レビュー

クレヨンしんちゃん「オラと博士の夏休み」~おわらない七日間の旅~ [Switch] 評価・レビュー


クレヨンしんちゃん「オラと博士の夏休み」~おわらない七日間の旅~』ってどんなゲーム?

・自然豊かなアッソーを舞台に、野原一家が過ごすちょっと不思議な夏休みを体験できるアドベンチャー!
・田舎のロケーションや空気感が最高!虫取り・魚釣り・おつかいなど、子どもらしい夏を満喫できる。
・「映画クレヨンしんちゃん」のような熱い物語がない!ひろしやみさえも空気でしんちゃんファンは物足りない作り。
・やりこみ要素も作業感があり、行動範囲や種類が少ないわりに飽きやすい。
・でもエンディングは少しだけ大きくなったしんちゃんが凛々しく、終わってみると素敵な夏休みだった!

公式サイト

ゲームレビュー

本作は、自然豊かな九州の田舎町「アッソー」を舞台に、野原一家が過ごすちょっと不思議な夏休みを体験するアドベンチャーゲームです。
ひろしの出張に合わせて、みさえの古い友人の家に1週間お世話になることになった野原一家は、アッソーの美しい里山を駆け回り、虫取りや魚釣りをするなど夏休みを満喫していました。
しかしある日突然、町に恐竜が現れたり、カスカベ防衛隊と瓜二つの友だちができるなど、次々と不思議な出来事が起こります。
どうやら怪しい博士が原因のようで、しんちゃんたちは7日間を繰り返しながらさまざまな問題を解決していくというお話です。

『ぼくなつ』の新作ではなく、「しんちゃんで夏休みを楽しむゲーム」として楽しむのがおすすめ!

まず、本作はPSやPSPで発売された『ぼくのなつやすみ』シリーズと同じ方が手掛けているので、同作のようなプレイ感をイメージされるとおもいます。
ただ、ゲームボリュームは全体的に大幅にダウンしており、行動範囲や夏らしいアクションも少なく、7時間ぐらいでエンディングに到達できました。
一方でストーリー要素は強くなっており、田舎での夏休みを満喫しながら町に起こる不思議な事件やちょっとした問題を解決していく物語が楽しめます。
そのため、ポジティブにいうと手軽に遊べて、ネガティブにいうと『ぼくなつ』の新作としては物足りない内容かなと。

ちなみに私は、「しんちゃんで夏休みを楽しむゲーム」という認識で本作をプレイしたので、物足りなさはあまり気になりませんでした。
むしろ、物語の進行に応じて行動範囲が広がりできるアクションが増えていくので、「どうやって夏休みを過ごせばいいかわからない!」と露頭に迷う心配がないのは遊びやすくて良いと感じました。

田舎の夏らしい空気感は最高!やりこみ要素は一辺倒で飽きやすい

では、「しんちゃんで夏休みを楽しむゲーム」としてどうだったのかというと、とにかく田舎の夏の雰囲気は最高でした。
青空や真っ白な入道雲、セミの鳴き声など夏休みらしい空気感はバッチリ!
照り返す太陽の暑さ、夕暮れの寂しさ、夜の穏やかさと時間によって変わる夏の雰囲気も満喫できます。
アニメ調のキャラクターとリアルな背景も自然にマッチしており、川の流れを聴きながら野山を走り回るのは本当に楽しかったです。

夏休みの定番である朝の体操、お世話になるお家は食堂なので朝晩にはおいしそうなご飯、たっぷり遊んだあとは満天の星空を眺めながらひろしとお風呂、そして寝る前には絵日記に思い出を記録。
めちゃくちゃインドア派だった私は、こんな夏休みを過ごしたかったかなとしみじみしちゃいましたw

さて、本作のメインとなる目標は、新聞記者としてさまざまな出来事を経験して購読者数を増やすこと。
(一定人数を超えると、美子おねいさんとデートができるからです!)
そのために、しんちゃんであるプレイヤーは繰り返される7日間のなかで虫取りや魚釣り、野菜づくりやDJ遊びを体験。
町の人々からお店のおつかいを頼まれたり、どこかで見たような子どもたちと恐竜バトルをしたりと夏休みをエンジョイしながら記事のネタを集めていきます。

こうした夏休みを過ごす子どもとしてのアクションはどれも楽しく、夢中で1日中アッソーの町を駆け回りまくってしまいました。
あと、時間はマップを切り替えたタイミングで経過するため、焦らず目の前の虫や魚と戦えるのも良い点ですね(『あつまれ どうぶつの森』みたいに逃げていなくならない)。

ただ、記事のネタとなる目標が虫や魚、野菜をたくさん集めるだったり、レアなものを探すだったりと一辺倒だったのはマンネリ感あり。
初めての出会いはワクワク感がありますが、「同じ魚を10匹釣ろう!」といわれるとちょっと疲れてしまいます。
また、場所によって出現する生物のちがいもなかったので、もう少しメリハリがあったほうが目的に合わせて収集が楽しくなったとおもいました。
ちなみに、それなりにがんばれば1回のプレイでデートにこぎつけられるくらいの難易度なので、安心して野山を駆け回って大丈夫です。

映画のような熱い展開や野原一家の活躍はない。ボイスが少ないのもマイナス

「しんちゃんで夏休みを楽しむゲーム」として大切なもうひとつの要素がストーリーです。
私は「映画クレヨンしんちゃん」シリーズが大好きで、本作でも映画のような野原一家が事件を解決する熱い物語を期待していました。
(特に暗黒タマタマやヘンダーランドは最高におもしろいので、まだ観ていない方はぜひ!)

しかし、残念なことに本作ではそうした熱さや感動的なお話は描かれず、毎日なんとなく何かが起きるといった淡々とエピソードを積み重ねていく感じでした。
また、事件に対してプレイヤーのアクションによる影響がなく、特定の場所に移動してエピソードを見れば問題が解決してしまうという単純な作りになっていた点ももったいない。
しんちゃんの働きによって事件が進展し、問題解決に向かうといった流れがあれば、ストーリーにも起伏があり熱さや感動もあったのかなと。

そして、「クレヨンしんちゃん」ファンとして気になったのは、ひろしやみさえなどの野原一家やアッソー防衛隊の仲間たちの活躍がないこと。
キャラクターものなのに、ボイスがメインストーリー中にも入っていないのもマイナスポイントです。
個人的には、パッケージにあったみたいにシロと野山を駆け回れなかったのとても残念でした。

さいごに

「しんちゃんで夏休みを楽しむゲーム」として、田舎で過ごすのどかな夏休みの空気感は満喫できたけれど、ストーリーは物足りなかったという作品でした。
ちょっと自然に囲まれてのんびりしたいという欲求は満たせますが、「映画クレヨンしんちゃん」のような熱い物語はありません。
なんだかんだ不満点が多い作品でしたが、エンディングの少しだけ成長したしんちゃんの姿は凛々しく、終わってみると素敵な夏休みだったなと感じられたので、さくっと楽しむゲームとしては良いとおもいます。

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たこ
積みゲーマーです! ジャンルはRPG・アドベンチャー・乙女ゲーが好きですが、とりあえず気になったものは全部やる!! 読みやすくて前向きなレビューになるように心がけています! 連絡先▷info@tsumige.net