『Stray』ってどんなゲーム?
・ロボットたちが暮らす荒廃した世界を猫になって探索するアクションアドベンチャー!
・猫に対するこだわりがすごい!低い視点から見る世界は広々して新鮮!
・爪研ぎやお昼寝など、気まぐれな猫になれるロールプレイが最高に楽しい!
・サイバーパンクな歓楽街、密集したスラム、緑が残るダムなどロケーションが美しい!
・猫を追いかけてくる敵「ZURK」は虫みたいな挙動なので、苦手な人は注意
ゲームレビュー
記事の目次
本作は人類が滅亡し、ロボットたちが暮らすサイバーパンクな世界を猫になって探索するアクションアドベンチャーゲームです。
家族からはぐれて見知らぬ世界に迷い込んだ猫が、相棒のドローンやロボットと交流しながら外の世界への脱出を目指す物語。
謎のちょっとキモい生物や管理ドローンに追われるシーンはあるものの、むずかしいタイミングアクションなどはないため、アクションが苦手なプレイヤーも遊びやすい作品です。
猫の視点で人間の世界を歩き回るのが、自由奔放でわくわくする!
特筆すべきはもちろん、猫の動きに対する圧倒的こだわりの素晴らしさなのですが、先に個人的に良いなとおもった点をお伝えします。
それは、猫の低い視点から人間の世界を歩き回ることの新鮮さです。
本作の舞台は、高い壁に囲まれ閉鎖された未来の都市。
人間が絶滅してしまったので、代わりにロボットたちが暮らしています。
また、都市とはいえど外には出られないため、彼らは自分たちが住む各々のエリアでマイペースに生活を送っているのです。
そんな閉じられた世界ですが、猫として歩き回ると見た目以上に広さを感じられ、高低差も気にせず自由にあちこち移動できるのがとにかく楽しかったです!
たとえば序盤に訪れるスラム街は、改築を重ねた家が密集しており、とても狭いエリアです。
しかし、猫になるとそこはもう広大な冒険の舞台として機能します。
路地を歩く際は視点が低いので通常よりも多くの情報が目に入りますし、見慣れた自販機やコインランドリーも何やらすごいことをする機械に感じられます。
高低差のある入り組んだ街並みなのですが、排水管や屋根を伝って移動することで冒険感のある街に見えてきたり。
さらに、屋根まで登って街を見下ろせば全体を一望でき、猫らしい自由さを体感できるでしょう。
屋内の探索も楽しく、ごちゃごちゃした部屋の中を歩き回って、誰にもとがめられることなくモノを床に落とせるのは猫でしか味わえない快感。
瓶を割ったり、積まれた本の上に乗って崩したり、キーボードをカチャカチャ鳴らしてみたり。
人間がやるのをはばかられるやってみたいことが、猫なら存分にできるので、じっくり寄り道するのも楽しかったです。
サイバーパンクな世界観はゲームや映画で多く見られるモチーフですが、そこを猫として歩き回るとなるとまったく異なった空間として感じられ、新鮮味がありわくわくしながら各エリアを探索できました。
ただ、冒険していてとても楽しいエリアとまぁ普通のエリアはありましたw
先述したスラム街はもちろん、中央が吹き抜けの少し古びたアパート、足の長い椅子のあるバーやDJのいるナイトクラブなど、人の生活感のある場所は楽しかったです。
これはおそらく私が、人間がいた空間を猫として過ごす体験に価値がある考えているからかなと。
一方、巨大なタンクをベースに作られた集落やベルトコンベア中心の工場などは、あまり生活する場所として感じられなかったのでまあまあでしたw
猫として存分にロールプレイが楽しめるこだわりのアクション!ZURKはちょっと虫っぽい!
『Stray』は、猫に対する圧倒的こだわりを感じられる作品です。
ソファやカーペットでバリバリ爪研ぎをしたり、ロボットの足元にすりすりしたり、ニャーニャー鳴きまくったりと猫らしいアクションをプレイヤーの意思で行えます。
個人的に楽しかったのは、先述した棚の上に乗って物を落としたり、本棚を崩すなどの本能のままにいたずらするのが最高に猫っぽくて良かったですね。
こうした猫の動きに限らず、袋を被ると操作が左右反転する、お昼寝するとコントローラがいい感じに振動するなど、プレイヤーに高い没入感を与える演出も素晴らしかったです。
移動は、猫のしなやかさを生かしたジャンプアクションが中心。
ステルスアクションが求められるシーンはありますがシビアではなく、リトライも手軽にできるので難易度は低めでした。
また、街で何かを探すパートは少し迷子になりましたが、基本的に道筋がある程度示されているので進めやすいと思います。
それから、猫を攻撃してくる存在として、私がネズブタと呼んでいた存在「ZURK」がいます。
ZURKは小ブタのようなビジュアルの機敏なネズミ風の生物で、集団で行動しており、猫を見つけると向かってきてくっつき、一定時間が経過するとリトライになってしまいます。
彼らの挙動や卵から生まれる様子、わらわらと走ってくる姿はちょっと虫っぽいので苦手な方は注意。
(途中でZURKを倒せるシーンがあるのですが、個人的には気持ちよく消し飛ばせていたものの、よく考えたらちょっとグロいかもしれません)
また、ドローンに見つかると麻痺させられるシチュエーションもあり。
猫自身にダメージが入ったりする表現はないので、上記のような虫っぽい描写だけ留意しておくと良いかなと。
細部まで丁寧に作られたロケーションの数々。猫と機械の交流も心がほっこり!
ゲームクリアまでは5時間半ぐらい。
猫の挙動だけでなく、外の世界へ脱出を目指しながら相棒のドローンやロボットたちとの交流するストーリーも見どころです。
彼らは機械ではあるものの人間のような社会を形成しており、ほっこりする友情や家族愛を見ていると心がぽかぽかに。
猫はお話ができないのでコミュニケーションは一方向ですが、機械や猫が人間のように感情がある振る舞いをしていて、なんだか未来を見た気分になりました。
ここまであまり触れてきませんでしたが、グラフィックがとにかく美しいこともお伝えしておきます。
各エリアが細部までこだわって作られており、歩き回ったり次のエリアに移動するのがとても楽しかったです。
私がそもそも、サイバーパンクの雑然とした雰囲気やアポカリプスの荒廃しつつもたくましく生きている感じがとても好きというのはありますが、終始テンション高めで探索していましたw
特にロボットたちが生活しているエリアは、お店や部屋の作りにそれぞれ差分があるので、1軒1軒訪れて生活を想像するのも良いですし、メイン通りから横道に反れて怪しいお店を見つけたりするのも楽しい体験でした。
ただ、地下道など一部バイオハザードのように細菌が蔓延していそうな場所もありましたw
先述のネズブタがたくさん出てきますし、壁には大きな目玉があったりもするので、ちょっと勇気が必要です。
(ちなみに私はホラーが苦手ですが、ネズブタを倒すことに没頭していたのであまり気になりませんでした)
おわりに
とにかく猫として過ごすのが楽しいアクションアドベンチャーでした!
サイバーパンクな荒廃した街並みを中心としたロケーションも最高で、何周も探検したくなります。
一部描写が苦手な方もいるかもしれませんが、本作以上に猫になれるゲームはありません。
あらゆるしがらみから逃れ、自由気ままに猫として過ごしたい方にとてもおすすめの1本です!