『世界樹の迷宮X』ってどんなゲーム?
・自分で地図を描きながら迷宮を探索する、3DダンジョンRPGのシリーズ最新作
・3DS最後の作品なので、過去に登場した迷宮・モンスター・職業・BGMなどが総出演のお祭り感あり!
・ボリュームがとにかく多く、中盤以降は探索疲れをするぐらい冒険ができる
・ストーリーは過去作に比べて表現が冗長。違和感のある描写もちらほら
・キャラクターメイキングは過去最高に楽しい!職業は19種もあって自由度が高い!
ゲームレビュー
記事の目次
本作は、自分自身の手で地図を描きながら迷宮を攻略していく、3DダンジョンRPGの人気シリーズ最新作です。
絶海の孤島レムリアを舞台に、飛行都市に集いし冒険者たちが迷宮に挑むという物語。
3DS最後のシリーズなので集大成的な趣きが強く、過去作に登場した迷宮やモンスター、職業やバトルシステムが実装されています。
また、職業が増えたことでキャラクターメイキングの幅も広がり、よりプレイヤーの自由な編成で探索を楽しめます。
圧倒的なボリュームで迷宮探索ができる!ただ中盤以降はさすがに疲れが……
『世界樹の迷宮』シリーズの総まとめ的な作品として、圧倒的なボリュームで「これでもか!」というぐらい探索とマッピングが楽しめました。
やさしめの難易度で普通にプレイしていても、クリアまでに80時間近くかかります。
これは他のシリーズでいうと2〜3本分ぐらいのボリュームになり、とにかくたくさん遊べます。
そのため、ダンジョンRPGが好きでがっつりやりたいという方にはピッタリの体験が期待できるでしょう。
ちなみに、私は本シリーズがめちゃくちゃ好きです。
特に地図を描く「マッピング」にハマりまして……自分の足で探索している感じがするのがロマンを感じられて楽しいんですよね。
ただ、これまで一人称視点の3DダンジョンRPGはあまりプレイしてきませんでした。
難易度が高そうだったり、ダンジョンが複雑な構造になっていそうだったり、そもそも迷子になりそうだったりとプレイにハードルを感じていたのです。
しかし、本シリーズでは3DSのタッチペンを使って地図を描きながら攻略するというカジュアルさが全面に押し出されており、たしかに敵は強かったりと難しい部分はあるものの、遊びやすくまとまっているとおもいます。
そのため、3DダンジョンRPGが苦手という方にもおすすめできる作品です。
(ただ、前述のとおり本作はボリュームが多いので、過去作のほうがプレイしやすいとはおもいますw)
少し横道にそれちゃいましたが、ここからゲーム内容のお話をしていきます。
まず、大半の時間を過ごすことになる迷宮については、とにかくたくさん登場するので挑戦のしがいがありました。
過去作と同じ敵が登場すると聴くと手抜きっぽさが気になるかもしれませんが、私に関しては初期の作品についておぼろげな記憶しかないプレイヤーだったのであまり影響はありませんでした。
ゆえに、おそらく昔もコテンパンにされたであろう強敵にまたしても倒され、当時も好きだったBGMにうっとりしながら探索する日々を謳歌することに。
そしてメインの迷宮以上に、強敵が登場する腕試し的なダンジョンである「小迷宮」がとにかく大変でやりごたえがありました。
こちらにも馴染みのあるモンスターたちが登場するのですが、ギミックの意地悪さと相まってかなり苦戦することに。
特に序盤に登場したとんでもなくエンカウント率の高いやつなんか、ブチ切れそうになりながら攻略したので、その後の迷宮に出てくるちょっとイヤな敵が可愛く見えるレベルでした。
このように迷宮探索は概ね満足だったのですが、ストーリーの盛り上がりが弱いのに探索のボリュームが多いゆえ、どうしても中盤以降は飽きてきてしまうかなと。
もう少し大きな目標が提示されたり劇的な展開があれば、プレイモチベーションの維持につながったとおもいます。
また、本作における数少ないオリジナル要素である「○○の霊堂」という迷宮もネックに……。
階層が多いのにギミックの使いまわしがあり、探索疲れの響いてくる終盤に連続して登場することも相まって、マンネリ感にとどめを刺したような印象でした。
ストーリーの描写は気になるが、豊富にカスタマイズできるキャラクターメイキング!
本シリーズの醍醐味であるキャラクターメイキングは、見た目やカラーバリエーションが豊富にあり、過去最高にカスタマイズができて楽しかったです。
また、他の職業のデザインも設定できるため、マッチョなビジュアルのメディックといった濃い設定にすることも可能。
過去作にあった「見た目は好きだけど職業が合わない」というジレンマを解消しており、プレイヤーのやりたかった編成やこだわりを発揮しやすいカスタマイズ要素になっていました。
ひとつだけ不満だったのは声。
一部のプレイヤーボイスをNPCと同じ声優さんが担当されており、自分のキャラクターのオリジナリティが弱く感じてしまったのは残念でした。
せめて拠点である空中都市のギルド長や酒場のマスター、店主などプレイヤーが頻繁に会話をするキャラクターと声が被らないキャスティングをしてほしかったとおもいます。
むしろキャラクター関連では、ストーリーにおける描写が気になりました。
過去シリーズのプレイヤーキャラクターは、迷宮に挑むいち冒険者という立ち位置であり、特定の性格を想起させる設定はありません。
しかし、本作では正義っぽい立ち振る舞いが求められたり、周りのキャラクターたちからも勇者のような扱いを受けるため、なんかちがうなと。
また、ボスを撃破した際には小説のような長いナレーションによって戦いの激しさがドラマチックに語られるのですが、プレイヤーの編成に関係ないアクションやトドメをさしたメンバーではない人が倒したことになるケースもあり、蛇足感が強かったです。
あとは、迷宮に起こるアドベンチャーエピソードが唐突に遊び始めるなど違和感があるものだったりするなど、全体的に『世界樹の迷宮』らしい「君は○○してもいいし、しなくてもいい」といった雰囲気が感じられないのはマイナスポイントでした。
職業の強弱はあるものの、自由度の高く考えるのが楽しいパーティ編成!
本作は職業が19種と多く、加えて他の職業のスキルを覚えられる「サブクラス」も設定できるため、とにかく編成の自由度が高くて楽しかったです。
キャラクター個人では、特定の役割に特化させたり、弱点を補ったり、便利なスキルを獲得したり。
パーティとしては互いが持つスキルのシナジーを考えたり、どんな敵にも対応できるように弱点攻撃を揃えるなど、多彩な戦略を検討できます。
ゆえに、自分らしい最適解を求めてあれこれ考えたい方には十分すぎる材料が揃っており、シリーズで最も楽しく編成を考えられるでしょう。
そうそう、新職業である「ヒーロー」は攻撃もサポートもできる便利な役職だったので、私のパーティでは主力メンバーの一角を担ってくれていました。
ただ、たくさんの職業があるとどうしても需要が偏りバランスは悪くなり、強い職業や使いづらい職業が生まれます。
しかし、私はそうした部分も含めて編成の楽しさかなと感じたのであまり気にならず、ヒーローとガンナーをメインアタッカーとしてゴリゴリ殴りながら進めましたw
おわりに
過去作品の迷宮・モンスター・職業・BGMなどがクロスする、シリーズの集大成的なボリュームたっぷりのダンジョンRPGでした!
ただ、ストーリーに違和感があったり探索疲れをすることも……。
それでもひたすら地図を描く作業は楽しく、こだわったキャラクターたちとともに強敵との死闘をくぐり抜けた際の達成感は本作ならではかなと。
とにかくたくさんダンジョンを冒険したい、キャラクターメイキング大好きといったプレイヤーには最適なタイトルだとおもいます。