レビュー

タケシとヒロシ [Switch] 評価・レビュー

『タケシとヒロシ』ってどんなゲーム?

・勇者が倒されないようにモンスターを出していく特殊なバトル楽しめるアドベンチャーゲーム
・ゲームのプレイヤーである弟がゲームオーバーにならず、でもドキドキできるようにバランスを調整するのが楽しい!
・人形アニメーションで進行するハートフルなストーリーは大人にもグッとくる!
・クリアまでは2時間と手軽にプレイできる

公式サイト

ゲームレビュー

本作は、心温まる兄弟の物語と、ほどよいバランスでモンスターを送り込むバトルが楽しめるアドベンチャーゲームです。
病気がちな幼い弟のヒロシにせがまれたタケシは、未完成のゲームを裏で自分がこっそりモンスター役を演じてプレイさせることを思いつきます。
ヒロシの期待を曖昧にこなしていたタケシは、次第にゲームを通じて自身の壁にぶつかっていくという物語が描かれます。

開発したオインクゲームズさんは、「海底探検」や「ナインタイル」など小箱系のボードゲームを作られている会社です。
シンプルでわかりやすいルールでさくっと遊べるプレイ感でありながら、ついつい「もう1戦!」と続けたくなる中毒性が魅力。
(ちなみに私は、惑星から宝石を持ち帰るゲーム「トロイカ」がめちゃくちゃ好きです!)

ギリギリまでHPを削るというわかりやすい戦略性のバトルがおもしろい!

チャプターは7つ、バトルステージは6つで、クリアまでは2時間ぐらい。
本編以外では、ミニゲームとして友だちが作ったゾンビのアプリもプレイできます。
ストーリーパートは人形アニメーションで進行。
タケシとヒロシを取り囲む人間模様を描き、優しく心がほっこりする物語が楽しめます。

さて、本作は、勇者のHP残量と「たのしさ」というパラメータをつなげたアイディアのおもしろさが光る作品です。
バトルパートでは勇者を弟がプレイ、自分は彼にモンスターを送り込みます。

ここで重要なのは、勇者のHPが減るにつれて「たのしさ」が上昇すること。
そのため、倒されないけれどできるだけHPを削り、ギリギリの接戦を制したという緊張感が味わえるようにモンスターを登場させる必要があります。
このギリギリを狙うため、どのモンスターをどの順番で出すのかという戦略性が生まれ、パズルのような中毒性につながっていました。
勢い余って勇者を倒してしまったり、ランダム要素のあるモンスターの調整に苦しめられたりしながら、絶妙なHPを残して倒せたときは、勇者以上にモンスター役の自分が達成感を得られますよ!

チャプターごとにラウンドが5回あり、都度モンスターを送り込みます。
勇者ことヒロシが求めるたのしさは進行によって上がり、勇者のパラメータも上昇。
使えるモンスターも増え、回避や必殺技といったスキルも追加されるので、よりチャレンジングな戦い方ができるようになります。
(ついついやりすぎてしまって、「あのモンスター入れとかなきゃよかったー!」とおもうこともw)
欲をいえば、スキルや終盤で追加される仲間キャラクターが活躍する機会が少なく、登場するモンスターももっと多いとさらに工夫ができて楽しめたかなと。

そうそう、もし勇者を撃破してしまっても途中から再開できるので、より「たのしさ」の高みを目指すような編成にも挑戦しやすさがありました。
ただ、バトル中にアクションの早送りができないため、テンポは少しまったり気味。
とはいえ、ダメージ量を見ながら編成を考えるゲームゆえ、パパッと結果がわかってしまうと味気ないので、ちょうどよかったとおもいます。

さいごに

ギリギリのHP残量を狙ってモンスターを繰り出すバトルがパズルのようにおもしろい、良作アドベンチャーゲームでした。
手軽にプレイできるボリュームでありながら、独特なバトルのおもしろさとほっこりできるストーリーが楽しめるので、ぜひさくっと遊んでほしい1本です。

ABOUT ME
たこ
積みゲーマーです! ジャンルはRPG・アドベンチャー・パズルが好きですが、とりあえず気になったものは全部やる!! 読みやすくて前向きなレビューになるように心がけています! 連絡先▷info@tsumige.net