『嘘つき姫と盲目王子』ってどんなゲーム?
・狼の化け物である姫と、盲目の人間の王子の交流を描いた2D横スクロールアクション
・クリアまでは5時間ぐらいで、盛り上がる展開が少なめ
・アクションの難易度も大幅に低下し、初見殺しはあるもののバリエーションも少なく物足りなさがあり
・ちょっとした動きまで丁寧に描かれるキャラクターたち!絵本のような演出で語られる物語は魅力的!
ゲームレビュー
記事の目次
本作は、狼の化け物と人間の王子の交流を描いた2D横スクロールアクションゲームです。
テイストとしては、同じ日本一ソフトウェアさんの『ロゼと黄昏の古城』や『htoL#NiQ -ホタルノニッキ-』の系列。
不慮の事故で王子を失明させてしまった狼は、魔女に王子の目を治してもらおうと、自らの姿を姫と偽って応じを連れ出すという物語です。
プレイヤーは狼と姫の能力を使い分けながら、2人の行く手を阻む森の生き物や仕掛けを突破していくというステージクリア型のアクションとなります。
なお、本作はPS4/Vita/ニンテンドースイッチなどでリリースされています。
盛り上がりが少ない展開。2人の心の交流はとても丁寧に描かれる
ストーリークリアまで5時間ぐらいと、ゲームボリュームはかなりあっさりめでした。
静かなナレーションで語られるストーリーは、やわらかなグラフィックと合わせて童話のような雰囲気を醸し出しており、2人の心温まるちょっぴり切ない冒険を演出。
ただ、とにかくボリュームが少なく、終盤の展開もやや唐突で、もう1回ぐらい盛り上がるかなというところで終わってしまったのは残念だったかなと。
2人の心の交流は丁寧に描かれていますが、もう少し山あり谷ありのほうが、ラストに待っている感動をより大きなものにできたとおもいます。
ステージは6章構成になっており、景色はステージごとに変化があるものの、敵キャラクターである森の生き物は使い回しが多め。
やりこみ要素としては、魔女に関するおとぎ話(サイドストーリー)が読める「花」と、一定数集めるごとに設定資料を閲覧できる「花びら」があります。
これはクリア後にも回収可能で、結構シビアなアクションが要求される場面もあり、集めがいを感じられるとおもいます。
救済策があるため、アクションの難易度は大幅にダウン!
日本一ソフトウェアさんの2D横スクロールアクションといえば、かわいい絵のわりに難易度が高いとおもっているのですが、本作は過去の類似作品に比べると大幅に簡単になりました。
さらに、時間経過でステージスキップができ、これはラスボス戦さえも飛ばせるので、誰でもクリアまでいけるかなとおもいます。
パズル要素に関しては、王子に指示を出したり、何かを持ってもらうといった新しいアクションは徐々に増えていき、その都度チュートリアルのようなステージが入るので覚えやすい親切設計なのはいい点ですね。
ただ、トラップなどはあまり複雑ではなく、初見殺しはあるもののバリエーションが少なくて物足りない印象でした。
1ステージは短く、ロードも長くないのでトライアンドエラーはしやすかったです。
ちなみに、難易度は下がったとはいえ、ちょっと高いところから落ちたりするとすぐに死にますw
特に王子と手をつなぎながらのジャンプはタイミングがむずかしくて、よく片方だけ落ちて死にましたw
ちょっとした動きも可愛らしい、童話テイストのグラフィック!
グラフィックについては、先述のとおり童話のような世界観で、温かみがありつつもどこか怖い感じが共存している雰囲気でした。
キャラクターに関しては、とにかく一挙手一投足がかわいらしく、絵本のようなイベントシーンも物語にマッチしており、いい演出だとおもいます。
動きも細かく設定されており、姫と王子が手をつなぐと2人がニッコリしたり、落下したり狼から戻ったりすると王冠をかぶり直したりと、見ていて微笑ましくなりました。
個人的には、民族楽器テイストの音楽がすばらしく、ステージが少ないのでバリエーションは多くないものの、心地よく聴けるBGMだったとおもいます。
志方あきこさんのエンディング曲も魅力的でしたね。
さいごに
グラフィック・世界観・音楽はとてもよかったのですが、ゲームボリューム・ステージバリエーションの少なさが気になった作品でした。
ただ、アクションでは初心者への救済策があるため、2人の行く末が気になった方でもしっかりエンディングまでいける作りになっているのはいいポイントだとおもいます。