『小さな世界』ってどんなゲーム?
・ローポリな箱庭を舞台にした、3D間違い探しパズルゲーム!
・意地悪な問題はなく、マップの回転を使った発見が楽しい親切設計!
・時間制限やペナルティがないので遊びやすいが、やりこめる要素もない
・ゆるいアートと穏やかなサウンドが魅力。とにかく癒やされたいプレイヤー向け!
ゲームレビュー
本作は、ローポリゴンでデザインされたジオラマみたいな箱庭を舞台にした、3D間違い探しパズルゲームです。
プレイヤーは画面の回転とズームができ、Switch版では画面をタップして間違いを指摘できる直感的な操作が可能。
ステージ数は全50個で、ひとつのマップにつき5つの間違いが隠されています。
難しい問題はなく見つけやすい間違い探し!クリア報酬や周回要素がないのでやりこみは薄め
箱庭を回転させながら間違いを探すパズルゲームで、プレイングとしてはシンプルでとても遊びやすい作品でした。
『小さな世界』の魅力をお伝えする前に、間違い探しについて私がおもっていることをお話します。
まず、2Dと3Dの間違い探しでは一度に確認できる情報量が異なります。
2Dの場合、平面に描かれたグラフィックを比較するため、間違いを探すために確認する情報は少なく、ゆえに難しくために一見すると違いが分かりづらい作りになっています。
つまり、よく見ないと間違いに気が付かないということです。
本作は3Dの間違い探しなので、ステージをくるくると回しながら違いを探していきます。
ゆえに、回す度にステージ全体の見え方が変わるので、間違いを探すために確認する情報が多めです。
しかし、アートがローポリでステージのサイズも小さいため、別の角度から見ればすぐに分かるような見つけやすい間違いの作り方が多く見受けられました。
つまり、見つからなくてイライラすることよりも、間違いを発見する楽しさや快感が重視されているかなと。
個人的に間違い探しはとても好きなのですが、どうしても重箱の隅をつつくような意地悪な違いがあり、「ぐぬぬ……」となることも多々ありました。
一方、本作ではステージをくるくるしていれば発見しやすい間違いばかりだったので、冒頭にお伝えした「とても遊びやすい」という体感につながっていたとおもいます。
そうした親切設計ではありますが、ヒントは用意されていません。
しかし、見つけづらい間違いがあるステージも存在するものの、基本的には猛烈にヒントが欲しくなることはありませんでした。
(なお、どうしても分からければ最終手段として画面を連打すればなんとかなりますw)
制限時間もなく、間違えたときのペナルティもないので、マイペースにプレイできる点も本作の雰囲気に合ったプレイングで良かったとおもいます。
ネガティブな点としては、各ステージをクリアしても得られるものがありません。
ひたすらのんびり間違い探しを解くことに特化した作品ゆえ、手軽さはありますが達成感がないのは物足りない後味になっていました。
ゆるいローポリのグラフィックと穏やかな環境音に癒やされる!
パズルゲームとしての浅さはありましたが、とにかく圧倒的にリラックスできるため、心穏やかにのんびり過ごしたいプレイヤーにはピッタリの作品です。
まず、ジオラマのようなアートはとてもゆるい雰囲気で、画面をぼーっと眺めているだけでも癒やされます。
登場するステージもキャンプ・雪山・ビーチなどリゾート気分が楽しめるロケーションが多く、ちょっとした旅行気分でプレイできる点もくつろぎ効果を高めてくれます。
日本人なら思わずツッコミたくなるような、海外の人がイメージするちょっと変な日本をモチーフにしたステージもあるので、ぜひ隅々まで眺めてみてください。
じっと見ていて発見できるのは間違いだけでなく、絵本の「ウォーリーを探せ」みたいに人物同士の関係性やドラマが見えてくるかもしれません。
また、ステージは静止した3Dですが、風・雪・火といった動くオブジェクトも存在します。
これが地味にいい味を出していて、ただの3Dジオラマではなく、本当に小さな世界がそこにあって上から覗いているような気分にさせてくれました。
(ただ、雨や雷のエフェクトは激しすぎて、ちょっと見えづらい点は気になりました)
それから環境音メインの静かなサウンドもとても癒やされます。
静かな夜にイヤフォンをつけてゆっくりプレイすれば、1日の疲れがゆるかやに溶けていくでしょう。
おわりに
ミニマルな3D箱庭ステージを舞台にした、リラックスしながら癒やされる間違い探しパズルでした。
ゲームとしての深みはありませんが手軽に遊べるので、「疲れているけれど何かゲームがやりたい」という金曜日の社会人におすすめです。