とにかく王道感あふれるファンタジーRPGで、クリア時間は24時間とさっくりボリュームでした。
シナリオは、主人公合流後は一直線に収束した印象が強いですが、寄り道イベントも多くてやりごたえがあり。
バトルでは技の覚醒や陣形、ギルド支援や武器を消費しての大技発動など多彩な要素が含まれており、バトルスピード速度変更ができることと相まってとても楽しめました。
一方、技や資質、ギルドなど豊富にある育成要素は周回プレイ前提で作られており、1周では育てきれずにもったいない感じが残りました。
ゲームレビュー
記事の目次
本作は、9人の主人公が登場するノスタルジックな雰囲気の王道ファンタジーRPGです。
開発は、3DS『レジェンド オブ レガシー』のフリューさん。
黒き流れに分断された世界を舞台に、対立する2つの種族や人々の思惑が交錯する大陸を9人の主人公たちが冒険するという物語。
バトルはシンボルエンカウントのターン制で、武器により異なる技を覚醒したり、陣形を変更するなどの戦略性をもっているほか、資質やギルドといった育成要素が多いことも特徴です。
主人公合流後は駆け足だったけれど、満足度の高い王道ファンタジーRPG
しっかり王道ファンタジーRPGをしていた作品で、クリアまで24時間。
ストーリー展開やキャラクターも王道でクセがないため、イベントシーンの印象はやや薄めですが、さくさく進んでいくためテンポよくプレイできました。
また、乗り物がシナリオの進行に応じて追加されていくのですが、それにより行けなかった場所を探索して発生するサブイベントが多く、率先して寄り道したい気持ちになれたのも良いですね。
シナリオは、9人の主人公が合流するまではとても丁寧に描かれていた一方、合流後はほぼ一直線で駆け足で収束していった印象でした。
メインの主人公がだんだん空気っぽくなってしまったり、終盤で仲間になるため、活躍の機会にあまり恵まれない主人公がいたのも残念なポイントです。
仲間にならないサブキャラクターを含め、多くのキャラクターがしっかりと存在感を発揮しており、新しい場所を訪れる楽しみにもなっていました。
(とても魅力的なキャラクターが多かったので、個々にフォーカスしたサブイベントがもっとあったらさらに良かったとおもいます)
戦略、育成、支援などさまざまな要素が盛り込まれた楽しいバトル
バトルは、シンボルエンカウントのターン制。
技の覚醒、攻撃範囲、武器を破壊してのファイナルストライク、陣形、ギルド援護など、戦略や育成要素が豊富な点が魅力です。
まず、武器種ごとに技があり、新しい技を覚醒すると以後使えるようになります。
覚醒は、「ばーん!」と爽快感のあるエフェクトが入って気持ちよく、ついいろんな技を覚醒させようとバトルを繰り返してしまう中毒性がありました。
(バトル速度は2倍、4倍と切り替えられるので、さくさく戦えることも気持ちよさを加速させていたとおもいます)
技には攻撃範囲が設定されているため、敵の位置や能力に合わせてどの攻撃していくのか考えるといったわかりやすい戦略要素があり、バトルのメリハリになっていました。
キャラクターごとにロールを決めて陣形を変更し、攻撃特化タイプや強敵を相手にしたバランスタイプなど、パーティの戦い方を自分で設定できるのもおもしろいですね。
そのほかにも、装備している武器を破壊して強力な技を使うファイナルストライクや、近くに設置されたギルドタワーから攻撃や妨害などの支援をもらうなどもあるため、通常バトルでも賑やかな雰囲気がありました。
(壊れた武器はすぐに修理できるため、どんどん壊して大丈夫です!)
このように、基本ルールはシンプルながらもさまざまな要素が盛り込まれているバトルなので、クリアまでマンネリ感がないままプレイできました。
また、本作の特徴としてバトルごとにHPが全回復するため、最大パーティの5人になれば難易度は低めです。
ただ、ボスはしっかり強いので、ちゃんとガード役を作らないと結構苦戦する歯ごたえでした。
(私は脳筋プレイヤーゆえ、時々フィールドを徘徊している強敵モンスターでうっかり全滅したりもしましたが……w)
周回プレイ前提の育成バランスなので、クリアしても物足りなさが残る
シナリオもバトルも全体的には楽しめた作品なのですが、育成関連には少し不満が残りました。
まず、本作にはレベルという概念がありません。
そのため、技のレベルやバトルで獲得できるタレントを消費して覚える資質、仲間をスカウトしてタワーを建設するギルドといった多彩な育成システムが用意されています。
問題なのは、これらが周回プレイ前提のレベルデザインになっていること。
ゆえに、1周ではとても育て切れず、途中から使用武器を変えたり、多数の資質を覚えたりはできません。
つまり、育成できるものはたくさんあって自由度も高いのに、1周目ではほとんど育てられないままクリアとなるため、もったいない感じがしました。
さいごに
王道ファンタジーRPGとしてまとまりがよく、周回前提の育成要素にもったいなさはありましがた、終始気持ちよくプレイできる作品でした。
バトルは技の覚醒、ファイナルストライク発動のタイミング、陣形、ギルドの支援など、考えさせる要素が多くて、通常バトルを繰り返してしまうほど楽しめました。
とても王道的で遊びやすいRPGなので、ぱっと見て興味を持った方はきっと楽しめるおすすめのタイトルです。