レビュー

Golf Club Wasteland [Switch] 評価・レビュー

『Golf Club Wasteland』ってどんなゲーム?

・近未来の地球を舞台にした2Dゴルフゲーム
・打球の角度と強さを選ぶシンプルなゲーム性なので、ゴルフよりアクションに近い
・荒廃した地球のロケーションはおもしろい!ただ、コースのギミックはやや単調
・ゴルフゲームとしてのやりごたえよりも、物語や世界観を楽しむのがおすすめ!

公式サイト

ゲームレビュー

本作は、人類がいなくなった地球を舞台にした2Dゴルフゲームです。
プレイヤーは宇宙服を身にまとった謎の人物で、コースは草木の生い茂る公園、崩れかけのショッピングモール、廃墟になった美術館などを使って行われます。
ゴルフのプレイ中は火星放送の「ラジオ・ノスタルジア」を通じて、地球から逃げ出した人々の生活を垣間見たり、主人公がなぜゴルフをしているのかといったストーリーも描かれます。

ゴルフゲームというより球を打つ2Dアクション!ロケーションが個性的で良い

ゲームモードは3種類。
物語を楽しみながらのんびりゴルフをプレイする「ストーリーモード」、歯ごたえのあるパズルやスキルを使う「チャレンジモード」、失敗が許されない「アイアンモード」があります。
なお、本記事はストーリーモードをクリアした段階で執筆しています。

本作は、2Dゴルフゲームというより、打球の角度と強さを選ぶシンプルなアクションという感じの作品です。
一応スコア目標はありますが、達成できなくてもデメリットはありません。
そもそもメインの画面にいま何打目か表示されないため、失敗するリスクも感じづらくなっており、何度も打ちまくってトライが可能。
また、一定回数の打数を打つと、ステージをスキップできるようになる親切機能が付いています。

個性的なのはロケーションで、コースは全35ステージあります。
人類が火星に移住した後の荒廃した地球でゴルフをするので、ビルの階層をまたいでボールを飛ばしたり、トイレにカップインしたり、動物や川を避けるなどかなりトリッキーなステージが多く見受けられました。
ただ、前述のとおり失敗するデメリットがないため、何度もやり直しながら自分のペースで進められます。

気になった点としては、ステージごとに見た目の個性はあるものの、アクションゲームとしてのギミックには工夫があまり見られなかったこと
水に落下したり、動物が球を持っていくといった仕掛けはありましたが、全体としての数は少なめ。
基本的には高低差を使ったものばかりだったので、マンネリ感はありました。
同時に、ストーリーモードに関してはパーを狙うという目標意識も弱く、後述の物語や世界観が知りたいという動機以外、ゲームプレイのモチベーションが持ちづらかったです。

ストーリーはフレーバーだけでなく、ノベルアートブックでしっかり描写されるので明快

ナラティブなストーリー体験も楽しめます。
メインは、ゴルフのプレイ中に流れる火星放送の「ラジオ・ノスタルジア」。
現在の人類の生活や、火星に移住して地球を懐かしむ様子などがエピソードを交えて語られるので、文字どおりラジオ感覚で世界を感じられます。
ただ、個人的には誰もいないビル群や自然が増えつつあるひとっこひとりいないロケーションが気に入っていたので、環境音だけで良かったような気もしました。
(そんなプレイヤー向けにラジオの音量は消せます)

そして、ストーリーモードのエンディングを迎えると、本作の主人公である宇宙服を着たゴルファーの物語をノベルアートブックとして読めます。
イラストと文字でしっかり状況説明や世界観を説明されるので、インディーゲームにありがちな雰囲気だけ感じ取れるといったふわっとしたものではない点が好感触でした。
他にも打数に応じてアンロックされる個人日誌などもあり、ゲームのプレイ感はライトでもストーリーはちゃんと理解できる作品で良かったとおもいます。

おわりに

シンプルに球を打つアクションゲームでしたが、近未来の荒廃したロケーションと丁寧な物語描写が印象的な作品でした。
ゴルフゲームだとおもうと、歯ごたえの面で物足りなさがあります。
しかし、SF的世界観を楽しむ目的でプレイすると、短編小説のような感覚でお話を味わえる良い作品だとおもいます。

ABOUT ME
たこ
積みゲーマーです! ジャンルはRPG・アドベンチャー・パズルが好きですが、とりあえず気になったものは全部やる!! 読みやすくて前向きなレビューになるように心がけています! 連絡先▷info@tsumige.net