『フォーゴットン・アン』ってどんなゲーム？
・アニメーションを使ったリッチなグラフィックと、独特のファンタジー世界が魅力のアドベンチャーゲーム
・イベントムービーと操作パートの間にロードがなく、世界観に没入したままプレイを継続できる！
・ジブリ的な可愛い見た目だけど、キャラクターはアグレッシブな言動が多いｗ
・複雑な操作はなくボリュームも手頃なので、ストーリーを楽しみたい方には遊びやすい作品
ゲームレビュー
アニメーション映画のような美しい世界で、謎解きと物語を楽しむ2Dシネマティックアドベンチャーゲームです。
物語の舞台は、古いおもちゃ・靴・ランプなど、忘れられたものたちが行き着く場所「フォゴットンランド」。
主人公のアンは、師匠のボンクとともに世界の秩序を守りながら、彼らが人間の住む世界へ帰れるようになる装置「イーサゲート」の建設に取り組んでいます。
そして、ゲートの建設に反対する反乱軍を追ううちに、世界の秘密や陰謀、そして失われたアン自身の記憶に迫っていくというストーリーです。
ストーリー以外のパートでは、アンを操作して命をもたらすエネルギー「アニマ」をコントロールしながら、さまざまな仕掛けを解いていきます。
なお、現在PS4/Swich/Xboxでリリースされていますが、パッケージ版はPS4のみとなります。
個性がかなり強いキャラクターたち。エンディングのみ分岐の物語
ストーリーは、世界の秩序を守る執行官の主人公が、爆破事件などを起こす反乱軍を追っていくうちに世界の真実にたどり着くという感じです。
グラフィックの雰囲気から、『二ノ国』のように周りが主人公を助けてくれる優しいストーリーを想像していたのですが、多くのキャラクターが攻撃的な言動をばんばんしてきて、予想以上にアグレッシブな会話が飛び交う物語でしたｗ
主人公も穏やかな見た目に反してかなり勝ち気で主張が強い性格なので、危険に飛び込んだり事態を悪化させたりと躍動的なキャラクターでビックリｗ
ルート分岐については、道中の選択肢によって会話イベントの一部が変化するものの、ラストの選択による2パターンのエンディング分岐以外は一本道です。
クリア後は、チャプター選択や思い出の回収ができますが、会話・ムービーのスキップはないため、あまり周回向きの作品ではないとおもいます。
ただ、1周のストーリーボリュームもしっかりありますし、後述しているパズル要素が冗長にならないちょうどいいバランスでした。
アニメーションを使ったリッチなグラフィック。操作は簡単でパズル要素もあり
アニメーションによるムービーシーンから、プレイヤーが操作できるシーンへの切り替え時にロードが入らないので、世界への没入感を損ねないストーリー進行に夢中でプレイできました。
また、操作パートにおいてもキャラクターの動きがアニメーションで表現されるため、イベントシーンとの差異がなく、全体的にリッチなグラフィックで物語を楽しめるのはとても良いポイント。
(個人的には、終盤のキャラクターたちの生い立ちを見せる演出がすばらしく、本作におけるモノの価値観をしっかり示していて素晴らしかったとおもいます)
一方、全体的に暗い画面が多かったため、丁寧に描かれたキャラクターが見えづらくなっていたのはもったいなかったですね。
本作では、むずかしいアクションは要求されませんが、一部でタイミングを見計らってのジャンプアクションやアニマが流れるバルブの操作があります。
ジャンプがめちゃくちゃ苦手な私は、ひとつだけ苦労した箇所がありましたが、基本的な操作難易度は低いとおもいます。
また、アニマの流れを操作したり、ちょっとしたパズル要素なども楽しめ、冒険の合間のメリハリになっていました。
アニマの流れるバルブの操作は、繰り返していると飽きてくる感じがしましたが、ちょどよいゲームボリュームになっていたので気になりませんでした。
むしろ気になったのは、会話がすべてフルボイスで良いものの、送りボタンとログがないことです。
読み逃しが発生するほど早く送られはしませんが、ログはうっかり聴き逃してしまった会話の内容を確認するために、機能としてあってもよかったかなと。
また、周回プレイの際には送りボタンがあったほうが、テンポよくプレイができたとおもいます。
さいごに
見た目以上にアグレッシブな会話が飛び交うものの、アニメーションを使ったリッチなグラフィックとシームレスな演出によって快適なプレイ感を提供したファンタジーアドベンチャーゲームでした。
アクションやパズル要素の難易度も高くなく遊びやすいため、本作ならではのちょっぴりダークな世界観に惹かれた方はぜひプレイしてみてください。
