レビュー

ソニックフロンティア [PS5] 評価・レビュー

『ソニックフロンティア』ってどんなゲーム?

・5つの島を舞台に、高速で広大なフィールドを駆け回るアクションアドベンチャー
・従来のソニックらしいステージクリア型の電脳空間、バトルや謎解きなど多彩な遊びが用意されており寄り道が楽しい!
・島ごとに構造のちがいはあれど、遊び方は繰り返しなのでややマンネリ感はあり
・ストーリー描写は弱め。音楽はめちゃくちゃ良くて盛り上がる!
・ジャンプアクションは避けられないので、苦手な人は気合いでがんばりましょう!

公式サイト

ゲームレビュー

本作は、超音速アクションで広大な島を駆け巡るアクションアドベンチャーゲームです。
「ソニック」シリーズは従来ステージクリア型でしたが、オープンゾーンという広めのワールドマップに進化しました。
オープンゾーンにはバトル・謎解き・電脳空間などさまざまな遊びが用意されており、プレイヤーの自由に挑戦していける仕組みになっています。
物語は5つの島からなるスターフォール諸島を舞台に、ソニックを妨害する謎の少女と戦いつつ、はぐれた仲間たちを探すというお話が展開します。

ソニック初心者でも遊べる、新感覚のステージクリア型アクションゲーム

私はソニックらしいハイスピードなアクションがとても苦手なプレイヤーです。
目が追いつかないことにくわえ、ジャンプアクションが絶望的に下手なので、「ソニック」シリーズには苦手意識があり、Xboxで発売されたKinect専用タイトルの『ソニック フリーライダーズ』しかプレイしていません。
(なお、『大乱闘スマッシュブラザーズ』でソニックを使ったときは、よく回転したままどこかに消し飛んでいましたw)

それでは『ソニック フロンティア』はどうだったのかというと……途中であまりにもジャンプができなくてコントローラを投げそうにもなりましたが、しっかりクリアできました!
オープンゾーンになったことでステージを攻略するためのダッシュ・ジャンプ以外の遊びも加わり、小さな達成感を積み重ねていけるため、がんばれたのだとおもいます。
というわけで、本記事は「ソニック」シリーズ初心者が体験した、新しいプレイ感や従来らしいソニックらしさについてお伝えします。

寄り道したくなるフィールド探索が楽しいが、繰り返すマンネリ感もあり

本作の舞台となる5つの島は、オープンゾーンという少し狭めのオープンワールドとなっています。
ここには、クリアするとマップが見えるようになる「ギミック」、キャラクター関連のイベントで使用するメモリーアイテムを手に入れるための「アスレチック」、そして従来の2Dソニックのようなアクションが楽しめる「電脳空間」が用意されています。
フィールドは一見広すぎるように見えましたが、上記の要素があちこちに配置されていたこと、ソニックがハイスピードで移動できることなどから、漫然としすぎない程度の広さという印象でした。

そして、こうしたギミックやアスレチックを自由にクリアしていく、フィールド探索要素がとにかく楽しいゲームでした。
ギミックは反射神経を求めるものや頭脳パズル系、サッカーや縄跳びといったアクティビティなど多彩。
ソニックといえば、高速でダッシュしてステージをクリアするというイメージがあったので、単に移動するだけではない能力を使った遊びができるのは良いですね。

オープンゾーンには他にも、キャラクターとのエピソードを見るために必要なメモリーアイテムが獲得できるアスレチックも用意されています。
文字通りフィールドに設置されたアスレチックというイメージで、ジャンプやダッシュを使ってアイテムを目指して進むというミニステージという感じ。
どれも短時間にさくっとクリアできるものばかりなので、寄り道にはもってこいだとおもいます。
もちろん、スキップしても大丈夫ですが、手軽に達成感が得られるので積極的にやりたくなりました。

また、探索要素が多いゲームでは、マップに描かれたアイコンを巡るのが基本的な流れになります。
本作では、こうした行ってみたい場所が道中にたくさん用意されているため、自発的に移動ルートやどこに向かうか考えられる楽しさを感じられたのは好感触でした。

ただ、基本的にギミックとアスレチックをクリアしていくことを繰り返すため、プレイサイクルのマンネリ感はありました。
島ごとに景色は異なるので訪れたときの新鮮さはあるものの、やることの流れ自体は変わらないので、もう少し工夫があると中だるみせずにプレイできたかなとおもいます。

ステージクリア型の電脳空間は良いメリハリに!救済措置はやや少なめで、がんばりが求められる場面も

従来のソニックらしい、ステージクリア型のハイスピードアクションが楽しめる「電脳空間」も存在します。
ノリノリな音楽とともにハイスピードで駆け抜けていく、爽快感重視のアクションが味わえるので、普段のフィールド探索とは異なるプレイ感が味わえてメリハリになっていました。それ以外にも、メインストーリー進行中にはシューティングやクレーンゲームといったミニゲーム感覚のイベントも用意。
遊びの幅を広げる要素として、楽しいものになっていました。
大体どれもおもしろかったのですが、ピンボールだけはめちゃくちゃ苦戦したので、難易度緩和かスキップができても良かったように感じますw

その他で気になった点としては、ジャンプアクションに関しての救済措置が少ないということです。
特に終盤に訪れる島では、結構ハードなジャンプアクションが求められる場面があり、苦手なプレイヤーはリトライする場面も多いかもしれません。
(私はコントローラ投げそうになりましたw)

ちなみにゲームの難易度は3段階から選択できるので、バトルは楽に攻略できます。
バトル自体、敵をサークルで囲むというアクションを軸にしたシンプルな仕組みになっているので、むずかしくて詰むことはありませんでした。
ただ、敵に当たったときの無敵時間が短い、もしくはないため、ハメられると一生ダメージを食い続けるのはマイナスポイント。
とはいえ敵を倒さなくとも、総じて困ったときは釣りをすればメインストーリーは進めていけるケースが多いのは助かりました。

ストーリーはふわっと、音楽はめちゃくちゃテンション上がって最高!

攻略できる島は全部で5つ。
全島の電脳空間をとりあえずクリアして、マップ踏破率は90%以上、メモリー集めはほどほどやってエンディングまでは20時間くらいでした。
5つの島で行うことは、先述のとおりマンネリ感はあったものの、島によって構造が変わるのはおもしろいポイントでした。
たとえば、2つ目の島は高低差が激しく、3つ目の島は探索時に横スクロールになりやすいなど、新しい場所にきたと感じられるようになっていました。

メインストーリーはふわっとしたエピソードの連続なので、あまり盛り上がらず。
途中に入るキャラクターとのエピソードは単発の話題感があり、それぞれの個性を活かしきれていない印象があったので、シナリオ全般はもう少し丁寧に描いてほしかったですね。

最後に、本作は音楽がめちゃくちゃ良いです。
バトルや電脳空間でのテンション高めな楽曲はもちろん、ボーカル付きのボスバトル曲もテンションが上がりました。
個人的には、落ち着いた雰囲気のフィールドマップの音楽がとても心地良く、探索を楽しめた要因のひとつとして機能していたとおもいます。

さいごに

ゲームサイクルにマンネリ感はあれど、寄り道したくなるフィールド探索と従来のハイスピードなステージクリア型の要素が合わさって、楽しくプレイできた作品でした。
ボリュームもほどよいので、手軽でもがっつりアクションしたという体感が得られるのも良いポイントです。
ある程度アクションゲームに苦手意識がないプレイヤー向けですが、「ソニック」初心者にも遊びやすいゲームだとおもいました。

ABOUT ME
たこ
積みゲーマーです! ジャンルはRPG・アドベンチャー・パズルが好きですが、とりあえず気になったものは全部やる!! 読みやすくて前向きなレビューになるように心がけています! 連絡先▷info@tsumige.net