レビュー

Loop Hero [Switch] 評価・レビュー


『Loop Hero』ってどんなゲーム?

・カードデッキを駆使し、ループする世界を冒険するストラテジーRPG。
・難しく考えるのが苦手でも安心!ランダムで獲得するカードに翻弄されながら挑戦を繰り返すのが楽しい!
・プレイヤーを悩ませる選択のジレンマが随所にあるので、周回プレイも飽きない!
・育成の成長実感が弱く達成感が薄い。日本語ローカライズが少し怪しい点は気になった。

公式サイト

ゲームレビュー

本作は、ランダムに生成される環状の道をぐるぐると回りながら、道やマップの周りにタイルを配置し、敵を倒したり装備を強化するローグライト系ストラテジーRPGです。
主人公はこの道を自動で歩きながら出現する敵を倒していきますが、バトルもオートで進行します。
また、敵を倒すとカードや装備品を獲得、カードは道やマップの周りに置くことでタイルになり、新たな敵を出現させたり主人公のパラメータをアップさせるといった効果をもたらします。

なお、周回を重ねると敵の能力はどんどん強化されることにくわえ、タイルを配置するたび、スタート地点となるキャンプにボスが出現するまでの時間が進行するという仕組みになっています。
つまり、適当にタイルを置いているとプレイヤーが強くなる前にボスが出現してしまいますし、それを恐れて周回を重視していると道中に現れる敵が強くてそもそもボスにたどり着けない事態になってしまうのです。

もうひとつ大事な要素が、本作はローグライト系であること。
冒険中にゲットした装備や覚えたスキルは、拠点に戻ってくるとすべて失ってしまいます。
ただし、敵の撃破やタイルの配置によって獲得できるリソースがあり、これは拠点に持ち帰れば育成に使用可能で、周回スタート時の主人公を強化できます。
そのため、死なないように調整しながらたくさんのリソースを持ち帰り、少しずつ主人公を強くするというサイクルを繰り返していきます。

ストラテジーだけど深く考えず、ランダム性に振り回される体験がとにかく楽しい!

『Loop Hero』はオートで移動や戦う主人公を眺めながら、タイル配置や装備変更をするシンプルなゲームです。
そのため操作はとても簡単ですが、考えることは結構たくさんあるので難易度は高い作品です。

たとえば、冒険中は道を1周回り終えるごとに敵がどんどん強くなっていきます。
ゆえに、早い段階で敵をたくさん倒して良い装備を手に入れたり、タイルを配置して主人公のステータスを強くしなければいけません。
ここで考えなければならないのが、どのタイルをどこに・いつ並べていくのか
タイルには道の側に配置して敵を出現させたり、遠くに配置して主人公の最大HPや攻撃速度をアップさせるなど、さまざまな効果があります。
さらに配置する場所によって隣にあるタイルとの相乗効果なども発生するので、とにかくあれこれと頭を悩ませることでしょう。

さてここまで読むと、本作は緻密な戦略を立てて挑むゲームだとおもわれるかもしれません。
実際、プレイヤーは目的に合わせて道をコントロールし、敵の数や装備強化のバランスを図っていくのが基本的なプレイスタイルになります。
しかし、脳筋プレイヤーである私はあまり先のことを考えられません!
それでも本作をめちゃくちゃ楽しめたのは、ランダム性に振り回されまくる体験がとにかく楽しかったからです!

まず、一番重要な要素であるカードがランダムで手に入ってしまいます。
いまは敵と戦いたいから敵が出るカードが欲しいのに引けない、逆に敵が出すぎてやばいから消したいのに増えるカードしか出ない……。
このように場をコントロールするために大切なカードが、引き運に左右されてしまうという作りになっています。

しかし、普通はストレスの溜まる要素である引き運を、本作はいくつかの方法で楽しいものに昇華させています。
ひとつは、冒険中は敵と戦っている最中でなければいつでも諦めて拠点に戻れ、もし死んでしまっても道中で獲得したリソースを失うだけとデメリットが少ないこと。
そのため繰り返し挑戦しやすく、引き運が悪くてもネガティブになりづらくなっていました。
また、「今回の周回は装備が弱いから資源だけもらって早めに拠点に帰ろう」、「新しいカードをゲットしたから使い勝手を試してみよう」と、冒険の進み具合によって異なる目的を持てる点もカードに振り回される楽しさにつながっていました。

そしてもうひとつは、引き運を操作できるカードデッキの構築要素があることです。
獲得できるカードは冒険前にデッキとしてカスタマイズができます。
つまり、デッキに入れるカードを少なくすれば、自ずと狙ったカードが出やすくなる仕組みになっているのです。

さらにあまり考えるのが苦手なプレイヤーに優しい仕様として、登場するカードが少なく、種類(主人公のステータスを上げる・敵を出現させるといった効果)ごとに上限・下限のコスト制限が設けられています。
ということは、コストに合わせて適当に編成していても、ある程度バランスの良いデッキができあがるのです。
(もちろんカードによる相乗効果はたくさん用意されており、周回の目的に合わせたデッキを作るといった深い楽しみもあるのでご安心を!)

まとめると、カードの引き運が悪くても目的を変えて楽しめるプレイングの幅の広さと、手軽に行えるデッキ構築によって、ランダム性がストレスではなく楽しく振り回されるものになっていたのが本作のおもしろい点でした。
ゆえに、ストラテジー系ではありますがざっくりプレイしても十分に楽しめる作りになっているので、先を見通したり戦略を立てるのが苦手なプレイヤーにもおすすめのゲームです。

プレイヤーを悩ませるジレンマが豊富!自分の欲望と葛藤せよ!

『Loop Hero』にはもうひとつ、とても楽しい要素がありました。
それが選択のジレンマです。
ここでいうジレンマとは、相反するAとBの選択に挟まれ、どっちにしようかめっちゃ悩んでしまうという状態を指します。

先ほど、冒険中は敵と戦っている最中でなければいつでも諦めて拠点に戻れるとお伝えしましたが、なんと周回のスタート・ゴール地点であるキャンプから戻らないと、持ち帰れるリソースが減ってしまうのです。
本作において、リソースを持ち帰り拠点を育成するのはとても大切です。
主人公の基本パラメータが高くなる、回復アイテムの数や効果が上がる、転職できるクラスが増える、新しいカードが手に入る……。
拠点を育てると、さまざまなプラス効果が発生するという仕組みになっているからです。

しかし、強欲なプレイヤーなので「あと1周回ったらもっとリソースを獲得できる!」という欲望と、「ここでやめれば確実に拠点育成のリソースは増える!」という堅実な心が随所で葛藤が……。
こうした行くか戻るかだけでなく、どのタイルを置けばいいのか、スキルや装備品の選択、周回数とともに強くなる敵と迫るボス、と悩みは尽きません。
ローグライトなのでリソース以外は持ち帰れないため、そこまで悩まなくてもと思われるかもしれませんが、プレイしているとあれこれと欲が出て悩んじゃうんですよね。
ただ、選択の重みはないので、気軽に思い切って選べますし、気軽に失敗もできます。
ちなみに私は調子に乗ってもう1周行こうとして、予想外にたくさん出現した敵たちにボコボコにされることが多々ありましたw

成長実感が弱いので達成感も薄め。ローカライズも少し怪しくてもったいない

基本的なゲームプレイは独自性があり、ローグライトやデッキ構築型の作品としても個性が強くとても楽しめる作品でした。
ただ、いくつか気になった点もありました。
まず、育成の進捗がのんびりで、成長実感が弱いこと。
難易度の高さも魅力ゆえ、さくさくと育ってしまっては楽しさが半減してしまうものの、拠点を強化しても強くなっていく実感は得られませんでした。
そのため、やっとの思いでボスを倒したとしても、それが自分の成長によるものなのかカード運が良かっただけなのか分からず、達成感があまりありません。
冒険を繰り返す楽しさは担保されているので、もっと強くなっていく体感があれば育成もさらに楽しく、ボスとの戦いもより熱いものになったようにおもいます。

そして個人的にイマイチだったのは、日本語のローカライズが少し怪しかったこと。
本作では、すべてが忘却された暗闇で目覚めた主人公が、記憶を失ったや世界を取り戻すために冒険するという不思議な物語が描かれます。
ストーリーはキャラクターの会話を軸に展開するのですが、如何せん、その口調が分かりづらい。
みんな忘却しているため、説明がふわっとするのは設定上仕方のないことかもしれません。
それでも世界観設定が曖昧なので、直訳のような単調な表現ではなく、何を情報として伝えたいのかがもっと理解できる日本語にまとめていただけたらより物語を楽しめたかなと感じました。

おわりに

カードのランダム性に振り回される独特の冒険スタイル、そして選択のジレンマが楽しいローグライト×デッキ構築のゲームでした!
気になる部分はあったものの、周回プレイがとても遊びやすく作れており、気持ち良く己の欲望と葛藤して悩めるのが楽しかったです。
考えるのは苦手だけどストラテジー系のゲームをやってみたい方や、中毒性の高い育成ゲームが好きな方にはピッタリの作品だとおもいます。

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たこ
積みゲーマーです! ジャンルはRPG・アドベンチャー・乙女ゲーが好きですが、とりあえず気になったものは全部やる!! 読みやすくて前向きなレビューになるように心がけています! 連絡先▷info@tsumige.net