『チャイニーズペアレンツ』ってどんなゲーム?
・ちょっぴり怪しい雰囲気が漂う、中国の激しい受験戦争がテーマの子育てシミュレーションゲーム
・大学受験に向けたプレッシャーがとにかく強く、親であり子であるプレイヤーは成長するにつれて圧を感じながらパラメータを上げていきます。精神的に苦しくなるー!
・育成はシンプルなパズル形式。周回要素はあるけれど引き継ぎが少なく、エンディングの達成感も弱いので、独特の雰囲気を楽しむのがおすすめ!
ゲームレビュー
本作は、中国の育児をテーマにしたシミュレーションゲームです。
子どもの誕生から大学入試までの育成期間に、能力・ストレス・メンツなどさまざまなパラメータに気を配りながら子育てに励んでいきます。
加熱する中国の育児をちょっぴり皮肉の効いた世界観で描いた点にも注目ですね。
シンプルな育成システムは遊びやすいが、単調すぎて飽きやすい
テーマや雰囲気は個性的ですが、シミュレーションゲームとしてはとてもシンプルな作品でした。
基本的なサイクルは、ステータスのカケラを選んでパラメータを上昇させ、1週間の行動(スキル)を設定するだけです。
行動には学問・芸術・体育などの教育や娯楽などがあり、その種類はパラメータが上がると習得。
将来を考えてバランス良く成長させたり、特定の科目に特化したり、短期的な目標に合わせるなどプレイヤーの自由に子育てができます。
子どもの性別には男女があり選べませんが、1世代をクリアすると一部のステータスを引き継いで次の世代がプレイできるので、周回するとどちらも体験可能。
大きなちがいはありませんが、女の子の方がアップデートで追加されたためグラフィックが可愛らしく、成長するのがちょっぴり楽しみでした。
(余談ですが、私の2世代目は女の子だったのに気がつかず、盛大に「たけし」と命名してしまい、ゴリゴリの肉体派女子を目指しましたw)
シンプルでわかりやすい育成システムで遊びやすさがある一方、ゲームプレイはやや単調でした。
特に、習得した行動や特技が後の世代に持ち越しはできないので、世代を重ねるモチベーションが弱いかなと。
ミニゲームやイベントのバリエーションもあまりないため、初回はおもしろいのですが繰り返すとマンネリ感がありました。
また、大学卒業後の職業は50種類以上と豊富に用意されていますが、演出が地味なのであまり達成感が得られない点も残念でした。
中国の教育事情をテーマにした、圧倒的個性を持つ作品
中国では人生のおける大学受験のウエイトが高いという話がありますが、それを皮肉めいた形でゲームにしている点はしっかりと本作の個性になっていました。
幼少期から「いい大学に行ってほしい」とプレッシャーをかけられたり(まぁかけているのは親である自分なのですが)、大学受験が迫ってくるとBGMがシリアスになっていったりと、プレイヤーの精神も子ども同様に追い詰められていくのです。
最終的にどのような将来になってもデメリットはないのですが、強靭な意思がないと道を外れる選択はなかなかに選びづらく、それが現実の風刺にもなっていていいですね。
全体的に怪しげなグラフィックや表現にも、独特の味わいがありました。
それから、子育てシミュレーションというと、私がめちゃくちゃハマった『プリンセスメーカー』や『子育てクイズマイエンジェル』などがありますが、本作でおもしろいのはプレイヤーが親であり子であるということです。
子どもの目線で日々の行動を選択する一方、親の目線でメンツバトルや将来を考える。
親として子どものストレスに気を配りながら、子どもとして親のご機嫌を伺う。
一人二役を演じながらの子育ては新鮮味があり、自分で自分に抗うプレイングも楽しかったです。
さいごに
プレイ感には単調さはあるものの、中国での子育てをテーマにした個性が際立っていた作品でした。
シミュレーションゲームがお好きな方には変わり種としておすすめできる1本です。