インディゲーム

To the Moon [Switch] 評価・レビュー


『To the Moon』ってどんなゲーム?

・思い残した願いを記憶のなかで叶えるために、マシンを使って過去へと遡るアドベンチャー!
・物語は切なく感動的なのはもちろん、先が気になるサスペンスとしての見せ方も上手い!
・ただ、どうしても私はこのシステムに納得できず、モヤモヤしたままクリアしました!

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ゲームレビュー

本作は、臨終を迎える人の記憶にアクセスし、思い残した願いを記憶のなかで叶えるために奔走するアドベンチャーゲームです。
今回の依頼人はジョニーという老人で、「月へ行きたい」という願いを持っているとのこと。
プレイヤーは2人の医師として叶えたかった夢を探るため、マシンを使い仮想の人生を再生し、少しずつ過去へと遡っていきます。
なぜ彼は月へ行きたいのか、隠されてしまった過去とは、そして夢は叶うのか。

記憶を改竄して幸せになれるのかという疑問

本作はジョニーの人生を辿りながら、家族や恋人、そして夢の大切さを描いた感動的なゲームです。
特にストーリーに重きが置かれており、少しずつ過去へと遡ることで、ジョニーと妻のリヴァーの関係や抱えていた悩みを共有し、「月へ行きたい」という途方もない願いに至る過程をとても丁寧に描いています。

ただ、私はどうしても、「思い残した願いを記憶のなかで叶えて幸せにする」というシステムに納得ができませんでした。
そうやって願いを叶えるのが主人公たちのお仕事ですし、依頼人の要求を満たすことが焦点なので間違ってはいません。
しかし、物語を終えると、ジョニーの周りの人々もとても大切にしたい人が多く、当人だけが夢の中で記憶を改竄することで幸せになれたら良いという状態にモヤっとしてしまったのです。

みんなを幸せにするという仕組みではないのですし、このマシンでは過去は変えられません。
それでも手放しに「依頼を達成したぞー!」と感動できなかったのです。
というわけで、そもそも基本的なルールが何となく腑に落ちなかった人の感想なので、そんな意見もあるんだなと参考程度にご覧いただければ幸いです。

感動はもちろん、サスペンスのような先が気になる展開が魅力のストーリー

ゲーム画面を見るとRPGっぽい印象がありますが、本作は移動と会話をベースにしたアドベンチャーゲームです。
流れとしては、特定の過去へ飛びエピソードを見て、マップのあちこちを探索しジョニーの思い出の品を見つけ出します。
その後、パズルを解いてまた次の時代へ、と繰り返していき、「月へ行きたい」という願いの根源を探すという物語です。
クリアまでは4時間ぐらい。

システムへのモヤモヤ感はありましたが、ストーリーはとてもおもしろかったです!
人生のなかで、いろいろな思いを抱えて決断をし、それによって登場人物たちがよろこんだり悲しんだりする姿はとても感動的でした。
作中で、「大事なのは結末ではない。そこへ向かう一瞬一瞬が宝物」と語られますが、終わりがわかっているからこそ、幸せだった時の儚さがより切なく感じられました。

そうした感動的な部分はもちろんなのですが、個人的にはサスペンスのような先が気になる展開の作り方が上手いなと感じました。
過去へと遡っていくと、心に引っかかりが残る出来事にいくつか遭遇します。
これによって、ジョニーが隠し事をしているのかと疑ってみたり、周りの人が嘘をついているのかと怪しく見えたり……。
物語はテンポよく進んでいくためストレスはないものの、緩やかですがプレイヤーの心に不穏な気持ちを生み出していくので、常にドキドキしながらプレイできました。

ピクセルアートや音楽も美しく、本作の切なさや温かさを高めている

同じようなシチュエーションが多い作品ですが、ピクセルアートがとても美しいので飽きることはありませんでした。
特に家具や花など細かな装飾が丁寧に描かれており、生活感が感じられるのが良かったですね。
遠景の風景や重要な場面で入るイベントシーンも印象的で、本作の切なく感動的な雰囲気を高めていたとおもいます。

また、音楽はやわらかな曲調のものが多く、物語にとてもマッチしていました。
物語のなかで奏でられるピアノの楽曲も、美しい旋律が耳に残るとかなと。
このようにストーリーや全体的な雰囲気をめちゃくちゃ褒めているにも関わらず評価がついてこないのは、ひとえにシステムに納得できなかったからです……すみません。

まとめ

私は手放しに感動できなかったのですが、物語や作品全体を通じて切なくも温かさに満ちたアドベンチャーゲームでした。
手軽に楽しめるボリュームなので、映画を観るような感覚でプレイできますよ!

ABOUT ME
たこ
積みゲーマーです! ジャンルはRPG・アドベンチャー・乙女ゲーが好きですが、とりあえず気になったものは全部やる!! 読みやすくて前向きなレビューになるように心がけています! 連絡先▷info@tsumige.net