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●公式サイト
本作は『シュタインズゲート』や『ロボティクスノーツ』に続く、科学アドベンチャーシリーズの第4弾になります!
舞台は第1弾の『カオスヘッド』と同じく、渋谷。
6年前に起きた大災害「渋谷地震」から復興した街に新設された碧朋学園に通う主人公たち。
彼らは新聞部の活動の一環として、「ニュージェネレーションの狂気の再来」と称される連続殺人事件を追っていたのですが、事件は次第に渋谷全体を巻き込む狂気となって襲いかかり、主人公は自身の過去と向き合うことになっていく──というお話です。
一応続編モノではありますが、前作をプレイしていなくても問題ありません。
ただ、引き続き登場しているキャラクターやニヤリとさせられる場面もあるので、できれば遊んでからの方が120%楽しめるかなとおもいます。
さくっとレビュー!
記事の目次
科学アドベンチャーシリーズでは最もサスペンス要素が強く、グロい表現やバッドエンドなど人を選ぶポイントが多々ある作品。
メリハリがややなく中盤辺りは展開が中だるみしますが、キャラクター個別ルートにはそれぞれ役割があり見応えあり。
最後に見るシナリオである「TRUEルート」は、様々な驚きとともに、作品の中で問い続けてきた自他の存在としての在り方を答えを提示したことのない形で出しており、毛色のちがうアドベンチャーゲームが遊びたい方にはオススメしたい作品です!
くわしくレビュー!
挑戦的な表現やエンディングが用意されている、雰囲気の異なるシリーズ最新作!
まず、一番気になるシナリオについて。
ネタバレしてしまうと全力で楽しむことができないので、ふわっとした感想になりますが、自己と他者の在り方を問うテーマ、CERO Zのグロ描写、手放しにハッピーエンドではない結末──など、他のアドベンチャーゲームでは見られない表現や内容を提示している意欲的な作品でした!
ゆえに達成感や爽快感という点で物足りなさがあり、好みは分かれる部分もあるかとはおもいますが、少し毛色の異なるアドベンチャーを遊びたいという人にはピッタリかなと。
シリーズ他作品に比べてサスペンス要素が強く、序盤は次々に事件が起きてテンポよく謎が深まっていきます。
ただ、中盤以降は順を追って丁寧に事件に迫っていくので、やや中だるみしている印象。
終盤に差し掛かると、プレイヤーの予想や期待を裏切る展開や隠されていた事実が怒涛のように明らかになるので、とにかく圧倒されるかなと。
個人的には、全体的にもうちょっとメリハリがあると、常に緊張感を持ってプレイできたと感じました。
ですが、最後に見るシナリオであるTRUEルートは、すべてのルートのラストにふさわしい驚きと、作中の経験や出来事を経て辿り着いた未来が描かれており、本作の持つテーマが主人公の姿とともに語られる新鮮なエンディングになっていたとおもいます。
個別ルートでは一癖も二癖もあるキャラクターを深堀り!
本作は、1周目がルート固定で、2周目以降に「妄想トリガー」の選択によって分岐していきます。
キャラクターの個別ルートは、乃々・雛絵・華・うきの4名で、全員特定のルートをクリアするとTRUEルートがオープン。
メインストーリーでは事件を中心としたお話が展開するので、個別ルートは各キャラクターを深めるという意味で重要でした。
それぞれ抱えている問題や乗り越えるべき壁がちがい、明らかになる事実も異なるので、すべてのルートに役割があってよかったですね。
ただ、エンディングは本作らしい後味の悪いモノもあるので要注意w
キャラクターは一見すると前作に比べて取っ付きやすいですが、実は色々と隠している人が多いので、唐突に明らかになる真実に驚かされることもしばしば。
主人公の拓留は、前作のタクに比べて行動的ではありますが、とにかく物音にビビりまくっているイメージがw
ただ、これまでの科学アドベンチャーシリーズの主人公とは異なる運命と結末を抱えており、まったくちがうベクトルでかっこいい主人公だったとおもいます。
個人的にはサブキャラの神成刑事がいい味出しているので、必見です!w
ちょっとした推理要素である「マッピングトリガー」とお馴染みの「妄想トリガー」
システム面では、コルクボード上の地図に、事件の資料やメモを張り付けて情報を整理していく新システム「マッピングトリガー」がおもしろかったです。
むずかしい推理などはありませんが、事件が進むにつれて地図が埋まっていく様はさながら刑事気分。
また、「妄想トリガー」による分岐は複雑ではなく、狙っているキャラクターの場面でポジティブを選択すればよく分かりやすくて◎
スキップは早いだけでなく、トリガー前で止まるようになっているのでとても便利でした。
まとめ!
自己を問うテーマ性、グロ描写、新しい結末──と、意欲的なシナリオが目を引く本作。
これまでのシリーズ作品とは異なる人と人の関係性や主人公像が、凄惨な事件とともに描かれており、アドベンチャーゲームが好きな人は新鮮な気持ちで楽しめるとおもいます。
なお、本作は1章まるごと遊べる体験版がPSNで配信されておりますので、気になった方はぜひぜひ!ダウンロードしてみてください。
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