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●公式サイト
本作は、未熟な王子とそれを支える仲間たちの友情と成長を描いた、人気のRPG『ファイナルファンタジー』シリーズ最新作です。
友人とともに王都を旅立った王子が、帝国の裏切りを知り、世界を救うために戦う物語。
前半はオープンワールドでキャンプをしながら自由にクエストを楽しむパート、後半はメインストーリー中心のリニアパートです。
さくっとレビュー!
とにかくメインストーリーが残念なクオリティでした。
シーンがぶつ切りのハイライトで構成され、世界観やキャラクターの描写も少なく、いろいろやり残しているはずなのに力ずくで終わったという印象です。
前半のオープンワールドキャンプパートは、移動にストレスを感じつつも、道中に交わされる仲間たちの会話やキャンプ自体は楽しめました。
一方、後半のリニアパートは前半のよかった部分を理不尽にひっくり返してしまう悲しい内容で、前半に築いてきた仲間との絆をもっと大事に扱ってほしかったです。
バトルは大味ながら爽快感があり、仲間との連携や武器や魔法を切り替えるなど戦い方を模索できていいですね。
くわしくレビュー!
前半のキャンプは楽しいけれど、メインストーリーが大雑把過ぎる!
36時間半、レベル51でクリアしました。
まず、メインストーリーはFFシリーズで最もイマイチなクオリティとなっており、ハイライトなうえにその切り出し方も雑でした。
集めるべきものも集めきらずに終わるし、キャラクターは突然死ぬし、重要な召喚獣の背景も語られません。
そのため、プレイヤーは物語を成り行き任せで見ることしかできず、感情移入や世界観の理解が置いてけぼりになっている印象でした。
ラストは感動的な演出となっていますが、個人的にはそこまでに感情を積み重ねられる演出がなかったので、浮いていたかなとおもいます。
(キングスグレイブを観ていると、「全ては、未来の王のために」とがんばったのにつなげなかった感が否めませんでした)
前半プレイできるサブクエストは、同じような内容を繰り返すお使いクエストです。
ただ、道中行われるキャラクターのやりとりはとてもおもしろく、面倒だなとは思いつつもついサブクエストを寄り道してしまう魅力があります。
特に、いちばん意味がないとおもっていた写真が楽しくて、プロンプトの撮影したミラクルな写真を見るのもキャンプの楽しみになっていました。
なんだかんだありつつも前半のキャンプシーンではほとんどのサブクエストをクリアしてしまう勢いで楽しめていたのですが、オルティシエに行ってからの後半となるリニアシーンは非常に苦痛でした。
中でも、10章と13章はキャンプシーンの楽しかった思い出が吹っ飛ぶほど絶望的につまらなかったです。
前半と後半の雰囲気転換自体はよいとおもいますが、プレイヤーの理解や納得ができないまま行われるので、どうしても理不尽さを感じずにはいられませんでした。
育成のバランスは悪いものの、爽快で戦い方を工夫できるバトル!
バトルはやや大味で、ポーションがあれば相当レベルの高い強敵以外はゴリ押しで勝てる感じでした。
料理に比べて回復アイテム類が安く、大量に買い込みやすいのも難易度を下げていたとおもいます。
ただ、とても爽快感はあり、大剣で一気にぶった切ったり、短剣で細かくシフトしながらスピーディに戦うなど、プレイヤーの好きな戦い方で気持ちよくバトルができました。
仲間との連携もおもしろく、バトル中に声を掛け合いながら戦うので、ひとりでマルチプレイをしている気分が味わえるのもいいですね。
魔法はあまり使わなかったのですが、合成によって連発や複数の効果を持たせられるなど、自分の攻撃スタイルに合わせた模索ができるので深みがあるとおもいます。
ただ、個人的に気になったのは、ウエイトモードのまま13章に入るととても戦いにくかったこと。
ここでウエイトを卒業してくれという意図なのかもしれませんが、突如として非常にストレスのたまるバトルになってしまい残念でした。
育成については、APのバランスの悪さが気になりました。
最初は10や24で覚えられるものの、途中から99や333と消費が格段に増えてしまい、結果的にあまり覚えられないまま終わってしまったのは残念でした。
そんなにがんがんたまるものでもありませんし、なにより覚えて使うことで意味があるとおもうので、もう少し上がり方を緩やかにしてもらえるとよかったかなと。
移動手段はもう少し工夫できればストレス軽減できたかも……
車の移動は、ロケーションが美しいのでドライブ自体は楽しめますが、ちょっとヒマでした。
ちょっとした会話があればよいものの、無音だと音楽がかかるだけなので特にすることがありません。
音楽といえば、歴代シリーズの音楽を流せるのはよかった一方、せっかく『FF15』をプレイしているのですから『FF15』の曲がもっと聴きたかったです。
すぐに目的地に移動できるファストトラベルは、実際は移動するよりも早いことが多いのですが、少し長めのロード時間が気になってしまいました。
また、ダッシュするとスタミナが減るシステムのおかげで、チョコボを獲得後走る機会が格段に減ってしまい、グラディオのサバイバルスキルを上げづらくなっていました。
とても便利なスキルだっただけに、スタミナはなくてもよかったのかなとおもいます。
一方、少し広めの街の中では走れず、レスタルムの駐車場と市場の往復はちょっぴり手間でした。
まとめ!
前半のキャンプパートは、キャラクターとの交流を大切にした新しいオープンワールドを表現しており、不満はありつつも楽しめました。
一方、メインストーリー中心となる後半は、それまでの楽しさを払拭してしまう残念な内容でした。
とにかく非常に人を選ぶタイトルです。
ストーリーにあまり興味がなく、キャラクターたちに思い入れがあったり、本作のバトルがお好きな方はプレイされてもよいかなとおもいます。