インディゲーム

Unpacking [Switch] 評価・レビュー


『Unpacking』ってどんなゲーム?

・引っ越しをテーマにしたナラティブなストーリー体験ができるアドベンチャーゲーム!
・家具や雑貨から、まだ見ぬプレイヤーの人生が想起できてドラマチック!
・パズル要素のある荷解きは引っ越しあるあるがたくさん味わえて楽しい!
・用途が分からないアイテムがあり、ちょっと不親切な部分は気になった。

公式サイト

ゲームレビュー

本作は荷解きしながら、ある女性の人生におけるさまざまなシーンを垣間見るアドベンチャーゲームです。
プレイヤーがすることは段ボールから荷物を出して部屋に並べるだけとシンプル。
部屋を整理して住みやすい空間を作るというパズル要素と、持ち主の人生について知っていくというストーリーが楽しめる作品です。

「ナラティブとはなんぞや?」を理解できる入門ゲーム

昨今ゲーム業界で話題になる、言語化しづらい「ナラティブ」というストーリー体験があります。
私はナラティブを一方向的にお話が語られるものではなく、断片的な情報から物語を想像したり、プレイヤーごとに異なる体験が得られることだと認識しています。
この辺りの定義は曖昧なので、有名なゲームの表彰式である「The Game Awards」にもBest Narrative部門がありますし、誰か明確に示して欲しいところではあります。

さて、今回プレイした『Unpacking』ですが、まさにこのモヤッとした概念であるナラティブを味わえる作品でした!
つまり、ナラティブがなんだか分からない人から私のようにふわっと認識している人まで、本作をプレイすればその言わんとしているものを理解できるということです。

静かな人生の変化を感じられる、引っ越しを軸にしたストーリー体験

荷解きをテーマにした『Unpacking』は、段ボールから家具や雑貨を取り出し、部屋に並べていくゲームです。
みなさんの多くは引っ越しを経験しているとおもいますが、環境が変わることによるドラマってありますよね。
例えば、何を新居に持っていくのか。
子どもの頃から部屋にあったぬいぐるみや画材などを、大人になっても持っていたりすると、大切にしているものなんだなと伝わってきます。
本作は、段ボールによって運ばれてきた荷物や新居の様子から、直接目にすることのないプレイヤーの人となりやどんな人生を歩んできたのかを垣間見て、しっとりした気分になる作品です。

私はしっとりした気分になると形容しましたが、これがナラティブです。
新しい家に運ばれてきたアイテムはもちろん、動かせない家具や持ってこなかったものから立場や趣味の変遷を感じられるのもストーリー感があり。
こうしたキャラクターのセリフやナレーションなどに頼らず、でも確かに物語を感じられる作品だったので、まさにナラティブデビューにはピッタリのゲームだと感じました。

分かりづらい雑貨もあるけど、引っ越しあるあるにグッとくるパズル要素!

ここまでひたすら本作のナラティブなストーリー体験について話をしてきましたが、引っ越しゲームとしても楽しめる作品でした。
全部で8軒の引っ越しを行うのですが、子ども部屋・キッチン・バスルーム・リビングなど、状況によって部屋数が変化します。
ボリュームとしては少なめで、大体4時間ぐらいでクリアできるかなと。
ただ、食器やバス用品など同じものを繰り返し並べることが多いので、飽きないぐらいのバランスだったとおもいます。

さて、荷解きについてですが、箱詰めするときって大抵なんにも考えてないから、違う部屋のものが混ざっていたりするケースもあり。
段ボールから出してみるまで次にどんな家具や雑貨が出てくるかわからないランダム性も、まさに引っ越しあるある感があって良かったです。
他にも、バッチリ並べたあとで大きめのぬいぐるみや電気ポットが出てくると焦るし、本棚にピッタリ本を収納できると妙な達成感があったりと、引っ越しならではのドキドキ感を味わえるのも楽しかったです。

そして、片付け方の癖も出ます。
私は几帳面なA型なので、一度段ボールから全部出して何があるのか把握し並べ直すタイプでした。
また、DVDやゲームの表紙など細かい部分まで丁寧に描写されており、置いた場所によって効果音も変わるので並べている感もあり。
本の順番や靴下のしまう向きなど、ちょっとした部分にこだわってしまうプレイヤーなら楽しくてしょうがないと思います。
アイテムのレイアウトに関しては、同棲して物がごちゃごちゃになったり、ルームシェアのときは動かせないものがあるなど、状況に応じた変化もあるのでストーリー性を感じられるのも良い点でした。

ちなみに、あちこち好き勝手に配置できるわけではなく、ある程度規定された場所にものを置き、すべてを配置できたら次のシチュエーションに進めます。
(一応オフにもできるのですが、ゲーム性を損ねるため推奨されていませんでした)
こうした制限によってパズルゲームとしても楽しめるのですが、日本人には馴染みのない家電製品や医薬品などがあり、どこに置いて良いのかわからなくて苦戦することも。
文化のちがいではあるものの、少し説明があったほうがスムーズにプレイはできたかなと感じました。

おわりに

引っ越しをテーマにしたナラティブなストーリー体験ができる、良質なパズルゲームでした!
丁寧なドット絵のグラフィックも美しく、心穏やかな気分でプレイヤーの人生を垣間見ながら荷解きに没頭できました。
また、ナラティブという概念を理解するのにもピッタリの作品なので、ストーリーを楽しむ作品が好きな方にはおすすめです。

ABOUT ME
たこ
積みゲーマーです! ジャンルはRPG・アドベンチャー・乙女ゲーが好きですが、とりあえず気になったものは全部やる!! 読みやすくて前向きなレビューになるように心がけています! 連絡先▷info@tsumige.net