『Maquette』ってどんなゲーム?
・現実とミニチュア模型が相互に影響を与えるパズルゲーム
・モノの拡大・縮小を行って仕掛けを解くのは楽しいが、アクションが単調なので飽きやすい
・恋愛を描くストーリーは、説明がぼんやりしていて感情移入できない
・一人称視点なので、3D酔いしやすいプレイヤーは注意!
ゲームレビュー
本作は、現実とミニチュア模型が相互に影響を与える一人称視点パズルゲームです。
各ステージには、ミニチュアサイズで再現された模型が配置されています。
ここに現実で拾ったアイテムを入れると、巨大になって現実にも出現するという仕組み。
そうやってオブジェクトの拡大・縮小を行いながら、道を作ったり鍵を開けたりして謎を解くという作品です。
拡大・縮小を使うパズルの仕組みはおもしろいが、飽きやすい
プレイしていると頭が混乱してくる、不思議なパズルゲームでした。
モノの大きさを変えるというルールを使うだけなのですが、「大きくするときは模型に入れるんだっけ?」「何を小さくすればいいんだ?」とパニックになることもしばしばw
一人称視点ということもあり没入感が高く、自分がやるべきことを見失いがちで、世界に翻弄されている感覚が新鮮でした。
(騙し絵の世界に入ったような、「ガリバー旅行記」で小人の国に行ったような感じでしょうか)
ただ、パズルとして行うアクションは単調なので、飽きやすさはあり。
模型というテーマにマッチしていたおもちゃの街のような前半ステージは、見た目の楽しさもあり、わくわくしながらプレイできました。
しかし、中盤以降に訪れる暗めのステージではアート面での良さが生かされず、単調なパズルをするだけでやや退屈な印象が強くなりました。
後述しているとおり、本作ではある男女の恋愛を描いているものの、模型を使うならもう少し童心に帰れるようなお話の方がマッチしていたとおもいます。
また、本作は一人称視点でプレイする作品なので、3D酔いしやすい方は要注意。
プレイヤー移動時の画面揺れはありませんが、調べるアクションを主体とした一人称視点ゲームは酔いやすい傾向があるので記載しておきます。
恋愛を描くストーリーはぼんやり。ボリュームは手軽さ重視
ストーリーは美しいアートによって男女の大人な恋愛模様を描き、ステージとして再現された思い出の場所を巡っていくというものです。
全体的に日記を断片的に見ているような形で語られるため、ふんわりと2人の状況は理解できるものの、前後の文脈がつながっていなかったり、展開のわかりづらさはありました。
画面に表示される文章が読みづらい箇所があったことも、ストーリーテリングをネガティブに感じさせる要因のひとつだったかなとおもいます。
また、インディーゲームではこうした恋愛モチーフはよく使われているのですが、ビターな感じのお話が多め。
人生のほろ苦さや自己実現と恋の間で揺れ動く大人心は描けているとはおもうものの、「大人だってラブラブハッピーな恋愛したっていいじゃない!」のように、たまにはちがう展開を楽しみたくなりました。
なお、チュートリアル含めて全部で7つのステージがあり、クリアまでは4時間ぐらい。
先述の酔いもあるので、手軽にプレイできるボリュームなのはポジティブなポイントです。
おわりに
やや飽きやすさはありましたが、現実とミニチュア模型が相互に影響を与えるのは新鮮なパズルゲームでした。
『It Takes Two』の子ども部屋ステージのような明るいお話だったら、個人的にはもっと楽しめたかなと。
ただ、騙し絵のようなパズルの仕組み自体には独特なプレイ感があり、手軽なボリュームなのでさくっと遊ぶには良いとおもいます。