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●公式サイト
本作は、オカルトネタを扱うまとめブログを運営していた主人公が、幽霊の存在に関わる大きな陰謀に巻き込まれていく超常科学アドベンチャーゲームです。
原作は『STEINS;GATE』や『CHAOS;CHILD』など科学アドベンチャーシリーズでおなじみ、MAGES.の志倉千代丸さん原作のライトノベルで、アニメや漫画化もされています。
吉祥寺を舞台にアフィリエイト収入で生活しようとしていた主人公が、殺人事件や256人の水死体が発見されるという凄惨な事件に巻き込まれ、その背後にある陰謀に迫っていくという物語です。
さくっとレビュー!
記事の目次
アニメ版をボリュームダウンして焼き直した作品で、群像劇になっていた分、キャラクターの深掘りや世界観の説明はむしろアニメのほうが多かったぐらいです。
オカルト的な陰謀や未知の恐怖といった科学アドンベンチャーにおける新しい魅力を出せていただけに、しっかり完結しなかったことも残念でなりません。
キャラクターは主人公を筆頭にアクがかなり強く、活躍の場も少ないため、そうした個性を好きになれる機会も少なかったですね。
ただ、声優陣の演技はすばらしく、日常会話も楽しく見られました。
気になっている方は、とりあえずアニメ版をおすすめします!
くわしくレビュー!
完結しない物語で消化不良!アニメよりもボリュームダウン!
まず、アニメ版で明らかにされなかった謎が解明されるかと思いきや完全にアニメの焼き直しで、むしろ一人称になった分、全体的に情報量が少なくなりました。
新要素として、ゾン子たちによる2D紙芝居「マスターマストマーダー(マママ)」が追加されましたが、世界観やストーリーを補完するものではないため、ちゃんと終わらせてくれるようなルートやエンディングを追加してほしかったですね。
エンディングはキャラエンドが3つ、ノーマルエンドが1つ。
キャラエンドをすべて見るとTRUE STORYが解放され、2つのエンディングが見られます。
どれもすっきりしたハッピーエンドではなく、アニメ以上の情報や展開もないため、全部クリアしても俺たた感全開でした。
中盤でオカルト的な陰謀に話が展開してからはおもしろく、未知のものに対する恐怖も感じられ、科学アドベンチャーシリーズとして新しい視点を提示できていただけに、盛り上がりが少なく中途半端に終わってしまったのはとにかく残念でした。
そうそう、ルート分岐はワードを集めてブログを書いて行います。
メインルート以外でも細かなシーンの分岐が発生、判定基準はイマイチわかりませんでしたが、周回は楽しくできました。
スティックを回してラジオの電波を拾うミニゲーム的要素「スカイセンサー」は、作中では重要な役割を担うアイテムだっただけに、マママを視聴する以外の役割も持たせてほしかったですね。
声優陣の演技は満点!演出も工夫されていて良い!
会話はフルボイス、豪華声優陣による演技はすばらしく、日常会話のシーンも楽しく見られました。
主人公がかなりクセの強く、ちょっと古いネットスラングや早口で矢継ぎ早に話すなど、人を選ぶキャラクターでした。
科学アドベンチャーシリーズは個性的な主人公を要する作品でしたが、そのなかでも群を抜いたとっつきにくさがあります。
また、ほかの主人公たちとは異なり、挽回するような大活躍の機会もないので、悪目立ちするのに事件におけるポジションは地味という残念なキャラクターになっていたかなとおもいます。
pakoさんによるキャラクターデザインは特徴的で、立ち絵も魅力的でした。
ただ、キャラクターそれぞれの過去や性格を掘り下げるイベントがあまりなかったので、「変なキャラクターだな」という印象に収まってしまったのは残念なポイントです。
演出面では、普通に立ち絵を並べて会話させるだけでなく、カットインの表にアップで表示させたり、背景に溶け込ませるなど、表示方法に工夫が見られてよかったとおもいます。
(おっぱいが揺れるちょっとしたアクションもうれしいですねw)
一方、イベントスチルでは絵のタッチが異なるため違和感があり、枚数も少なく、構図にも工夫が欲しかったところです。
システムでは見づらさがあり、もっと使いやすくできたはず
システム面では、メッセージウィンドウに表示される文章の高さが合っていないことが気になりました。
一度に表示する文章のボリュームによって意図的に変えているとはおもうのですが、スタートの文字位置がガタガタずれるのでとにかく見づらかったですね。
また、バックログから読みたい場所に戻れるのはよいのですが、ブログワードがハイライト表示されないため、うっかり見逃してしまうことも。
特定のワード以外はあまり重要ではないものの、色が変わっていればどこまで戻るかより分かりやすかったかなと。
まとめ!
とにかくストーリーが完結しなかったこと、アニメよりも情報が少なかったことで大いにマイナスポイントを稼いでしまった作品でした。
オカルトと科学の遭遇を描いた新機軸のストーリー、キャラクターの個性や声優陣の演技は魅力的だっただけに、しっかりと終わらなかったことが残念でなりません。
ゲーム版の方が良い点は特にないので、作品を楽しむならアニメ版をおすすめします!
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