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鳥類弁護士の事件簿 [Switch] 評価・レビュー

『鳥類弁護士の事件簿』ってどんなゲーム?

・19世紀のフランス・パリを舞台にした、鳥類が活躍する法廷アドベンチャー
・被告を守る普通の弁護士ではない!混沌とした時代にピッタリの躍動的な物語
・小ボケの挟まる軽妙会話劇が楽しい!切れ味鋭い動物ジョークも冴え渡る!
・見た目も癖が強い!しゃべる動物たちを尋問し、正義を追い求めよう!

公式サイト

ゲームレビュー

本作は19世紀、革命前夜のフランス・パリを舞台にした法廷アドベンチャーです。
主人公は、弁護士としての腕前は少々心もとない猛禽類のジェイジェイ・ファルコン。
相棒のマイペースなスパロウソンとともに、無実の罪で起訴された動物たちをたすけるため、目撃者に聞き込みや証拠集めを行い、法定で正義を実現していきます。

いわゆる弁護士じゃない!フランス革命をテーマにした大きな展開が楽しめる物語

法廷アドベンチャーといえば『逆転裁判』シリーズを彷彿とさせますが、本作の法廷はより簡易的な感じ。
気になる発言に対して質問し、証拠を突きつけて矛盾を明らかにするのを短時間で行っていくという流れになります。

そのため、法廷の雰囲気をゆるっと味わうゲームかなとおもいながらひとつめの事件を解決したら、とんでもない結末が……!
いわゆる被告を守る普通の弁護士モノだとおもってプレイすると、もれなく度肝を抜かれるとおもいます。
そして、革命前夜のフランスという混沌とした時代も相まって、二羽を取り囲む情勢も事件ごとに変化。
法廷パートがさくさく進むので弁護している感が弱いと不安におもっていたのですが、途中からそんなことはすっかり忘れて、物語がどこに辿り着くのかわくわくしながら楽しめました。

物語は全4章で、エンディングはまったく異なる3種類に分岐します。
結末ごとに各キャラクターの過去や因縁など、細かな部分のお話を回収していくので、すべて見ると全容を把握できてスッキリする点も良かったですね。
やりこみ要素としては、特定の選択などをすると集められるメダルやアートギャラリーなど、定番のものが備わっていました。

皮肉の効いた動物ジョークが冴え渡る、軽妙な会話がとにかく楽しい!

こうした癖の強いストーリーは、もちろん本作の魅力です。
しかし、それを上回る勢いでおもしろいのが、小ボケの挟まるテンポの良い会話劇です。
とにかくローカライズがとてもしっかりしており、動物を題材にした皮肉の効いたジョークやダジャレが飛び交いまくり。
少し抜けているファルコンと、空気の読めない食い意地の張ったスパロウソンの軽妙な掛け合いは、思わずニヤリとしてしまうことが多々ありました。

また、バックログはないものの、フォントが読みやすい点も良かったです。
書体も無駄に風格を漂わせる小説のような明朝体なので、動物ギャグの切れ味がより冴え渡っていたような気がしないでもありません。

癖といえば、個性的すぎるアートも忘れてはいけません。
本作には花売りからフランス国王まで、何十匹もの動物たちが登場します。
動物なのでサイズ感も性格も差分が大きく、しかも口をパクパクさせてしゃべる姿がとてもシュール。
BGMはクラシックで格調高い雰囲気なのですが、それとしゃべる動物というギャップも圧倒的個性を発揮していたとおもいます。

さいごに

弁護している感は薄いけど、フランス革命を舞台にした物語は壮大さがあり、そうしたシリアスさをすっ飛ばす勢いで繰り広げられる軽妙な会話が楽しい作品でした!
がっつりミステリーを期待すると物足りなさはあるものの、それをカバーして余りある個性が魅力に感じられる良作です。
とにかく動物をネタにしたジョークやダジャレを挟んだやりとりが楽しいので、癖の強い見た目ではありますがぜひ遊んでほしい1本です。

ABOUT ME
たこ
積みゲーマーです! ジャンルはRPG・アドベンチャー・パズルが好きですが、とりあえず気になったものは全部やる!! 読みやすくて前向きなレビューになるように心がけています! 連絡先▷info@tsumige.net