『ワールズエンドクラブ』ってどんなゲーム?
・12人の少年少女が、デスゲームではなく日本横断の旅をしながら、世界の謎を解くアクションアドベンチャー
・ギャグが多い群像劇。設定のちぐはぐさはあるが物語のまとまりは良いので、おおらかな気持ちでプレイするのがおすすめ!
・2Dパズルアクションの操作性は悪いうえに即死が多い。でもリトライはしやすい
・120点を期待するとガッカリしちゃうけど、50点だとおもうと70点で返してくれるゲーム!
ゲームレビュー
本作は、12人の少年少女が日本横断の旅を通じて世界の謎を解き明かしていくアクションアドベンチャーゲームです。
『ダンガンロンパ』の小高さん、『極限脱出』の打越さんがディレクター・シナリオを担当。
序盤にデスゲームが始まるのでシリアスな展開を期待されるとおもいますが、メインはジュブナイル(ヤングアダルト)で小学生レベルのギャグが繰り出されるコミカルな物語が描かれます。
ゲームは会話がメインのアドベンチャーパートと、日本各地を探索する2Dパズルアクションパートがあり。
プレイヤーの選択によってストーリーが分岐する要素も用意されています。
ちなみに、打越さんがシナリオを手がけた『AI:ソムニウム ファイル』はめちゃくちゃおもしろかったので、ミステリーが好きな方にはおすすめです!
(2022年に発売される続編『AI:ソムニウムファイル ニルヴァーナ イニシアチブ』も楽しみですねー!)
ストーリー・キャラクターにちぐはぐさはあるけれど、まとまりよく完結する群像劇!
『ワールズエンドクラブ』は、クリエイター陣や序盤のデスゲームから想起されるハードな展開はありません。
記憶を失った少年少女が、自分たちの置かれている状況を把握して、世界の謎に立ち向かうというめちゃくちゃ健全な群像劇です。
そのため、『ダンガンロンパ』のような雰囲気を期待すると、序盤でガッカリしてしまうかなと。
一方、「これは子どもたちがみんなで世界を救う話だ!」と事前情報を入れておき、アクション要素のあるアドベンチャーとしてプレイすれば普通におもしろい作品でした。
とはいえ、終盤に明かされるさまざまな事実は突拍子もなかったり、キャラクター同士の問題があっさり解決されてしまったりと、ストーリーにおけるちぐはぐさはありました。
突然みんなで歌い出したり、シリアスな設定のキャラクターなのに「わーい!わーい!」みたいなコミカルな挙動をしたりと、プレイヤーを混乱させる要素もてんこ盛りです。
しかし、本作はこうした事象をまるっとネタ半分でツッコミながら楽しむゲームであり、このゆるさについていける人向けだとおもいます。
他にも人を選びそうな点があるとすれば、下ネタや寒いやりとりが頻繁にあること。
(『AI:ソムニウムファイル』でも暴力的なギャグを披露していましたが、アレに近い感じですw)
ちなみに、私個人としては「ち○こ」が連呼される程度で笑える頭なので、特に気にはなりませんでした。
このように色々と問題はある作品ですが、ストーリーはフルボイスで描かれるので話に集中でき、終盤には熱い展開やちょっとした驚きもあり、全体としては楽しくプレイできました。
何よりクリア後の印象が良く、キャラクター同士の関係性や過去に起きたトラブルなどがスッキリ解決した感じに。
ツッコミどころはありますが、しっかりハッピーエンド感を出せていたのは好印象です。
120点を期待するとガッカリするけれど、50点ぐらいだとおもってプレイすると70点で返してくれるようなゲームだとおもいました。
手軽にクリアできるボリューム感!アクションの操作性は悪い。
クリアまでは10時間ちょいぐらい。
旅の道中は各キャラクターに焦点を当てながら世界についての話がなされ、ルート分岐によってピックアップされる事柄が変わります。
さくっとプレイできるボリュームでしたが、世界観やキャラクターの設定が浅いため、これぐらいで終われるとあまり中だるみ感じないかなと。
なお、フローチャートがあり未読のルートはわかりやすく、普通にプレイしていれば素直に2週してクリアになるので、ほぼ一本道で進んでいけました。
また、本作には2Dアクションパートがあり、ジャンプやスキルなどを用いたパズルアクションや軽いバトル要素があります。
シビアなタイミングは要求されませんが、操作性は悪いうえに隙間に落下したり、敵に接触すると基本的に即死します。
リトライは手軽にできるものの、都度ロードが入るので面倒さは感じるかなと。
ちなみに私は、難易度選択が一番簡単なEASYでやったのであまりストレスを感じませんでしたが、少しでも快適にストーリーを進めたい方は低く設定することをおすすめします。
個人的にアクションパートは別段おもしろいわけではなかったのですが、絶妙に悪い操作性から生まれる動きのシュールさは楽しかったです。
さいごに
ミステリーらしい複雑なシナリオやどんでん返しはありませんが、青春群像劇としてはまとりまりよく楽しめるタイトルでした!
真面目なパートもありますが、作品の大半を締めるコミカルなノリを楽しむという心持ちでプレイするのがおすすめです。