったイラストの立ち絵・ボイス・イベントスチルについて。
イラストの立ち絵は登場人物全員分しっかりありますが、個々のバリエーションが少なかったです。
バリエーションも、ポーズはそのままで表情がわずかに変わるだけだったりとシンプルなので、画面の変化に乏しい印象。
とはいえ、しばらくプレイしているとすっかり慣れてしまうので、男性陣の立ち絵のバランスがちょっと微妙なのも気にならなくなりましたw
ただ、オリジナル版のシルエットで感じた表情が読めないことによるミステリアスな雰囲気がなくなってしまったのは残念な点でした。
(ちなみに、シナリオのなかでキャラクターの立ち絵がシルエット表示されるシーンがありましたが、むしろ全編これでよかったかなとおもったりもw)
ボイスは、オリジナルのキャラクターへのイメージが強かったため途中からオフにしてしまいましたが、声優さんの演技はすばらしかったので違和感なく楽しめるとおもいます。
また、背景はオリジナルのままで美しくなっており、談話室のぬくもりや人のいない廊下の不気味さなど、ペンション「シュプール」の持つさまざまな側面をより強く感じることができました。
イベントスチルは、個人的にとてもイマイチで、特に死体が描写されたイベントスチルは声を大にして不満を口にしたいレベルでしたw
目をひんむく縛りがあるのかとおもうほど、死体はそろいもそろってアヘ顔になっており、怖いとかグロい以前の問題ですw
また、オカルト編のスチルが本当にひどいレイアウトになっていて、本来なら未知の存在による恐怖を感じられるシナリオだったのに完全にギャグになってしまいました。
シナリオはオリジナルそのままですばらしく、システムも遊びやすくリファイン!
サウンドノベルの文章をそのままアドベンチャーのセリフ枠におさめているので、全体的に描写がやや多いため違和感はありました。
ただ、シナリオ自体はオリジナルと同じなので、とてもすばらしかったです。
新しく追加された竜騎士07さんのシナリオも、作家らしい文章表現はありつつ、『かまいたちの夜』を新しい視点から描かれる物語で新鮮味がありました。
ゆえに、オリジナル版が気になっていたけれどなんとなくチャンスに恵まれなかった方は、本作をプレイしてもその魅力はしっかりと感じられるとおもいます。
システム関連では、フローチャートはズームができないので使いづらさがありましたが、シナリオの既読率や選択肢の管理はしやすく、テンポよくすべてのシナリオを読み進められるとおもいます。
個人的には、文字送りが画面タッチではできずにボタン操作のみだったのは気になりました。
まとめ!
イラスト、ボイスなどが追加になり、名作サウンドノベルがアドベンチャーゲームへとリニューアルされた本作。
オリジナル版からは大きくビジュアルが異なっているため、原作が持っていた良さを損なっている部分もあります。
ただ、肝心のシナリオはすばらしいままなので、『かまいたちの夜』という作品が気になっている方には入っていきやすい作品だと感じました。
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