レビュー

ライフ イズ ストレンジ トゥルー カラーズ [PS5] 評価・レビュー


『ライフ イズ ストレンジ トゥルー カラーズ』ってどんなゲーム?

・山奥にある美しい田舎町を舞台にした、プレイヤーの選択によって物語が変化するアドベンチャー
・事件の調査と町の秘密を追うメインストーリーは、唐突に真相が明かされるので達成感が弱い
・ボリュームが少ないのに本筋と関係ないことに時間が費やされる
・主人公のアレックスは前向きで魅力的!過去のトラウマや自分の能力と向き合う描写がもっと見たかった
・歴史と郷愁がなじむ町の雰囲気は最高!そこにいるだけで温かい気持ちになれる!

公式サイト

ゲームレビュー

本作は、プレイヤーの選択によって物語の内容が変化するアドベンチャーゲームで、シリーズとしては3作目になります。
前2作とつながりがないため、どの作品からプレイしても大丈夫です。

『ライフ イズ ストレンジ トゥルー カラーズ』の舞台は、コロラド州の山奥にある美しい田舎町「ヘイブン・スプリングス」。
そこで穏やかに暮らす優しい人々と兄のもとに、心の病を抱えた主人公のアレックスがやってきます。
彼女は他人の強い感情に感化されてしまうという特殊な能力があり、自分でも上手にコントロールできない力に長年悩まされてきました。

美しい町で暮らし、傷ついた心を癒やしていこうと考えていた矢先に兄が突然事故死してしまいます。
そして、穏やかなはずの田舎町に隠されたある秘密。
主人公はトラウマを抱えながらも兄の死の真相を探るために自身の能力と向き合い、田舎町に隠された秘密を暴いていくという物語が描かれます。

ちなみに、前作『ライフ イズ ストレンジ2』の感想は下記に。
かなり攻めた重たいストーリーなので、心を強く持って振り切ってプレイするのがおすすめですw

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ストーリーは短く、事件を追うサスペンスとしての達成感も弱い

ちょっと内向的だけどがんばる主人公のアレックスも、自然豊かな美しい田舎町の雰囲気も魅力的で、全体的に心温まる作品でした。
ただ、メインストーリーの軸となる事件を追うサスペンス、そして自身の能力や過去のトラウマと向き合う成長に関する描写、そのどちらも弱い印象。
ゆえに、ゲーム全体の空気感は良いけれど話はあまりおもしろくないという感想でした。

まず、兄の死の真相や田舎町に隠された秘密を追うサスペンスについては、段階的に調査するようなプロセスがなく、唐突に事実が明るみに出てきてしまい拍子抜け。
悪いことをしている人物についても、積み重ねによってたどり着くのではなく、突如「あ!この人が悪かったのか!」と分かってしまうので達成感も弱かったとおもいます。

本作は町全体がやわらかな感じで、とても事件が起こりそうもない雰囲気だっただけに、暗部とのギャップを期待していましたが、そうした展開もなし。
そもそも秘密自体もさほど衝撃的ではなく、意外性のあるものでもなかったので「それが秘密なのか」ぐらいの印象でした。
そのため、田舎町で過ごしていたらいつの間にか問題を解決していた感じで、物足りなさの残るストーリーだったとおもいます。

クリアまで10時間と過去作に比べてボリュームが少ないのも気になりました。
多くの時間を調査や自身のトラウマと向き合うことに費やされていいれば良かったかもしれませんが、結構な時間を途中で行われる「LARP」という「ライブアクションRPG」パート使われます。
ある少年を元気づけるために住民総出で行うファンタジーRPGごっこ遊びなのですが、兄の死後に行われるイベントのため、事件を追う緊張感を大きく阻害していると感じました。
ちなみに、このパート自体は『ドラゴンクエスト』のようなファンタジックなRPG世界をリアルで味わえて楽しかったです。
ただ、内容としても真相究明にはまったく関わらないため、プレイする目的は曖昧でした。

主人公は前向きでがんばり屋さん!過去のトラウマは丁寧に描いてほしかった

ストーリー構成に不満はあるものの、主人公のアレックスはとてもキュートで好感の持てるキャラクターでした。
内向的な性格ですが自分を変えたいと奮闘しており、新しい環境にも慣れようと前向きな姿勢が応援したくなります。

しかし、彼女の抱える問題を語るストーリーには問題あり。
終盤に過去のトラウマをまとめて回想し、その乗り越えまで一気に見せてしまったため、物語を通じて成長した実感が得られないのはもったいなかったかなと。
個人的には、田舎町に来た経験や彼らとの交流のなかで、徐々に自分と向き合っていけるようになるといった部分をもっと丁寧に描けていれば、さらに魅力的なキャラクターになったとおもいます。

町の人々についても同様で、とても良い人たちばかりなのですが軽くしか登場しません。
特にエンディング分岐に関わる重要なキャラクターのステフとライアンは、もう少し関係性の深まりを見せないと終盤への思い入れが弱いと感じました。
ただ、直前に『ライフ イズ ストレンジ2』をプレイしていたため、ちょっとイヤなやつや悪いやつもいますが、前作に比べれば可愛いものなので、のんびり穏やかな気持ちで楽しめたのはとても良い点だとおもいます。

歴史と哀愁と穏やかさが同居する、美しい田舎町の雰囲気は最高!

このように不満点はしっかりあるものの、少し寂れた田舎町の雰囲気は最高でした。
歴史を感じるバーや趣のあるレコード店、自然豊かな公園や花がいっぱいの大通りなど、施設がちまっと収まったテーマパークみたいなわくわく感があり。
アレックスの自室も素敵で、雑然と物が置いてあるのですが、ひとつひとつに思い出が詰まっているのでとても落ち着く空間でした。

時々流れる、郷愁を感じさせるエモい音楽も本作の空気にはピッタリ。
ゆえに、シナリオには気になる部分が多々ありましたが、雰囲気は本当に素晴らしい作品だとおもいます。

おわりに

事件を追うサスペンスや主人公の成長に関する描写に物足りなさはあるものの、舞台となる田舎町の雰囲気が最高で温かみのある短編作品にまとまっていました。
個人的に、前作よりは幅広い方におすすめできますが、ちょっとあっさりしすぎている感じは気になるところです。
そのため、短編映画を楽しむ感覚でプレイするのが良いとおもいます。

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たこ
積みゲーマーです! ジャンルはRPG・アドベンチャー・乙女ゲーが好きですが、とりあえず気になったものは全部やる!! 読みやすくて前向きなレビューになるように心がけています! 連絡先▷info@tsumige.net