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●公式サイト
本作は、少年と大鷲トリコ、異なる世界を生きる1人と1匹が出会い、互いに絆を深めながら静寂に包まれた巨大遺跡を冒険するアクションアドベンチャーです。
『ICO』や『ワンダと巨像』など、圧倒的世界観と胸を打つ切ない物語を手掛けたゲームデザイナー上田文人氏の最新作です。
さくっとレビュー!
クリア時間は13時間、ゲーム史に残る最高に素晴らしいゲームで、しばらくはあれこれ思い出しては胸がいっぱいになってしまって辛くなります。
特に終盤からスタッフロール、エピローグにかけてはもう大号泣で、こうして感想を書いている間も目頭が熱くなります。
ゲームシステムは大体『ICO』なので操作にクセはありますが、序盤から徐々に操作を覚えていくため、トリコとの共同アクションもスムーズにできるとおもいます。
グラフィック、カメラワーク、音楽とすべてが噛み合っているイベントシーンは、ときに辛く苦しいですが、胸を打ち脳裏に焼きつくものでした。
すべてのプレイヤーにプレイしてほしい、傑作です。
あ、操作については基本的に問題ありませんでしたが、1回コントローラを投げそうになりましたw
くわしくレビュー!
心の琴線に触れる、美しくも尊く強い物語
少年と大鷲トリコの絆を描いた物語、ただひたすら素晴らしかったです。
ゲームでも映画でも滅多に泣かない私ですが、終盤は嗚咽を漏らしながら震える手でコントローラを握ってエンディングに辿り着き、スタッフロールは涙でほとんど見られず、エピローグでやってきた第二波で完全に撃沈しました。
ストーリーのネタバレはしないほうが絶対に楽しめるので言及はしませんが、プレイ後の感覚は『ICO』や『ワンダと巨像』に近いとおもいます。
少年とトリコの冒険は非常に心の琴線に触れる出来事の連続で、脳裏に焼きついた光景を思い出してはまた感動し、いまでも公式サイトや広告で彼らの姿を見るだけで目頭が熱くなります。
こんな状態だったので、しばらく人間以外といっしょに冒険をするゲームがプレイできませんでしたw
それほどまでに、ともに過ごした時間は尊いものだったのだとおもいます。
クリアまでは13時間。
途中、1時間ほど悩んで進めない箇所があったので、もっと早くクリアできるかなとおもいます。
長さとしては十分すぎるほどで、これ以上長いと耐えられません。
プレイ感覚は『ICO』に近く、息遣いを合わせるトリコとの協力アクションは新鮮!
本作では、ひとつの大きな世界を冒険しますが、『ICO』のように一度に動けるエリアは区切られており、そこにあるものやトリコと協力して仕掛けを突破していきます。
回想調のナレーションが随所に入るため、自然な形でエリアをクリアするヒントを得られます。
ただ、まったくない場面も多く、どうすればいいのか分からずに頭を抱えてしまうことも多々ありました。
そのような場合は、『ICO』でもそうでしたが、それまでにやってこなかったアクションは求められていません。
辺りを見上げ、歩き回り、じっくりとトリコの様子を観察し、手がかりを探してください。
必ず発見があり、おもわず「っっしゃぁあぁあ!!」みたいな気分になれるかとおもいます。
動きもまた『ICO』に近く、少し走りすぎてしまいうっかりすると空中でダイブしてしまう少年を操作して冒険します。
少年の操作はクセがありますが、『ICO』よりも危ないジャンプアクションは要求されないのでむずかしさはありません。
あまりも高い場所から落ちたり、鎧の兵士に捕まって扉の向こうへ連れて行かれるとゲームオーバーですが、複雑な操作やタイミングアクションも要求されませんでした。
(ただ、途中の◯◯に入った主人公を操作する場面で大いに苦戦しまして、コントローラを投げそうになりましたw)
小さな体格を生かして穴をくぐったり、物を運んだり動かしたりでき、個人的には、地面に埋まった樽を抜くときの「すぽんっ」とした感じがとても気持ちよかったです。
一方、ふさふさボディのトリコは、心を通わせていくと「進め、ジャンプ、攻撃」などの簡単な指示ができるようになります。
(ただそれぞれのアクションに解説がないので、私はほとんど「ジャンプ」以外の指示を使用しませんでしたがw)
そして、トリコも生き物なので、やたらと指示を連呼しても思い通りには動いてくれません。
動きを観察し、声をかけるタイミングを考え、適切な指示を出す。
相手の呼吸を感じながらコミュニケーションを取るのは、子どもや動物に話しかけるときの心持ちに似ていました。
また、『ワンダと巨像』よりも登りやすく、鎧の兵士とのバトルで興奮した際、体をなでてなだめるのですが、激しく動いていても振り落とされないので安心です。
ただ、暗かったり狭い場所にいっしょに入ってしまうと、若干カメラが見づらいことがありました。
まっすぐで純粋な思いに、応えずにはいられなくなる!
トリコの動きは非常に動物的で、あくびをしたり、水浴びをしたり、後を付いてきたりと見ていて飽きることがありません。
無邪気で好奇心旺盛、まっすぐな瞳でいつでも少年を見つめているとても純粋な生き物なので、本当に可愛らしいの一言に尽きました。
そんなトリコとともに時間を過ごすにつれ、次第にプレイヤーはトリコとの絆を覚えるようになります。
離れると不安になり、「大丈夫、すぐに戻るから待っていて」と声をかけ、いい子に待っているか何度も振り返ってしまったり、手渡しでエサである樽を渡していたり。
ゲーム内で操作する少年が、だんだんとトリコを思いやり、慈しむようになるのです。
プレイをしていてこうした自身の変化を一番感じたのが、鎧の兵士たちに囲まれる場面です。
先述のとおり、鎧の兵士に捕まって扉の向こうへ運ばれるとゲームオーバーになってしまうので、最初の頃はトリコが倒してくれるのを待って隠れています。
しかし、怪我をしながらも懸命に守ろうとしてくれるトリコの姿を見ていると我慢できなくなり、気がついたら「トリコになにするんだ!やめろよ!」と敵の眼前に飛び出していました。
少年は非力なので、自分自身の力で敵を倒すことはできません。
それでも、たとえ敵を倒せなくても、トリコに槍を刺そうとしているやつの注意を引ければいい。
そうして守られるだけじゃない、守ろうとする少年へといつの間にか変わっていました。
それほどまでにトリコの存在は旅の過程で大きくなっており、人の言葉は使えなくても、そこにはたしかな絆の芽生えを感じました。
最高の感動を、最高の世界とグラフィックで!
2人が冒険する世界は、静寂に満ちた透明な空気が流れる巨大遺跡です。
人の手を離れ、自然のままに生きる旧跡には、独特の荘厳な雰囲気が感じられました。
光の表現も見事で、薄暗いエリアから陽の下に出てきたときの目が眩む感覚は、新しい冒険への期待感を高めてくれます。
高いところから下を眺めると得られる、おなかぞわぞわ感もしっかり健在。
カメラワークも絶妙で、ちょうど見えないエリアから敵が現れ驚かされたり、一番心を揺さぶられる場所から情景を描写されるため、すべての場面が心に深く刻み込まれました。
水のせせらぎ、風が立つ崖、生い茂る草木のさざめき、石畳に反響する足音など、静閑で寂しさを覚える世界ですが、トリコの荒々しくも優しい咆哮が時折届くことで、ひとりぼっちではない心強さを感じました。
それ以外の音楽はシーンが展開すると流れるのですが、映画のような壮大で優しい音楽で、プレイヤーの心にすっと入っていく感じがしました。
まとめ!
少年と大鷲トリコの巨大遺跡を巡る冒険は、心の琴線に触れる素晴らしい経験でした。
グラフィックやカメラワーク、音楽などの演出も秀逸で、すべてのシーンが脳裏に焼きつてい離れず、しばらくはトリコショックに陥ること必須です。
プレイ感覚は『ICO』に似ていますが、攻撃やむずかしいジャンプアクションは要求されないので、アクションゲーム初心者の方でもプレイしやすいとおもいます。
と、いつもよりややくだけた表現が多いのは、恥ずかしながらそうでもしないとまた泣いてしまいそうだからですw
読みづらい文章でしたらすみません。
なにはともあれ、すべてのプレイヤーにおすすめしたい心が洗われる最高の名作です。
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