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LOST JUDGMENT 裁かれざる記憶 [PS5] 評価・レビュー

『LOST JUDGMENT 裁かれざる記憶』ってどんなゲーム?

・いじめをテーマにした殺人事件に挑むリーガルサスペンスアクションの2作目
・重たい展開はあるけれど、先が読めないミステリー、緊張感の続くサスペンスものとしても秀逸なストーリーが楽しめる!
・学生コミュニティに潜入するユースドラマは、シナリオボリュームも多く、独自アクションもやりごたえあり!
・バトルはさらに爽快に、調査はより洗練されてさらに遊びやすくなった!
・とにかくキャラクターが素晴らしい!魅力の出し方にこなれ感があり、次回作にも期待大!

公式サイト

ゲームレビュー

本作は、木村拓哉さん演じる神室町の探偵「八神」が、いじめに関わる凄惨な殺人事件に挑むリーガルサスペンスアクションのシリーズ2作目です。
舞台は神室町にくわえて、『龍が如く7』で新しく登場した横浜・伊勢佐木異人町。
主人公の八神は、友人たちが横浜で新たに立ち上げた探偵事務所「横浜九十九課」を訪れ、「誠稜高校」で問題になっているいじめの調査依頼を受けます。
しかし、同校の教育実習生が死体で発見され、その容疑者は新宿で発生した痴漢事件を引き起こした現役警察官ということが明らかになります。
こうして八神は、過去と現在の因縁が入り混じる学校を舞台に、殺人事件の真相解明へと足を踏み出していくという物語です。
なお、本作はPS5/PS4/Xboxでリリースされています。

シリーズ2作目ではありますが、ストーリー的なつながりはありません。
ただ、キャラクターの関係性を理解したり、八神の過去をテーマにした前作『JUDGE EYES:死神の遺言』もめちゃくちゃおもしろかったので、そちらからプレイするのをおすすめしたいです!
参考までに、私のレビュー記事はこちらです。

JUDGE EYES:死神の遺言 [PS4] 評価・レビュー『JUDGE EYES:死神の遺言』ってどんなゲーム? ・「キムタク」というキャラクター性をうまく使った『龍が如く』、でもプレイ感...

正義を軸にいじめ問題を描いたストーリーは、ミステリーものとしても秀逸!

本作は「いじめ」が大きなテーマとなっており、それに関わる問題や人々の苦悩がしっかり描かれる作品でした。
そのため、重たい展開もありますし、やるせない気持ちに胸が痛くなることもありました。
しかし、まっすぐな八神の姿勢は芯が通っていて清々しく、さまざまな立場の人物が登場し対話を繰り返すなかで、プレイヤー自身もいじめ問題に向き合えるとおもいます。
同時に、シリーズの軸である「正義」のぶつかり合いも熱く、善悪の境界が曖昧な現実に即していながらも、お話として結論を出していた点も素晴らしかったです。

インパクトのあるテーマなので注目が集まりがちですが、個人的にはミステリーものとしても良くできていたことをおすすめしたいです。
殺人事件の犯人を追いかけた前作とは異なり、本作は序盤で自分たちが解決すべき事件の犯人が判明します。
しかし、どうやったのかが分からない。
そして調査を続けていくうちに新たな組織や人物が事件に絡んできて、さらなる疑問がプレイヤーに降り掛かってきます。
誰が敵なのか、何が目的なのかが分からない。
事件に進展があるほど謎が大きくなって深みにはまり、正体の分からない敵と対峙していくサスペンス感にもドキドキしながらプレイできる作品でした。

ちなみに、これまで『龍が如く』シリーズを含めていろいろな謎に直面しましたが、良い意味で先が読めなかったのは本作が初。
(展開がぶっ飛びすぎて、想像できなかったことはありましたw)
詳細を書くとネタバレになってしまうので、どうしてもふわっとした説明になってしまうのですが、目の前に謎が積み上がっていきながらも、程よい緊張感のある物語にプレイヤーがぐいぐい引っ張られていくような感覚がありました。
そのため、ミステリー・サスペンスものが好きな方にも楽しめるストーリーだとおもいます。

がっつり楽しめるユースドラマ!八神のコミカルさと青春の輝きが楽しめる

『LOST JUDGMENT』で新しく追加された要素「ユースドラマ」は、想像以上の大ボリュームコンテンツでした!
これはある問題を解決するため、部活や学外のコミュニティに八神が潜入するというもので、リズム・レース・パズル・格闘アクションが楽しめるパートです。
各コミュニティにストーリーがあり、大会での優勝や総長になる、お目当ての女の子と会話するといった目標を目指して活動をしていきます。
さくっと終わるものもありますが、基本的にサイドケースよりもがっつり遊べるシナリオやアクションになっており、本作におけるもうひとつのメインストーリーといっても過言ではないクオリティでした。
登場する癖の強い学生たちとの交流も楽しく、思春期らしい悩みを抱えているので社会人プレイヤーとしては「眩しいな」と感じることも多々ありw

潜入先は軸となるミステリー研究会以外に、八神が明らかに活躍しそうなダンス部、指がめちゃくちゃ疲れるボクシングジム、ヒャッハーと夜露死苦が共存する暴走族など全10種。
どのコミュニティでも気がついたら熱中して活動している八神がコミカルで、正義を追い求めるメインストーリーでのシリアスさとは異なる、アイドル的な華やかさを披露したり青春を謳歌している姿は微笑ましかったですw
個人的には、レースが白熱して楽しいスケボーグループ、恋と友情を描いたダンス部が好きでした。
3D対戦格闘のようなボクシングもやりごたえがありましたし、eスポーツ部にはどこかで見たような学生が出てくる点もおもしろかったですね。
(一方、めちゃくちゃ苦手だったのはロボ部で、パーツをどれだけ組み替えても途中の対戦相手に勝てませんでした!w)

ちなみに、いじめ問題や殺人事件など、事態はどんどん深刻な状況になっているなかでこうした活動をできるのかと心配していたのですが、実際はすんなりプレイできました。
メインストーリーと同じく学生を軸にした話になっているからか、それとも八神や仲間たちの根がコミカルなキャラクター性ゆえかは分かりませんが、流れを切ることなく楽しめる要素になっていたのは良いですね。

より鮮やかに戦えるようになったバトル、洗練された調査アクションも楽しい!

ゲームシステム関連は、全体的に前作から洗練されており、より遊びやすくなりました。
まず、バトルには新スタイルである「流」が登場。
ゴリゴリに1対1する「一閃」、乱戦に強い「円舞」とは異なり、相手の動きに合わせてゆるゆると交わしてカウンターを仕掛けるという戦い方です。
これがボス戦やザコ戦ともに使い勝手が良く、何より飄々とした八神のキャラクター性にも合っていると感じました。
個人的にムカつくやつは拳で殴りたい派なので、『龍が如く7』のようなターン制バトルではなく、本作みたいに直感的にボコボコにできるバトルはめちゃくちゃ気持ちよかったですw
(なお、DLCを買うと追加で「拳威」というボクシングスタイルを使えます)

前作では面倒な場面もあった「調査アクション」は、操作の変更や回数の軽減により、ストレスが大幅に減りました。
特に苦戦した「尾行」ではごまかしが使えるようになり、上手に隠れられなくてもなんとかなるように。
天敵だった「鍵開け」は回数が減り、ちょっとしたミニゲームとしてプレイできました(結構減ったので、むしろもっとやりたかったような気もw)。
新要素であるアスレチック(パルクールアクション)、スティール(ステルスアクション)は、探偵らしいかと言われると微妙ですが、通常とは異なるアクションをイベント感覚で楽しめて良かったです。

むしろ主だったのは、「集音器・電波探知機・ドローン・探偵犬」といったガジェット系を使った調査です。
主にユースドラマやサイドケースで使いましたが、盗聴器や侵入口を探すのは探偵っぽさがありました。
ただ、一人称視点なので苦手な方は酔いやすいとかもしれません。
カメラをゆっくり動かしたり、上下の視点移動を減らすなどじっくり見ていくと軽減されるかなと。

とにかく魅力的なキャラクターたち!敵も味方も見せ場が多くより印象的に

前作からキャラクターが良い作品でしたが、本作では個々の魅力の出し方にこなれてきた感がありました。
八神・海藤さんのコンビはもちろん、新しく横浜で探偵事務所を設立した九十九・杉浦コンビから感じれる信頼感の強さも良かったですね。
もちろん、神室町の面々もしっかり活躍の場が用意されていて、なかでもさおりさんは裁判だけでなく調査においても大活躍でした。
半グレ集団のリーダー相馬、痴漢で逮捕された現役警官の江原など、八神と対立するキャラクターも『龍が如く』シリーズでは見られない新しいタイプで見応えあり。
それぞれが個人の信念や思想に基づいて行動しているので、会話シーンにも迫力が感じられました。

また、本作はテーマが重たいので、ともすれば暗い雰囲気が続くかと危惧していました。
しかし、仲間となるキャラクターたちのやりとりが明るく楽しく、八神チームとして一致団結して大きな闇に戦いを挑むという姿勢が作られているので、バランスが取れていたとおもいます。
ちなみに、個人的には「東」がめちゃくちゃ好きなので、次回作ではもっとたくさん登場してほしいですね!

なお、エンディングまではサイドケースをほぼクリア、ユースドラマはロボ部以外クリアした状態で40時間でした。
ゲームの難易度調整ができるので、バトルが苦手な方でもクリアまでたどり着けるとおもいます。

さいごに

シリーズ2作目で重たいテーマを掲げた作品でしたが、しっかりと描き切り、より洗練されたゲームシステムによってさらに遊びやすくなった傑作でした。
とっつきにくいテーマなのでプレイハードルの高さがあるかもしれませんが、中身は熱い正義のぶつかり合いと先が読めない展開、そしてコミカルなキャラクターたちの掛け合いが楽しい作品なので、ぜひプレイしてほしいです。
ちなみに私は、次回作がすでに楽しみですし、2022年に配信予定の海藤さんの追加ストーリー「海藤正治の事件簿」も待ち遠しいです!
(ぜひ東の!東の活躍をもっとお願いします!)

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たこ
積みゲーマーです! ジャンルはRPG・アドベンチャー・パズルが好きですが、とりあえず気になったものは全部やる!! 読みやすくて前向きなレビューになるように心がけています! 連絡先▷info@tsumige.net