『Tangle Tower』ってどんなゲーム?
・2つの一族が住む奇妙な屋敷を舞台にした、推理アドベンチャーゲーム
・話の主体は殺人事件の真犯人を当てることより、屋敷や一族の謎を明らかにすることなので、探偵ものだと想定するとモヤモヤ
・捜査中に出会う謎解きやパズル要素は、程よい難易度で考えるのが楽しい!
・ストーリーのスッキリ感は弱かったけれど、パズル要素や雰囲気はとても良かった手頃に遊べる作品!
ゲームレビュー
本作は、謎の屋敷「Tangle Tower」で起きた殺人事件を解く推理アドベンチャーゲームです。
この屋敷には2つの塔があり、複雑な関係にある別の一族がそれぞれ暮らしています。
プレイヤーは探偵Grimoireと助手Sallyのコミカルなコンビとなり、肖像画を描いている途中だった少女の死の真相を追うことに……。
そして不審な容疑者たちに聞き取りを行い、彼らの関係性や屋敷の秘密を調べ、散りばめられたパズルを解き明かしながら事件の謎に迫るという作品です。
なお、本作はPS4/Xbox/ニンテンドースイッチなどで発売されています。
ちなみに、開発は『いっしょにチョキッと スニッパーズ』のSFB Gamesさんで、同作のレビューは下記にあります。
2人プレイが楽しい名作パズルゲームなので、ニンテンドースイッチをお持ちの方はぜひ遊んでみてください!
殺人ミステリーではなく、屋敷や一族の謎を追うストーリー
本作の感想を端的にお伝えすると、「ミステリーとしては想像とちがったけれどパズルゲームとしてはおもしろかった」です。
雰囲気は館もののミステリーという感じで、それぞれワケアリな登場人物に事情聴取をしていく過程は探偵さながらで楽しめました。
ただ、殺人事件を軸にしているものの、真犯人をずばりと当てるお話ではありません。
もちろん犯人も殺し方も判明しますが、殺人事件を捜査にやってきた探偵が屋敷と一族の謎を明らかにするというほうがしっくりくる内容でした。
そのため、所謂探偵もののような犯人と退治する展開を期待すると、終盤はモヤモヤするかなと。
個人的には、お話が唐突に終わってしまうので、がんばって調査した成果があまり感じられなかったのは残念でした。
たとえば後日談で住民たちのエピソードが補完されれば、屋敷を訪れたことによる変化がわかり達成感も得られたのですが、特になかったのでもう少し掘り下げてほしかったですね。
謎解きやパズル要素は程よいむずかしさ!生き生きと動くキャラクターも可愛い!
このように探偵ものとしては物足りなさの残るストーリーでしたが、屋敷を捜査中に出くわす謎解きやパズル要素はめちゃくちゃ楽しかったです!
内容はものを並び替えたり、法則性を考えたりといったオーソドックスなパズル。
しかし、それぞれ異なるアクションが要求されるのでネタの使い回しがなく、常に新しいものに挑戦できるわくわく感がありました。
加えて、少し頭を捻れば答えがわかる難易度なので、『いっしょにチョキッと スニッパーズ』のような気持ちの良いプレイ感でした。
また、パズルや手がかりや文章を並び替える推理パートは、探偵たちからアドバイスがもらえるのでスムーズに進めていけるのも良かったです。
ほかにもイラストはポップで可愛らしく、会話シーンではアニメーションもするので、表情や仕草の変化が見ていて楽しかったです。
音声は英語でフルボイスなので動きと合わせた躍動感があり、特徴的な見た目のキャラクターたちがはとても生き生きとしているのも印象的でした。
こうしたキャラクターの持つ個性と、奇妙でいびつなTangle Towerから醸し出されるファンタジックな雰囲気は調査を楽しく進められることにつながっていました。
クリアまでは3時間ぐらい。
手軽にちょっとしたミステリーと程よい歯ごたえのあるパズルが楽しめる良作でした。
おわりに
謎解きやパズルを楽しみながら、屋敷や一族の謎を明らかにする手頃なボリュームのミステリーアドベンチャーでした!
殺人事件にフォーカスするとストーリーとしては物足りなさが残りますが、可愛い絵柄の持つ良い雰囲気と良質なパズルが楽しめのでさくっと遊ぶのにピッタリな作品です。