レビュー

【3DS】大逆転裁判 -成歩堂龍ノ介の冒險-

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●公式サイト

本作は、法廷を舞台にした人気のアドベンチャーゲーム『逆転裁判シリーズ』の最新作です!
過去作品とは異なり、今回の舞台は19世紀の日本と倫敦。
2つの地を舞台に、新米弁護士成歩堂龍ノ介、そしてかの有名な名探偵シャーロック・ホームズらが難事件に挑んでいきます。
法廷でのムジュンを突く「異議あり!」合戦に加え、英国法廷ならではの陪審員制度やホームズによるちょっとズレた超推理──など、新システムが追加になりました。

シリーズ初となる、未完の物語!

まず一番にお伝えをしておきたいことは、物語が未完であることです。
私は、本シリーズの持つ「出しきった感」がとても好きでした。
1作品にありとあらゆるネタを詰め込みまくり、それでもなお!続編でその上をいく熱い展開を用意してくる──そんなシリーズだと感じていました。

しかし本作では、序盤の伏線が投げっぱなしというだけでなく、物語の最終盤になって突然新しい謎を投げるという超展開を披露しており、プレイ後の達成感は薄く消化不良な気分は否めませんでした。
同時に、すべてが解決されないまま終幕を迎えてしまったので、続編で全部謎が解ける期待感というより、続編をプレイしないと全部の謎は解けないという義務感の方が強く感じました。

新システムはおもしろいものの、全体的に波のないあっさりした展開で進む!

『逆転レイトン』を進化させたような陪審員への最終弁論や、複数人が証言台に立ち互いの証言を聴くことで生まれるズレを指摘する新システムはおもしろかったです!
特定の人物の発言や証拠品のムジュンを指摘するだけでなく、意見同士のムジュンや関連性を考える新しい楽しさがありました。
ただ、陪審員が通り一遍等なリアクションで有罪・無罪を判定するので、「また全会一致で有罪かぁ……で、最終弁論かぁ……」と、展開のマンネリ感はありました。
証言台でのやりとりも、意外にあっさりと事実が明らかになっていきますし、事件自体も似たようなものが続くので、場所や人が変わっただけという気も……。
裁判パートでは証言者の嘘が次々に明らかになるぐらいのしつこさが、探偵パートはもっとあちこち探索して色々つきつけては手がかりを得る捜査感がもっと欲しかったかなとおもいました。

メインキャラクターは好印象だが、全体的に存在感が薄い印象w

主人公を含めすべてのキャラクターを一新した本作ですが、メインキャラクター陣は面倒くさい個性があるわけではなく、すんなり入っていけました。
個人的には、ホームズが予想以上にコミカルな性格で、動きも含め随所で楽しませてもらいましたw

一方、サブキャラクター陣の存在感が薄く、全体的に地味な感じがしました。
過去シリーズでは、嫌になるぐらいくどくど文句をつけてきたり、「またお前がトラブル持ってくるのかよ!」みたいな定番キャラによるお約束展開があり、それ自体も楽しみの1つになっていました。
そうした事象がなく、あくまで1つの事件の関係者という立場を抜け出た魅力がないと感じました。
全編を通じて登場するキャラクターも少なかったので、個々の掘り下げについては次回作に持ち越しになるのかなとおもいます。

そうそう、キャラクターのモーションについてですが、今作は過去シリーズに比べて多彩な動きを見せていました。
やや1つの動作が長いかなと感じるシーンもありましたが、それぞれ独創的な動きを見せるうえに会話の流れに沿ってコロコロと変化するので、見ていておもしろかったです!
(余談ですが、私はホソナガさんの「グッ!」ってやつが一番好きでしたw)

まとめ

新システムやキャラクターの良さはありつつ、物語やシステム面において次回作への伏線を多数残した本作。
プレイする分にはおもしろいとおもいますが、本作だけで達成感を得ることはむずかしいとおもいます。
ゆえに、「今後のシリーズ作品への期待も込めて!まぁ新しい逆転裁判シリーズを見守ってやろうじゃないか!」というようなテンションでプレイすると、楽しめるかなとおもいます。

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たこ
積みゲーマーです! ジャンルはRPG・アドベンチャー・パズルが好きですが、とりあえず気になったものは全部やる!! 読みやすくて前向きなレビューになるように心がけています! 連絡先▷info@tsumige.net