428 ~封鎖された渋谷で~ [PS4] 評価・レビュー

『428 ~封鎖された渋谷で~』ってどんなゲーム?
・渋谷の街を舞台に、複数の主人公たちの物語が同時進行するサウンドノベルゲーム
・プレイヤーの選択によって物語が進展する、読み物だけど動きのあるゲームシステム
・サスペンス映画やドラマのように、とにかく先が気になるストーリー
・躍動感のある画作り、盛り上がる予告編など演出のクオリティが高い!
ゲームレビュー
本作は、渋谷の街を舞台に実写で演じられた主人公たちの物語が絡みながら同時進行するサウンドノベルゲームです。
ひとりの選択が他の主人公をピンチに陥れたり、全員の運命を左右するなど、選択によってさまざまな結末にたどり着くマルチエンディングを採用。
物語はひとつの誘拐事件をキッカケに世界に影響を与える大事件に広がっていくという、サスペンス映画さながらの壮大な展開が楽しめます。
海外ドラマのようなサスペンス感と、マンガのようなコミカルさが魅力
『428 ~封鎖された渋谷で~』は、渋谷を舞台にテロを阻止する実写のサウンドノベルゲームで、海外ドラマのようなサスペンスが物語の主軸です。
主人公は事件の捜査に燃える刑事から、テロと無縁にしか見えないネコの着ぐるみなど、ユニークな5人が登場。
犯人を追いかける緊張感のある展開が進行するかたわら、雑居ビルで怪しい商品を販売している主人公がいるなど、群像劇かつマルチエンディングで物語は描かれます。
本作のゲーム的特徴は、主人公たちのシナリオが縦と横につながっており、時間経過による変化(縦のつながり)だけでなく選択肢による影響がある(横のつながり)という点が本作ならではのおもしろさです。
くわえて、演出のクオリティも高く、ノベルゲームという文字を読む静的なジャンルにも関わらず、躍動感のある画作りで映画のような息もつかせぬ展開が楽しめるのです。
個性的な主人公たちそれぞれのストーリーも起伏に富んでおり、先が気になる展開が続くのはもちろん、お互いが影響して物語が収束していく様は爽快感さえ覚えてしまうほど圧巻でした。
プレイヤーが介入できるゲームシステムは、縦横に展開するシナリオにマッチ
あれもこれも素晴らしいのですが、まずはゲームシステムのおもしろさから。
本作は所謂サウンドノベルゲームと同じく、画面いっぱいに文章が表示され、選択肢によって物語の展開が変化します。
また、5人の主人公それぞれのシナリオは縦一列に並んだタイムチャート形式になっており、プレイ中いつでも全キャラクターの好きな時間に移動可能です。
シナリオを進めていくと、途中で「KEEP OUT」という表示がされ、先に進めなくなる場面があります。
その際は、他の主人公のストーリーを進め、選択を変えたり、特定の場所から「JUMP」することで進行が可能になります。
例えば、ある主人公が犯人を見失ってしまうのですが、それは近所で別の主人公がイベントの集客活動で人を集めていたからだとします。
このままではお話を進められません。
そこで、集客の手段や時間を変更することで道路が空くようにすれば、犯人の追跡を継続できるといった変化が生まれます。
このような一見関係なさそうな状況でも実は重要な影響を与えあっているなど、意外な展開から物語が進行する驚きが味わえるシステムになっているのです。
これが先述している横のつながりの部分で、お互いの何気ない行動によって物語が止まったり進んだりするのは、プレイヤーの思考が入る余地を生み出しています。
ただ物語を読むだけではない、介入して未来を自分で切り開いていくような楽しさを提供していました。
ちなみに、ある主人公の選択肢により、他の主人公が「BAD END」を迎えることもあります。
メインストーリーのエンディングは1種類ですが、こうした多数のマルチエンディングが用意されており、あっさり終わるものや妙にこだわった「BAD END」もあるので、やりこみ要素としても楽しめるとおもいます。
動きのある実写を使った背景や、ドラマ・マンガのような演出が光る
実写の人物・グラフィックを使った演出も、個性的かつクオリティが高くてとても良かったです。
本作でシナリオの背景に表示される画像は、全編実写の静止画になります(時々ムービーあり)。
止め絵ではありますが、映画撮影のように役者さんたちが演技されている様子を撮影し、そのなかから選ばれたシーンを使用しているのが特徴。
ゆえに、事件を追うシーンではサスペンス映画のような緊張感のある背景になっており見応えがありました。
また、コミカルな展開も本作の魅力なのですが、役者さんたちの少しオーバー気味の演技もとてもゲームにマッチ。
極端に顔にズームしたカットや、マンガのような「ビシッ!」「ドーン!」といったオノマトペが合いそうな場面など、実写の人物というよりキャラクターみたいな見せ方をしていたのはクスッと笑えるシナリオにピッタリ合っていました。
なお、物語はアメリカのテロ対策ユニットの活躍を描いたドラマ『24』のように、1時間ごとに区切られています。
そして、5人のストーリーすべてが正しい続き方にたどり着くと、次の時間のハイライトを描いた予告編が入り、ゲームが進行する流れです。
このTVアニメやドラマのような予告演出も、先が気になるプレイ感につながっていて良い味を出していました。
(緊張感のあるメインテーマが流れるのもテンション上がりました!)
主人公もサブキャラクターも、個性的でクセの強い面々がラインナップ
クリアまでは20時間前後。
ボーナスシナリオとして「鈴音編・カナン編」、隠しシナリオとして「エコ吉編・陰謀編・真の陰謀編」が収録されています。
これらを含めると、プレイ時間はもう少し長くなるかなと。
ただ、5人の主人公それぞれのお話がテンポ良く進んでいくので、過不足ないボリューム感でした。
本編の主人公たちは熱血刑事・渋谷のチームの元ヘッド・敏腕フリーライター・ウイルス研究の第一人者・ネコの着ぐるみと、見た目も性格も個性的な面々が揃っています。
各シナリオは事件の核心に迫るシリアスなパートと、無意味にしか見えないのに実は重要なこともあるコミカルなパート、そしてシュールな笑いを誘う展開のバランス良く配置。
程よい緊張感と肩の力が抜けたお話が交互に入るので、終始ダレることなくプレイできました。
また、サブキャラクターたちも役割が明確かつキラリと光る魅力があり、私はタクシー運転手の君塚さんがめちゃくちゃ好きだったので、ぜひ注目してほしいですね。
ちなみに唯一ネガティブだったのが、隠しシナリオの「カナン編」。
「Fate」シリーズでおなじみのTYPE-MOONさんが手掛けたお話なのですが、背景がイラストであり文章のテイストも全体の作風からがっつり浮いていて、私には合いませんでした。
さいごに
複数の主人公たちの物語が絡み合うシナリオ、プレイヤーが介入できるゲームシステム、そしてクオリティの高い演出と全方位カンペキにおもしろい作品でした!
誘拐事件から始まるメインストーリーは、サスペンス映画のような緊張感に満ちています。
また、ちょっとした選択によって運命が大きく変わったり、ふざけてたとおもったら重要な出来事だったりといった、ゲームならではの寄り道を描いたシナリオもとてもおもしろいので必見です。
テキストを読む系のゲームなので好みはあるかとおもいますが、ストーリーを楽しみたい方には文句なしにおすすめのゲームです!







