『Marvel’s Spider-Man: Miles Morales』ってどんなゲーム?
・賢いけれどちょっぴり猪突猛進なところがある、新米スパイダーマンのマイルズが活躍するストーリー
・失敗しても諦めないで、少しずつヒーローとして成長していくハートフルな物語が楽しめる!
・アクションは、おなじみのスパイダーマンらしいクモの糸を使ったスピーディな空中戦に加え、豪快に正面から殴れるなどの武闘派アクションが追加!爽快感はアップ、難易度はダウンで遊びやすくなった
・ホリデーシーズンの華やかな雰囲気のある、リアルな街並みが再現された冬のニューヨークが舞台。PS5の美しいグラフィックを手軽なボリュームで楽しむにはピッタリの作品です!
ゲームレビュー
記事の目次
本作は、PS4『Marvel’s Spider-Man』の続編で、新たなスパイダーマンとなった高校生の主人公マイルズ・モラレスの成長や葛藤を描いたオープンワールド型のアクションゲームです。
エピソードとしては続きものではありますが、主人公がピーター・パーカーからマイルズに変更されているので、こちらからプレイしても問題なし。
物語は、傲慢なエネルギー企業とハイテク犯罪組織の抗争を軸に、ヒーローを志すマイルズと彼を取り巻く新たな人間関係が描かれます。
ちなみに私は前作もプレイ済ですが、スパイダーマンらしいスピード感のあるアクションが気持ちよく、美しく再現されたニューヨークの街を飛び回って「親愛なる隣人」をするのはオープンワールドゲームとしても新鮮味がありました。
(レビュー記事をあげたとおもったらまだだった……やばい!)
マイルズも登場しますので、彼に対してより思い入れを持って本作に臨みたい方はこちらもぜひプレイしてみてくださいね。
なお、「Ultimate Edition」を買うと『Marvel’s Spider-Man』のリマスター版がついてきます。
ゲーム全体はボリュームダウンするも、ヒーローを志す等身大の新主人公は応援したくなる魅力あり
大体20時間ぐらいでやりこみ要素を含めてクリアできるため、前作と比べてゲームボリューム全体がこじんまりとした作りになりました。
まず、メインストーリーはマイルズ自身にフォーカスされており、敵の存在や事件解決までの展開が小さく収まっている印象がありました。
隣人アプリで依頼を受けるといったサイドクエストや収集系ミッションの数も少なくなりました。
前作と同じニューヨークが舞台ではありますが、季節が冬になり、ホリデーの装飾や雪化粧で彩られた街並みは新マップのような見栄えになっていたので、もうちょっと徘徊を促進させるようなやりこみ要素があってもよかったかなと。
ただ、隣人アプリの演出はとても好きで、依頼人のところに向かって会話するシーンが追加されたことで「親愛なる隣人」としての役割を全うしている体感がありました。
これだけだとネガティブに感じられるかもしれませんが、新主人公のマイルズはとても好感の持てるキャラクターでした。
街の人々から愛される彼は、ヒーローとしての責任と代償に悩む等身大の青年で、その眼差しはいつもまっすぐに前を見ており、思わず応援したくなる魅力がありました。
また、相棒であるガンケはプログラミング技術で様々なサポートをしてくれるだけでなく、精神的にもマイルズを支えてくれる頼れる存在。
その他にもたくましいお母さん、勝ち気な幼なじみのフィン、ちょっぴりアウトローな雰囲気のアーロンおじさんなど、異なる立場からマイルズの成長に関わっていきます。
(前作の主人公であるピーター・パーカーも、良き先輩として登場するよ!)
そのため、続編としては物足りなさはありますが、外伝的な立ち位置としては十分な作品だったとおもいます。
パワフルな殴り合いからステルスまで、アクションの幅は広がった
バトルアクションでは、新たなパワーである生体電気を放出する「ヴェノム・パワー」が追加されました。
これにより、豪快に敵を殴るヴェノムパンチ、拳を振り下ろして叩きつけるヴェノムスマッシュ、高速で敵に詰めたり移動するヴェノムダッシュといったスキルが登場し、よりパワフルな戦い方ができるようになりました。
前作では敵を打ち上げて空中で各個撃破する戦い方が基本だったので、同じスパイダーマンでもゴリゴリに殴り合えるのは差別化になっていて良いとおもいます。
ただ、ストーリーやクエスト時に入るちょっとしたパズル要素が、通電を使ったものばかりとワンパターンなのは気になりましたw
ステルスアクションでは、自分の体を透明にする「カモフラージュ」ができるように。
私はステルスをメインに戦っていたので、見つかりそうになると自動でカモフラージュが発動するバイザー改造(後述の育成要素)にはめちゃくちゃお世話になりました。
このようにバトルやステルスアクションの幅は広がったので、よりプレイヤーの好みの戦い方ができるのは良いポイントですね。
育成要素は技などを取得するスキルの開放、スーツの入手・改造、そしてアビリティであるバイザー改造です。
スーツの数は前作から半分ぐらいに減り、デザインも赤・黒・青を基調にしたスパイダーマンらしいデザインのものが多い印象でした。
ただ、スパイダーバースをモチーフにしたスーツはアニメーションのような挙動を再現しており、一見の価値あり!
ロケーションも美しくかっこいいスーツも多かったので、どんなにセンスがなくてもフォトモードで素敵な写真が撮れる点も魅力として挙げておきます。
PS5版では、より高い没入感と快適なゲームプレイが楽しめる
PS5版ならではの特徴としては、建物の反射などのグラフィックが大幅に強化、滑らかなアクションが楽しめます。
私はPS4版と比較していないので厳密には体感できていないのですが、前作と比べるとすべての動きや見た目が自然でリアルになっている感じはしました。
ロードは爆速になり、ファストトラベルは本当に瞬時に移動できるので快適そのもの。
また、PS5のコントローラに実装されたアダプティブトリガーで、ウェブを発射する際の重さを味わえ、振動も細かく反応するので、よりスパイダーマンになっている気分を味わえます。
特にトリガーは想像以上に重たくなるので、長時間プレイするときは疲れちゃうからオフにしていましたw
さいごに
ストーリー・ゲームボリュームともにダウンしたため、続編というより外伝的な立ち位置にまとまった作品でした。
とはいえ、ピーター・パーカーとは異なるマイルズらしいヒーロー像を模索する物語やヴェノム・パワーによる豪快なアクション、そしてPS5によるグラフィックの高精細化や没入感のアップなど、本作ならではの魅力もたっぷり。
さくっとクリアはできますが高い満足感を得られる良作なので、スパイダーマンやオープンワールドゲームがお好きな方にはおすすめです。