『DUNGEON ENCOUNTERS』ってどんなゲーム?
・正方形のマスで描かれた全99階のダンジョンを探索するRPG
・マップ踏破とバトルを楽しむことに特化し、「考える」をコンセプトにしたシンプルなゲームシステム!
・難易度は高め!いじわるなトラップや常にギリギリのバトルが待ち受ける
・中盤以降、ゲームサイクルのマンネリ感あり。クリアの達成感も弱め
ゲームレビュー
記事の目次
本作は、正方形のマスで描かれた全99階からなるシンプルなダンジョンを探索するRPGです。
ストーリーや育成要素は少なく、ビジュアル表現も控えめ。
さまざまなトラップが潜むマップの踏破や、シビアでスリリングな敵とのバトルにフォーカスした作品です。
度胸が求められるトラップが盛りだくさんのダンジョン!クリア後の達成感は弱め
『ダンジョンエンカウンターズ』は、探索とバトルを楽しむシンプルなRPGです。
まずは探索についてですが、縦横のグリッドで描かれるダンジョンは、ポジティブにいえばシンプルでおしゃれ、ネガティブにいえば簡素。
そのため、正方形で構成されたマップは絵的な変化が乏しいものの、配置方法によって体感に差分を作っていました。
たとえば火山フロアでは登山道のような一方通行、砂漠フロアでは少し大きめの広場が多数あるなど、その階層らしさが感じられる工夫がある感じです。
ちなみに、本作では未踏の場所が数として表示されるため、あと何マスで踏破できるのかが明確になっています。
私もそうなのですが、オープンワールドゲームでマップにあるロケーションを全部回ったり、隅っこにある霧まで晴らすのが好きな人は、歩き回るだけでスッキリするというかめちゃくちゃ楽しいとおもいます!
こうしたダンジョン探索は、中盤までとてもわくわくしながら進めたのですが、落とし穴や有料床などいじわるなトラップが増えてくるとやや面倒に。
アビリティを装備することで歩きやすくはなるものの、初見では引っ掛かる可能性が高く、さらに運悪く床がないところに落ちてしまうと全員ロストという悲劇にも見舞われます。
(ロストすると行方不明になってしまい、アビリティを頼りにダンジョン内から居場所を探して回収しないと再編成できません!)
そのため、本作では「考える」がコンセプトになっていますが、探索においては考えることよりも「度胸」が必要だと感じました。
もう少し先まで進むべきか、とりあえず回復するために帰還するのか、でもひとマス先には落とし穴があるかも……こうした探索したい欲とトラップに引っかかる恐怖の間を葛藤して楽しむゲームかなと。
ちなみに私は、クリアするまでに3回主力メンバーが消し飛びましたw
死と隣り合わせの緊張感のある探索ができるというコンセプトはおもしろいと感じましたが、残念だったのは深層にたどり着いた際の達成感が弱いこと。
プレイヤーたちの目的もよくわからないので、困難を乗り越えてクリアしても「あれ?これで終わり?」というような拍子抜け感がありました。
(がんばったのでもう少し「やったぞー!」感がほしかったですね)
他に気になったのは、一部エリアでは踏破済の色がわかりづらかったので、もう少し見やすいほうが快適にマップ埋めができたとおもいます。
数字とにらめっこしながら「考える」バトルが楽しい!
バトルはFFシリーズでおなじみの「アクティブ・タイム・バトル(ATB)」となっており、素早さの順で敵味方の行動が行われます。
なお、ウエイトも選択でき、私はじっくり考える派だったので終始ウエイトでした。
また、特徴として、シールド(防御力)を壊してからでないとHPにダメージが入りません。
具体的に説明すると、防御力と魔法防御力というパラメータがあり、それぞれに対応した攻撃によって防御力の値を0にしてからでないと、HPを削れないのです。
さらに、余剰分のダメージは切り捨てに。
そのため、たとえば防御力が残り10の相手に100攻撃しても90は無駄になり、次に攻撃するキャラクターのターンになって初めてHPを削れるという仕組みになっています。
これがシンプルでありつつも絶妙におもしろかった!
プレイヤーはキャラクターの攻撃力と敵の残り防御力やHPを見比べ、ATBによるターン順も考慮。
そして、的確に攻撃対象や攻撃手段を選ぶ必要が生まれ、まさに本作のコンセプトである「考える」バトルになっていたとおもいます。
また、レベルアップと装備の仕組みも考えるバトルにつながっていました。
通常のRPGではレベルアップすると、バトルを楽にするための攻撃力・防御力が上がります。
しかし、本作ではHPと装備コストしか増えないため、装備を変えなければまったく強くなりません。
(各装備にはコストが設定されているので、良いものを手に入れてもコスト上限がないと装備できないのです)
そして、肝心の装備は敵を倒すことでドロップするかショップに並ぶというシステムになっているため、とにかく戦わないと厳しいバトルが続く一方ですが、戦っても直接強くはならないのです。
戦わないと強くならないけどいくら戦っても楽に倒せるようにはならない……こうしたジレンマを抱えながらのバトルは新鮮味がありました。
緊張感のある戦いは楽しいけれど、ゲームサイクルにはマンネリ感があり
序盤はいい装備をゲットすると急に楽になり、深い階層に潜るにつれて苦しくなり、また新装備で楽になるという繰り返しがとにかく楽しかったです。
装備状況によって物理パーティになったり、魔法パーティになったりといった変化も自然に作られていました。
また、与えるダメージが常に固定値の攻撃と、1〜XXの間でランダムの攻撃があるので、堅実に削るのか一発逆転を狙うのかという戦術のちがいもおもしろいポイントです。
(ただ、1〜5000与えられる武器でも普通に2とか出るので、もう少し限定的だったほうが使いやすかったような気もしますw)
中盤以降は新装備による楽なバトルの時間が短くなっていくので、アビリティとの組み合わせが重要になるかなと。
たとえば、瀕死時攻撃力倍や防御力0時倍などにより、武器の攻撃力を格段にアップさせます。
こうした自分の目論見がうまくハマり、ギリギリの戦いを勝利したときはめちゃくちゃ爽快感がありました。
試行錯誤や賭けのような緊張感のある戦いは楽しかったのですが、終始このプレイングの流れが変わらないので、ある程度の階層まで潜ってしまうとマンネリ感になってしまうとおもいます。
全99階のうち、90階にいるラスボスまでは30時間ぐらい。
裏ボスはまだ倒していないものの、50階ぐらいから飽きている感じがありました。
また、画面演出が少ないため、強力な装備で大きなダメージを入れても変化がないので、強くなっているという実感が数値でしか伝わらないのも物足りなさにつながっていたとおもいます。
個人的に気になったのは、一部のキャラクターにのみ強力な専用装備があるため、突き詰めるとある程度同じメンバー編成になってしまうこと。
もちろんどんなメンバーでもクリアはできますが、便利な装備をあえて使わないという選択肢はあまりないので、編成の自由度が少ないのはもったいないかなと感じました。
おわりに
シンプルなグラフィックで探索とバトルを楽しませるというコンセプトは良いものの、プレイングにはややマンネリ感がある作品でした。
苦労してクリアしたときの達成感も弱かったので、もう少し報われると個人的にはうれしかったですね。
ちなみに、私は100%踏破しないと落ち着かないスーパー几帳面プレイヤーだったで、ヒントを頼りに探さないと見つからない透明床に殺意を抱きながら歩き回っていましたw
ローグライクが好きだったり、トライ&エラーに凹まないメンタルをお持ちの方にはおすすめのちょっと変わったRPGです。