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UNDERTALE [Switch] 評価・レビュー

『UNDERTALE』ってどんなゲーム?

・モンスターたちが暮らす地底の世界を舞台に、バトルや交流をしながら冒険する「誰もしななくていいやさしいRPG」
・イベントシーンが多く、ちょっとブラックさはあるけどポジティブな気持ちで進められるシナリオ!
・すべてのテキストがユーモアに富んでる!ローカライズも工夫されており、何かとひねらずにはいられない独特さにハマれば終始楽しい
・倒さなくてもいい対話するバトル。シューティングゲームのような回避アクションはむずかしい
・全体的にクセが強いので人を選ぶけど、ストーリー終盤の演出はめちゃくちゃ熱くて、クリア後は温かさと寂しさで胸がいっぱいになるおすすめ作品!

公式サイト

ゲームレビュー

本作は、モンスターたちが暮らす地底の世界を舞台に、地上に帰るためキャラクターと交流しながら冒険するRPGです。
キャッチコピーは「誰も死ななくていいやさしいRPG」
バトルで必ずしもモンスターを倒す必要がなく、殺すのか逃がすのか、その選択に応じてゲーム展開やエンディングが変化します。
また、ターン制コマンドバトルですが、シューティングゲームの要素が盛り込まれているのも特徴。
グラフィックはレトロゲームのようなドット絵で、独特な世界観や個性の強すぎるキャラクターなども魅力です。
なお、本作はPS4/Vita/Xbox One/ニンテンドースイッチなどでリリースされています。

豊富なイベントシーンにより、さまざまな物語をプレイヤーに体験させるRPG

「誰も死ななくていいやさしいRPG」というキャッチコピーから、『MOTHER』のようなハートフルなストーリーを彷彿とさせる本作。
私もプレイ前までは、ちょっとサイケデリックな色使いとキャラクターデザインだけど、のどかで心温まる作品なんだろうとおもっていました。
しかし蓋を開けてみると、めちゃくちゃ攻めたゲームでビックリでした!

まず印象的だったのは、会話やイベントシーンがとにかく多かったことです。
『UNDERTALE』は1マップが狭く、ちょっと移動するとすぐにエリアが切り替わります。
そのなかで敵とのバトルがあったり、パズルを解いたりしながら進めていくのですが、むしろプレイにおける多くの時間が会話に費やされていた印象がありました。

とはいえ、基本的に長々と話が続くのではなく、一言二言話したらおしまいと細切れに会話パートが挟まります。
内容はメインとなるモンスターたちの悩みが徐々に明らかになったり、やだなとおもっていたキャラクターの二面性が見られたり、兄弟の優しさに触れてほっこりしたり。
一度に長く話すのではなく、ちょっとした会話の積み重ねによって物語が描かれるためテンポが良く、各キャラクターたちとの接触回数も増えるので親近感もわきました。
また人を傷つけるようなネガティブ表現が少なく、そういったものには立ち向かう姿勢が取られており、プレイしていて温かい気持ちになれるのも良い点だとおもいます。
(プレイヤーの選択次第でがっつり重たくもなりますがw)

そして、さまざまな出来事を乗り越えてたどり着く、ストーリー終盤の演出における熱さは素晴らしかったです!
会話や音楽による盛り上がりはもちろんなのですが、個人的にはゲームに対するメタ表現をフル活用した点がインパクトがありました。
メタ表現はいろいろな作品で用いられていますが、本作では主にシステム面で使われ、プレイヤーの操作や選択できるコマンドを制限したり、メニュー画面を動かしてしまうなど、ゲームであることを逆手に取った工夫がされていて斬新。
特に終盤はこうしたメタ表現によって展開がさらに盛り上げられており、プレイして良かったと感じさせる要因のひとつになっていました。

ひねらずにはいられないテキスト!アドベンチャー要素もおもしろい

モンスターとの会話や物を調べたときなど、テキスト全般がおもしろいのも本作の特徴です。
ユーモアに富んだ表現が多く、看板や持ち物に関する文章でさえ「何か変なことを言うぞ!」という気概が感じられました。

コミカルなやりとりだけでなく、洋ゲーらしいブラックジョークやホラーっぽい描写など、振れ幅が大きいのもおもしろかったです。
本作において最大の衝撃を与えたモンスターのひとり「手ミー(誤植ではない)」をはじめ、どうしてそんなローカライズになったのか謎のセリフや説明も多く、オリジナル版の持つ独特さはしっかり味わえること間違いなし。
こうした表現はとにかくクセが強いので人を選ぶ部分はあると感じましたが、ハマる人は終始楽しくて仕方がないとおもいます。

また内容だけでなく、テキストエリアが急に縦読みになったりフォントが変わったりと、見た目でも言葉に関わる部分は常にひねりが加えられていました。
(テキストウィンドウを見れば、誰が会話しているのか分かるぐらい変化するのにはビックリ!)
ゆえに、RPGではありますがアドベンチャーゲームのような楽しみ方もできたかなと。

バトルは殺すか逃がすかにより運命が変化。回避アクションはシビアな難易度で苦戦!

バトルでは敵としてモンスターが登場しますが、必ずしも倒す必要はありません。
モンスターに対して会話やリアクションを駆使することで心を掴み、戦いを避けるという手段が取れます。
つまりプレイヤーはバトルごとに、相手を殺すか逃がすかの選択ができ、それによってストーリー展開やエンディングが変化していきます。
多くは語りませんが、作品のコンセプトは「誰も死ななくていい」であることを念頭におきながらプレイするのがおすすめですよ。

また、基本はターン制コマンドバトルですが、シューティングゲームのような回避アクションで敵の攻撃を避けていくという独創性があります。
これが横スクロールや弾幕シューティングが苦手な私にはめちゃくちゃむずかしかった!
攻撃パターンはモンスターによって差異があり、同じ相手でも複数の避け方が求められます。
しかも戦いを避けるには数ターンにわたり耐える必要があるため、当然大いに手こずり、通常のバトルでもバンバン死にました。
HPが全回復するセーブポイントが随所にあるのでリトライする際のストレスは少なめですが、それでもアクションが苦手なプレイヤーは心してかかることを推奨します。

クリア後にはすべてが好きになれる、クセが強くて温かいモンスターたち

最後に『UNDERTALE』において重要なポイントは、やはり独特の個性と魅力を持ったモンスターたちです。
何度も関わるちょっぴり不器用な性格のメインモンスターにはしっかり物語があり、プレイヤーと「ともだち」になっていく過程はうれしい気持ちになれるはずです。
敵モンスターには短い対話でも感じられるおもしろい性格が設定されており、町にいるNPCモンスターたちは見た目に大きな特徴があり。
ダンジョンがシンプルな構成だったので、町をにぎやかに見せる存在にもなっていました。

そして、その誰もが真っ直ぐな性格のモンスターばかりというのも本作の良さです。
敵によっては、攻撃に対する回避がむずかしくて「キーッ!」となることもありましたが、上手く対話ができるとちょっと面倒な友だちぐらいの感覚に。
クリアすると、この世界にあるすべての存在が大好きになっているような気持ちになれました。
サイケデリックなグラフィックだったり、攻めたブラックジョークやダークな表現もある作品でしたが、終わってみると温かさと寂しさで胸がいっぱいになる傑作だとおもいます。

さいごに

多彩な会話やエピソードで描かれる物語、ゲームであることを生かした演出の独創性、そして際立つ世界観とユーモアあふれるテキストが楽しい傑作RPGでした!
見た目だけでなく、ホラーっぽい表現やブラックジョークなど人を選ぶ部分はある作品です。
しかし、作中で語られる温かさに満ちたストーリーやキャラクターは素晴らしく、クリア後にはプレイして良かったと感じられること間違いなし。
気になった方はぜひ遊んでみてくださいね!

ABOUT ME
たこ
積みゲーマーです! ジャンルはRPG・アドベンチャー・パズルが好きですが、とりあえず気になったものは全部やる!! 読みやすくて前向きなレビューになるように心がけています! 連絡先▷info@tsumige.net