『Moncage -箱庭ノ夢-』ってどんなゲーム?
・6面6様の世界を映す不思議なキューブを回転・拡大縮小して、仕掛けを解くパズルゲーム!
・共通点を見つけて異なる2つの世界をつなげるプレイ感は、ピタゴラスイッチ的な気持ち良さがあり!
・ナラティブなストーリー体験は、落ち着いた雰囲気にマッチしているけれど少し分かりづらい
ゲームレビュー
記事の目次
本作は、面によって別の世界が広がっている不思議なキューブを、回転させたり拡大縮小しながら仕掛けを解いていくパズルゲームです。
目の錯覚を利用しているのが特徴で、隣の面同士を観察し同じ形のモノを見つけ、つなげて変化を起こすという仕組み。
ロケーションは工場・灯台・教会など多彩、穏やかで落ち着いた雰囲気も魅力の作品です。
見つけてつなげて仕掛けを解く、ピタゴラスイッチみたいなパズルゲーム!
遊び方はシンプルで、キューブを回転・拡大縮小して景色を変化させ、隣の面にある同じ形を見つけて2つの世界を接続。
すると箱の中のギミックが動いて、トラックが橋を渡ったり、箱が流れたり、レバーが動いたりといった変化が発生します。
ゆえに最初は「同じものを見つける=絵を合わせるだけだし簡単じゃん!」とおもっていましたが、手がかりは意外なところに潜んでいます。
そのため、見る視点や発想を変えながらプレイをする必要があり、頭の体操をしているような気分で楽しめました。
プレイ感としてはピタゴラスイッチ的な感じで、うまくモノがつながって仕掛けが解けたときはとっても爽快です。
また、パズルゲームのなかでもヒントがとても親切でした。
考え方のヒントから探すべき場所までプレイヤーが段階的に開放でき、最終的にはすばりそのものが分かるビデオ映像も見られます。
ゆえに、詰まることはありませんし、考えたい派の人にもうれしい設計になっているとおもいます。
気になった点としては、操作性があまり良くないゲームなので、時間に追われるアクションとの相性は悪いかなと。
具体的には、移動するオブジェクト同士をタイミング良くつなげるシーンがあるのですが、正解が分かっているのにカメラ感度が低く、何度もやり直したりと少し手間でした。
ストーリーが分かりづらく、目的が分からないまま進めてしまうもったいなさがあり
本作には、ステージ内に隠されている写真から、ある家族の人生を垣間見るナラティブなストーリー要素があります。
物語情報はテキストではなく、1枚の写真のみとなっており、しっとりとした雰囲気は魅力的でした。
ただ、うっかり見つからないまま進めてしまうと物語が歯抜けになるため、展開が分かりづらいかなと。
そして、プレイヤーがどんなお話を追っているのか把握できないと目的を見つけられず、淡々と目の前のギミックを解いてしまうというプレイにつながっていました。
パズルゲームとしてはとても楽しいのですが、物語によってもっと動機づけがしっかりできていれば、ギミックを解いたときの爽快感はより強かったようにおもいます。
(連動性がある例としては、月に行くという目的のためにロケットの材料を集めたり、夫婦が仲直りをするために2人の思い出の場所を巡るなど)
とはいえ、落ち着いたトーンのアートや環境音メインの音楽など、全体的に穏やかな雰囲気で統一された世界観はとても素晴らしかったです。
シーンも豊富で、遊園地や工場などモノがたくさんある場所から、灯台や墓地など静かな景色まであるため、ギミックをつなげることで新しい世界に出会えるわくわく感がありました。
特にキューブの面によって異なる風景が見られるという体験は新しく、いろんな世界を同時並行で観察する神さまになったような気分で楽しくプレイできましたw
おわりに
目の錯覚を使うという新しい視点と、ギミックがつながったときの気持ちよさが印象的な良作パズルゲームでした!
キューブの中のロケーションも豊富でありながら、飽きがこないちょうどよいボリュームになっており、夢中になって一気にプレイできる作品だとおもいます。
パズルゲームが好きな方はもちろん、落ち着いた雰囲気でのんびりプレイしたい方にもおすすめです。